見出し画像

中編 2022ザスパクサツ群馬振り返りとオフシーズンに向けての希望、そして願望。

さてさてさてさて、昨日の続きです。大槻さん続投バンザーイ!文句なし。今回も言いたい放題書いていく。
強い気持ちで。

前編はこちらから
前編 2022ザスパクサツ群馬振り返りとオフシーズンに向けての希望、そして願望。 |猛|note

ベースになる求められる選手像と、与えられたプレー時間。

右SB

全く補強の必要性が無いポジション。ここは割とシンプルなお仕事で、ちゃんと守って攻撃では大外レーンを担当。運動量とアジリティ、スピードを武器に周囲と上手く関わりながら打開する事が求められました。シーズン当初は小島がスタメンフル出場を続け、たまに川上が右SBとして投入されるという流れがありました。小島が左SBとして起用されるようになった事で空いた右SBのポジションを埋めたのは高卒ルーキーの岡本。というよりは、岡本を右SBとして起用出来る目処が立ったから小島を左で起用できたというのが実際のところでしょうか。
小島は3年目にしていよいよ本領発揮といった感じで大活躍。そもそも加入初年度から圧倒的なパフォーマンスを見せていた選手で、あの大怪我さえなければ今頃J1で走り回っていた選手ですから当然ですらあります。シーズン全試合出場を達成したのは立派としか言い様がなく、欠点と言えば左足から放たれるクロスの精度くらいでしょうか。ほんと、それくらいです。その身体能力の高さで身長170とは信じられない空中戦での強さを誇り、攻撃でも守備でも全てにおいて質の高いプレーを見せる童顔の右SBがここからどこまで上がっていくのか、本当に期待しています。
そして高卒ルーキーにして1300分以上出場し、後半戦ほぼフル出場を続けた岡本。ハッキリ言って大当たり。前橋育英では守備でバランスをとる優秀な右SBでしたが、その守備力はJ2でも十分に通用していました。攻撃では周囲の選手と関わるのが上手く、大人に混じっても見劣りしないフィジカルを生かしてよく頑張っていました。175㎝70㌔って高卒ルーキーとして少し驚きがあるほど立派な体をしていると思います。パッと見ても全然見劣りしてないよね。天皇杯の浦和戦では前半に関根を完封した一方で、後半は松尾にボッコボコに抜かれまくり(なんとか完封勝利)、良い経験も苦い経験も出来た良い試合だったと思います。デビューの年に松尾みたいなJ1でもトップの選手を経験出来たのは良かったんじゃないかな。来年もザスパにいるでしょう。目指せパリオリンピック!!!
平尾にとっては苦しい年になりました。シーズン開幕直前のキャンプで前十字靱帯を損傷。初のベンチ入りは9月に入ってからと、不本意で悔しい1年だったのではないでしょうか。来年頑張れ。
このポジションは補強の必要がありませんし、何なら整理が必要なポジションと思っています。具体的に言えば、小島に挑戦の時が来たのではないでしょうか。来年以降、岡本を中心的に起用し、伸ばしていきたいのはクラブの意思としてあるでしょう。そう考えた時に、絶対的な存在である小島がザスパにいることは岡本の出場機会を奪ってしまいかねません。今年のように小島を左で起用したり(前編で書いた通り、大槻さんはやりたくない)、岡本をボランチにコンバートする(多分やれって言ったら出来ると思う)など、上手く両者を起用する手段が無いわけではありませんが、小島は飛び立つべき時が来たと思います。平尾もバックアッパーとしてなら一定以上期待できるしね。負傷者がでたら岩上もいる。今の右SBで求められる仕事だったら岩上やれると思うよ。自分の価値を移籍金という形でザスパに残してもっと上に上がっていってほしい。J2上位に移籍!とかおもんないからやめてね。J1に行け。

ボランチ

求められる選手像として片方のボランチを全てを守れるボランチと書きましたが、要するに細貝萌です。全てを守れるのは細貝だけ。彼は36歳にしてJ2で圧倒的なパフォーマンスを見せていますが、それを支えているのは圧倒的な身体能力。もちろん経験に基づく予測があることは見ていて伝わりますが、最も大きな差があるのは身体能力です。決して誇張ではなく相手選手に飛びかかってボールを奪い切る。彼のような体の動きを見せる選手はJ2に1人としていないでしょう。36歳でこんなに凄いってどういうこっちゃねん。全盛期どんだけ凄かったんだよ。負傷があったため出場時間は2000分に達していませんが絶対的な存在であった事に疑いはありません。今シーズンのMVPです。来年もよろしく。
そして、そんな絶対的な細貝と誰を組み合わせるか?を大槻さんは考えていたように見えます。守備で圧倒的な細貝と組ませるんだから求められるのは攻撃での貢献。ボランチですから守備も当然一定以上の基準で求められますが、それでもセットプレーやビルドアップでの貢献など攻撃面を期待して選手を選んでいたように見えます。攻撃で良さを出すとなると技術的に高いレベルにある風間が1stチョイスになるのは自然な流れでした。
何度か負傷があったため、出場時間が伸びなかったのは風間も細貝と同じでしたが、絶対的とは言わないまでも細貝のコンビとして大槻さんの1stチョイスであり続けました。風間より出場時間が長いものの、苦しい立場だったように見受けられたのが岩上。細貝の負傷離脱と、度々あった風間の負傷によって出場機会は得ていましたが、大槻さんから信頼を得ていたようには見えず、完全にベンチ外に追いやられる時期があったり、ビルドアップでミスをした直後に交代させられたりとザスパでこんな苦しい時間を過ごすのは初めての事だったでしょう。年齢も33と完全にベテランの立場になっており、キャリアの岐路に立っているように見えます。来年は勝負の1年になるでしょう。
大怪我によって出場機会を得られなかったのは内田も同じ。来年どれ程の強度までプレーを戻せるかは内田にとって勝負です。反対に、久保田と中山は長期離脱がなかったにも関わらずほとんど出場機会を得ることが出来なかったため、来年はいない可能性が高いのではないでしょうか(やはり中山はクリアソン新宿へ移籍)。幸あれ。
このポジションで補強として唯一必要なのは細貝のバックアッパー。36歳という年齢を考えると、もっと休みながら起用した方がいいのは当然で、もっと安心して働ける職場環境を整えてあげたい所です。前述の通り、細貝は特別な選手なので彼と同格の選手なんてJ2にいませんから、大卒のフィジカル的に強い選手が欲しい。潜在能力を見つけたい。また、ボランチは年齢層のバランスがちょっとおかしくなっているのも事実で、ボランチ6人のうち、5人が30代なのちょっとおかしいっしょ。整理が必要なタイミングだと思います。中山、久保田は新しいクラブを求めるでしょうし、前述した大卒ルーキーのボランチが獲得出来たらベストでしょう(願望)。

左SH

左SHの補強はレンタルで加入していた高木次第でしょう。シーズン途中に山根永遠が横浜FCに引き抜かれた事でプランが狂ったのがザスパ強化部の本音でしょうか。代わりに獲得できた高木がまさにチームの求める選手であった為に何とかなりましたが、高木がフィットしなかった場合を考えるだけでも恐ろしい。求められることは大外レーンを1人で突破する力といざとなったら左WBとして守りきれるだけの守備力。トップ下に加藤潤也という天才がいることを踏まえれば左サイドが攻撃の中心になるのは自然な事で、その切り込み隊長のような役割を求められるのが左SHでした。
シーズン序盤に山根が負傷した事で出番が回ってきた天笠。切り替えの早さと圧倒的な左足という武器を見せたものの、選択肢の少なさという問題を抱えていました。身体能力が高い訳ではなく、ドリブルが上手い訳でもない天笠にとってボールを受けてから取れる選択肢はクロスのみ。その分早いタイミングでクロスが入ってきますし、その早さが意外性に繋がるシーンもありましたが、やはりそれだけでは限界があるのも事実。山根の負傷からの復帰や高木の加入によって一切出場機会を得られなくなった事からも大槻さんが不満を感じていた事が見て取れます。
また、武器と共に問題を露わにしたのは白石も同じで、ドリブルという圧倒的な武器を見せた一方で守備で問題を抱えていました。ドリブルはほぼ誰にも止められる事はなく、抜いてからのクロスはチームとしての武器になりました。問題の守備ですが、SHとして求められるどこまでついて行くか?の判断とどこから行くか?の判断が全く出来ておらず、かなり厳しいパフォーマンスでした。正直、負けている時でさえ10分以上長い時間起用するのは怖い。かなり出場機会が限られた原因はここにありました。
来季以降、山中がこのポジションで起用されると予想しています。今年1年で守備がかなり向上しましたし、1人で状況を打開するドリブルが出来る選手なので求められる力を持っています。それ以外に保有権を持っている選手は天笠と白石という信頼を勝ち取れなかった2人しかいないこのポジションですから、高木が残らないなら補強は必要です。関東学院大の岩元君はこのポジションで起用される事が予想され、強化部も補強ポジションとして見ているように思われます。レンタルで加入していた高木を残せるかどうか?は来季の鍵を握るでしょう。もし残せなかった場合は山中を中心に起用し、岩元君との競争になるでしょう。天笠と白石はもうザスパで活躍する未来は無いのではないかと思っています。どちらも想像出来ないほどの成長が無ければ厳しいでしょう。白石は特別な才能を持っていますが、いくらなんでもあまりに守備がキツすぎる。来年もザスパにいるのであれば筆者の手首を破壊する活躍をしてほしいです。

右SH

442のSHですからまずはしっかりと守備に参加し、ビルドアップでは右のハーフレーンに立って後ろからボールを引き出す。前進に成功すれば間のポジションを意識しながら崩しに参加し、自分もゴールを狙うという仕事を期待されていたのが大槻ザスパでの右SHでした。
序盤に起用された田中はどこから行くか?の判断の質と守備強度で素晴らしいものがあり、守備では圧倒的なクオリティを見せるものの、ボールが足につかないシーンが散見され、攻守で貢献度が大きく異なるなんとも言えないパフォーマンスでした。3節の仙台戦で1度風間を右SHとして起用していましたが、細貝がその試合で負傷した為そのチャレンジはすぐに断念。風間をボランチに移動させ田中が右SHに返り咲きました。正直、SHが攻撃で貢献してくれないのはかなり厳しく、途中奥村を起用したり、高木(彰人)を起用したりと四苦八苦しました。そんな答えの出ないポジション争いに颯爽と結論を出したのはシーズン途中に加入した長倉。選択肢を把握出来ている長倉は相手をしっかりと見ながらプレーをキャンセルする事で、後出しジャンケンをしながら状況を打開する特別な力を持った選手です。身体能力も高く、どうして彼ほどの選手がJクラブからスルーされていたのか不思議ですが、世の中そんなもんなのかもしれません。来年もよろしく。
補強の必要性はほとんど無いポジションで、活躍を見せたといっても半年しかプロで試合に出ていない長倉にオファーが殺到するとは思えず、来年もいてくれる事でしょう。田中も悔しい1年だっただけに来年は期待できると思っています。頑張れ。後編でも述べますが、筆者は加藤潤也をこのポジションで起用した方がいいと思っています。大槻さんはどう判断するでしょうか。田部井はレンタル修行でしょう。がんばってこー!
補強の必要はありませんが、1人レンタルでトップ下も出来る選手を獲得出来たら安心です。岩元君をこのポジションで考えているなら不要です(仮にそうなら左SHの補強が必須です)。なんにせよ、緊急のものではありません。


これで最後の休憩。本当に本音。特に右SBのとこと白石のとことかね。
まだ小島と岡本の2人を保有して何かを成し遂げるほどクラブは前に進めてない。まだ育成クラブとして地位を築く段階。小島にJ1で活躍してもらうことがザスパの格を上げていく事でしょう。小島と岡本をどちらも保有出来るような選手層をほぼ全てのポジションで揃えられたら真剣に昇格を目指せると思います。
白石についてですが、この文章を書くまで白石は来季もザスパでチャンスがあると考えていました。ただ冷静に振り返ってみるとかなり厳しく、それは219分という出場時間に表れているように思います。あそこまで起用できる条件が限られると苦しい。特別な能力があるので、頑張ってほしいですが。。。

強い気持ちで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?