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後編 2022ザスパクサツ群馬振り返りとオフシーズンに向けての希望、そして願望。

最終回!気になる前編と中編はこちらから。
前編 https://note.com/thespa_arsenal/n/nd9ac2d973f96

中編 https://note.com/thespa_arsenal/n/nb2f47e329f87
ベースになる求められる選手像と、与えられたプレー時間。

トップ下

2トップだったのでCFの1人とカウントされがちですが、基本的にいつも左のハーフレーンでプレーしていたのでセンターか?という違和感があります。トップ下という表記がより正確でしょう。求められるのは右SHと同様、ビルドアップの受け取り先となる事、前進した後は攻撃のアクセントとなりながら自身もゴールを狙う事です。守備では2トップの一角として相手の攻撃に規制とストレスを与えることが求められました。
このポジションで中心的に起用されたのは加藤潤也。今のザスパで最も才能がある選手ですから、彼を中心に繰り出される左サイドからの攻撃はチームの武器となりました。怪我の多い選手でしたが、今シーズンは負傷によって長期離脱する事無く1年を過ごす事に成功。これは加入4年目にして初の事でとっても良かった。ただ(恐らく)コロナ感染があり、負傷ではない形でコンディションを崩してしまった時期があったのは残念でした。来年こそは1年通した活躍を期待しています。
2トップの一角ですからSHに比べて守備負担が小さく、守備に不安がある奥村や白石がここで起用される事もありました(白石はチームがボールを持ったら大外レーンまで移動していました。攻守の変化による移動は少なければ少ないほど良いので、好きじゃなかった)。奥村は守備の強度に問題を抱えていますから、ボランチよりこのトップ下で起用した方が上手くいくのではないでしょうか。高木(彰人)は1日でも早い負傷からの復活を期待しています。
来季についてですが、加藤潤也は今後右SHで起用した方がより質の高いプレーを見せてくれると思っています。彼には才能がありますが、キックの技術に不安があるためシュートへのチャレンジは消極的です。左ハーフレーンで起用する選手にはやはりカットインからのシュートを期待したい。それを踏まえると長倉の方が向いているのではないでしょうか。右SHであれば田中という信頼出来るアタッカーもいますし、より安心して加藤潤也に休みを与えられるはずです。ここは来年の大槻さん次第です。加藤潤也はザスパで心地良さを感じているように見えるので移籍の心配はしていません。
長倉、奥村、高木(彰人、負傷中)がいれば質も人数も十分です。補強の必要はないでしょう。レンタル中の川本、鈴木を残す必要があるとは思いません。川本は来年もいたら嬉しいけど笑

CF

ここもまた補強が必要ないポジションです。まず求められる仕事は時間を作る事。ポストプレーによって周囲の選手に時間を供給する事がまず求められました。また守備でも2トップの一角として相手に規制とストレスを与える仕事が与えられており、運動量も求められました。シーズン後半、チームとして大きく蹴って前進するようになってからは相手DFラインの裏のスペースに走り出す事も求められ、沢山の仕事が求められる大変なポジションだったと言えます。
序盤に出場機会を得たのは深堀。圧倒的なスピードを持っており、これは相手にプレッシャーをかける時も輝きを見せていました。裏へ抜けるプレーで決定機を多く作っていましたが、なかなか決めきれず。時間を提供するようなポストプレーが得意ではない事もあって段々と立場を失っていきました。それ以降は試合に出る度にポストプレーやトラップ1つで相手を置き去りにする技術などで向上が見られ、必死にトレーニングに取り組んでいた事は明らかだったのでこれを続けていけば良いと思います。頑張れ。
この次に台頭してきたのが平松で、深堀のようなスピードはありませんがパワーあるポストプレーで時間と余裕を攻撃に与えていました。ドッシリと構えてDFと体をぶつけながらのポストプレーをするタイプで、前線の柱として3秒ほど時間を作ってくれる選手でした。一方でプレー時間が伸びていくにつれて段々とスピードの無さが目につくシーンが増えていたのも事実。トップ下、右SHの選手達の意識が裏をとる事よりも足下でボールを受ける事に向いており、前線の選手が全員後ろを向いているような時期もありました。これは平松個人の問題というよりはチームとしての問題であり、これによって平松がポジションを失ったのは気の毒に思えます。8得点は立派なので来年も頑張ってほしい。良い選手です。
時間の供給、守備での貢献、裏への走り出し、得点。これら全てをこなしてくれたのが北川。シーズン序盤は全く試合に絡めず苦しい立場でしたが、シーズン後半にチームが長いボールを蹴るようになった変化に伴って立場を得ました。2得点と寂しい数字に見えますが、チームに対する貢献度と出場時間を考えると十分褒められると思っています。特に目立ったのは空中戦での強さと瞬間的なポストプレー。ゴールキックの競り合いなどアバウトなボールでもかなりの確立で競り勝ち、攻撃のスタート地点になれていました。また、平松のポストプレーを柱としてガッシリ時間を作ると表現しましたが、北川のポストプレーは壁として前を向く時間を供給するようなものだったと表現するのが相応しいでしょう。1,2タッチでボールを離し加藤や長倉のような才能ある選手にストレス無く前を向かせる事が出来ていました。昨年は悪い意味でマルチストライカー(これといった長所が無い)だった印象がありましたが、今年は本当の意味でマルチストライカー(なんでも出来るし、輝く武器も持っている)だったと思います。
このポジションは補強の必要がありません。高い総合力を見せるようになった北川(27歳)と全く違う武器をそれぞれ備えた平松(30歳)と深堀(24歳)と選択肢も多く年齢のバランスも良い。補強するとしたら深堀をレンタルに出す必要があるでしょうが、CFはこのままで良いでしょう。3人とも二桁得点は出来ずにシーズンを終えた為、他クラブからオファーが殺到するとも考えづらいです。北川は来年二桁に乗せると期待しています。本命は君です。

本音の振り返り

来季の青写真。現実と願望の狭間で。

大槻さんはとっても大人なので選手のミスによって試合もプランも何もかも壊されてしまった時も選手の批判をする事はありませんでした。しかし選手個人のエラーが破壊した試合があまりに多かったというのが筆者の個人的な感想です。H千葉戦、H岡山戦、H長崎戦、A大分戦、A山口戦。記憶をたどりながら書き出したので順番はめちゃくちゃですが、そりゃ無いっすよというミスで失点し、負けてしまった試合がこんなにもありました。ちゃんと思い出せばもっとあるかもしれません。そもそも90分間0失点で試合を進め、そのうえで1点取れるかどうかというゲームを狙う大槻ザスパにとってイージーなミスで失点を喫する事は自分から勝負の土俵を降りる行為に等しい。それやってたら勝てるわけないっす。
今年1年は新庄BIGBOSSの日本ハムではありませんが、1年かけたトライアウトというか、大槻さんの基準をクリア出来るかふるいにかける1年だったように思います。その中で基準をクリア出来なかった選手が中山、久保田に象徴されるような「上手さ」に特化した選手だったのは示唆的で、今後はより強度を重視した選手編成を目指していくのでしょう。今オフの補強ポジションとして挙げたCB、左SB(菊地で十分かも)、ボランチ、左SHをちゃんと補強できるか?は来季を占う上でとても重要な要素になります。特にCB。
より具体的なサッカーの話をすると、来年はどこまで重心を上げた守備が出来るか?が大槻さんの中でテーマになっているだろうと推測しています。前線から相手にプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪ってそのままゴールを決める。いわゆるファストブレイクがやりたいものの、様々な事情から低い位置での撤退守備からカウンターに取り組み続けたのは現実を見た結果の妥協だったように思います。来年は理想を形に出来るでしょうか。また、ボール保持を安定させ、前進に成功してからの攻撃ではもっとレーンをまたがる選手の横の動きを増やして行く必要があるでしょう。縦の動きばかりで横の動きが少ない事は得点が少なかった理由の一つです。横の移動を増やすと本来のポジションから大きく離れがちになる訳で、それはカウンター耐性を下げる事に直結するのは事実。そこは上手くバランスを取って欲しいですね。今は少し極端すぎ。どこまで行くのを許容するのか?をもう少し寛大に設定してほしい。来年も期待しています。

ザスパ式3年計画?

続投が発表された大槻さんですが、勝手に心の中でザスパ式3年計画と名付けて応援しています。浦和レッズにも同様の計画がありました。大槻さんからすればその計画の1年目を監督として任されたものの、1年で離れる事になった悔しさのある名前かもしれません。当時の浦和はクラブとしての転換期で、編成上の問題を抱えており、大槻さんがそのツケを払わされた側面があると聞いています(もちろん大槻さん個人の問題もあったかと思いますが)。今年の大槻ザスパもそれに似ていて、強度の不足した選手が多いという編成上の問題のツケを大槻さんが支払い続けました。浦和時代と違うのは2年目を任された点です。大槻さんに求められた基準をクリア出来なかった選手と上手に別れ、それをクリア出来る選手を集めるというサイクルを今オフ含めてあと2回行えばより強いチーム、大槻さんの求めるチームに近づく事でしょう。明確なチームとしての方向性を定めた今のザスパならそんなオフが過ごせるはずです。心の中で描いている青写真は来季に目標(勝ち点50、16位以上)達成。再来年にプレーオフに進出です。プレーオフの結果は知りません笑 出来ると思いますよ。本当に。

最後に

個人的な応援のスタンスですが、僕は選手に強くある事は求めません。しかし、強くなろうとし続ける事は求めます。今シーズンはそういった姿勢が見られない選手が何人かいた事が残念でした。櫛引や深堀といったような良くない表情やジェスチャーの多い選手もいましたが、そんなのどうでもいいんです。成長しようと練習に取り組んでいれば、その努力は形にならずとも片鱗が試合で見えます。重要なのは努力しているかどうかで、ジェスチャーではありません(山田はジェスチャーも努力も見えるので本当に良い)。結果よりもそういった姿勢を見つけようといつも試合を見ていますし、それが実を結んだ時が1番嬉しかったりします。来年以降は全員がそういう姿勢を持ってシーズンに臨んでほしいと心から思っています。強い気持ちで。

以上。本当に言いたい放題書きたい放題!やっぱりザスパ好きです。来年は勝ち点50、16位以上を達成してくれると思いますよ。きっとね。
編成が終わったら補強の通信簿を偉そうに書きます。松本さん始め強化部の皆さん頑張れ!
何はともあれ、1年間お疲れ様でした。来シーズンを楽しみにしています。


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