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2024年2月に読んだ本(7冊)

1月から(読書量が突然爆増したので)note上に最低限の記録をしている。

読書自体が楽しいから本を読んでいるのだが、裏テーマは「大量の積読本をゼロにする」だ。

ゆるいミニマリストの自分にとって、唯一片付いていないのが本棚なのだ。(積読の大半がKindle本なので物理的な本棚は散らかっていないのだが)

2月も先月と同じく7冊の本を読むことができた。
※「漫画は1作品(完読)で1冊」とカウント

目の見えない人は世界をどう見ているのか

読みはじめたキッカケ
2020年10月に荒木博行さんのVoicy内で紹介されていたのを聞き、即Kindle版を購入したものの、長らく放置していた3年半モノの積読本。

数年前に妻とダイアログインザダークに行った経験が今でも忘れられず、「目が見えない人が生きる世界」について知りたかった。(3年半も積読のままにしておいて、よく言うよ)

※この回のチャプター6の「今日のflier」のコーナー内で紹介されています

ちなみに、荒木さんのVoicyで『積読こそが完全な読書術である』という本が紹介されていた回があるので、積読の捉え方を変えたい人はぜひ聴いてから読んでみてほしい。みなみに私はまだ購入すらしていない。

Bestパンチライン

労働が画一化したことで、障害者は「それができない人」ということになってしまった。

それ以前の社会では、障害者には障害者にできる仕事が割り当てられていました。

ところが「見えないからできること」ではなく「見えないからできないこと」に注目が集まるようになってしまったのです。

目の見えない人は世界をどう見ているのか

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

読みはじめたキッカケ
この本も荒木博行さんのVoicyチャンネルの「今日のflier」で紹介されて読みたくなり、すぐにKindle版を購入した積読本。『目の見えない人は...』を読み終わった後、Kindleのライブラリを眺めながら、なんとなく決めた。

Bestパンチライン

正垣(サイゼリヤ代表取締役会長):
レストランをやってみて、高くてまずいからお客さんが来ないとわかった。だから、どこよりも安く出すことにしたんだよ。だからお客さんが来るわけ。
普通の人は「こんなに安くて美味しいのに」って言うけど、違うんだよ。自分の腕じゃこれ以上美味しくできないから、価格を下げたんだよ。

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

仕事においても家事においても、まだまだ効率化できることが山ほどあると思わせてくれる前半。後半は生き方そのものについての考え方を学ぶことができた。

サイゼリヤのエスカルゴを食べてみたくなる本でもある。(私はまだ食べたことがない)

子どもが面白がる学校を創る 平川理恵・広島県教育長の公立校改革

読みはじめたキッカケ
この本の発売直後に元 麹町中学校校長・現 横浜創英中学 高校校長の工藤勇一さんがSNSで紹介されていて、すぐに購入した本。しかし、この本もやはり積読となってしまった。

この本も『なぜ星付きシェフの僕が...』を読み終えた後、Kindleのライブラリを見ながら直感で読むことにした。

2022年3月10日に購入し、約2年後に読み切ることができた。

Bestパンチライン

「生徒同士が初対面だったこともあるのかもしれませんが、みんな自分の恥ずかしい部分を、さらけ出していたんですね。クラスの中で。親が離婚している子どももいる。複雑な家庭の子どももいる。そうすると、ああ自分だけじゃなかったんだ、あいつもそうだったんだ、となる。普段、そんなことを言い合う機会はないわけです」

機会を得て、自らをさらけ出すことによって、とても大きな安心感がみんなに生まれていった。自分の居場所を見つけることができたのだ。

「自己認識、自己開示、自己表現が可能になった。それは全部つながっているんです。だから、全然目つきが変わった印象です。ほかの教科も含めて、学びに貪欲です。そしてホームルームの時間は、ものすごくいい雰囲気なんです。それはそうだと思います。自分の今までの人生、つらかったことも楽しかったことも、クラスの担任や友人たちが知ってくれているから。何を話してもいいんだ、間違って発言しちゃってもいいんだ、という信頼関係がある。この安心感は、とても良かったと思います」

子どもが面白がる学校を創る 平川理恵・広島県教育長の公立校改革

長くてごめんなさい。

今までで最も「Bestパンチライン」を選ぶのが難しかった本だった。

ゴールデンカムイ 1〜31巻(全巻)

読みはじめたキッカケ
1巻を購入したのは2016年4月。そこから19巻までは最新巻が出るたびに購入して読んでいた。しかし仕事や育児で忙しくなり、ぱったりと読むのをやめてしまっていた。

先月(2024年1月)から読書のスイッチが入った勢いに任せて、2月6日の夜から1巻を再読しはじめ、11日間という時間をかけて31巻を読破。過去ほんとに19巻まで読んでいたのかと自分自身を疑うほど、内容を忘れまくっていた。
心底 1巻から読み直してよかったと思いながら読み進めていった。人生の中で一番好きな漫画と言っても良いかもしれないくらいハマった作品になった。
現在公開中の実写版映画にはおそらく行かないだろう。(映画否定派ではなく原作でお腹いっぱい)

Bestパンチライン

民族の生き残りを賭けた戦いか
愛する者への想いか
建前と本音の違いだけで
どちらも嘘ではない

ゴールデンカムイ 27巻

この漫画の連載開始から終了までの期間に、アイヌ民族が日本の先住民族として正式に認められたり、ロシアが戦争を始めたり、自分自身も子どもが2人生まれたり、環境保護のために多少行動していたり...
作品の内容と現実がリンクして どっぷりハマった。ベジタリアンになった自分が、動物の肉を食べまくる作品を読んでるのも滑稽だった。

40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの

読みはじめたキッカケ
この本も1年前の3月に購入した積読本。
私は、健康的で環境負荷の低い食品を開発・販売する仕事をしているため、食事の栄養や健康食品などのインプットが多い。その一環で購入したものの、パラパラと読んで熟読はしていなかった。
ゴールデンカムイを読み切った余韻の中で、まったく別ジャンルの本を早く読まないと、また漫画に手が出そうだったので、パッと目に入ったこの本を勢いで読み始めた。

Bestパンチライン

私たち日本人の食生活が大きく変わり始めたのは、戦後からということだ。

この戦後の約70年間で日本人は大きく食事内容を変化させてきた。これはもう誰が見ても驚嘆するほどの大きな変化である。

これほど短い期間にこれほど大きく食事の内容を変化させてきた民族は、世界でも日本人の他にない。

40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの

自分自身の仕事と健康のために読んだ本であり、栄養や食事について新たに知る情報も少なくなかった。
超高齢化社会を迎えた日本に住むすべての人たちの健康に想いを馳せずにはいられない情報をインプットできる本でもある。

しかしながら、あまり“正解”にこだわり過ぎると食事自体が楽しめないため、学んだことをもとにゆるく無理なく食べるものを選んでいきたい。

おばけのアッチ パン・パン・パンケーキ

読みはじめたキッカケ
1月にたまたまつけていたテレビ番組の中で『魔女の宅急便』の原作者 角野栄子さんが話されていて、その内容に夫婦で興味を持った。誰もがこんな89歳に誰もがなりたいと感じるだろうと思った。

その番組内で紹介されていた『魔法の文学館』という施設が、我が家からそんなに遠くないことが分かり、事前予約をして家族4人で遊びに行った。そこで長女と一緒に読んだ本がこの本だ。

4歳の長女は絵本が好きで、館内に置かれている膨大な本(絵本ではなく文字が大半の本)の中から面白そうな本を取ってきては、妻が読み聞かせてあげていた。
私はほとんど1歳の次女の世話をしていたのだが、妻と交代して角野栄子さんが書かれた『おばけのアッチ パン・パン・パンケーキ』を読み聞かせることになった。

短いけれど、意外な展開がある児童書で、2人で楽しく最後まで読み切ることができた。アッチやアレちゃんの絵が可愛くて、角野さんのやさしさが伝わってくるあたたかい本だった。登場人物も「こういう子 クラスに一人は居るよね」というキャラクターが出てきて、大人が読んでも自然と共感できる部分があった。

林家パー子さんが住んでそうなピンク一色の空間
雨の日だったので、けっこう空いてた
本棚に囲まれた空間で 読書好きの子どもたちが黙々と本を読んでいたり
お父さんがソファで爆睡したりしてた

Bestパンチライン
(手元に本がないため)この本のパンチラインは省略します。

全裸監督 村西とおる伝

読みはじめたキッカケ
村西とおるというAV界の帝王のことを知ったキッカケは、確か中学時代に聴いていたお笑い芸人の深夜ラジオだったと思う。

ラジオ好きは現在まで続いているが、学生時代に特に聴いていたのは『ナインティナインのオールナイトニッポン』だ。番組内のネタハガキや岡村さん矢部さんのトークの中で、何度も何度も「村西とおる」「豊丸」「黒木香」などの人物名や数々の村西とおるの名言を聞くたびにに興味をそそられ、嫌でも記憶に刷り込まれていった。

ゴールデンカムイ全巻を一気に読み切った勢いで、長編の積読本を読破したいと思った時、真っ先に思い浮かんだのが700ページを超える『全裸監督 村西とおる伝』だった。

2021年7月に買った本を2024年2月に読みきった。2年半お待たせしました。お待たせしすぎたのかもしれません。

Bestパンチライン

(「絶望的な状況の中で監督を支えたものは何だったんでしょう」という質問に対して)  

「そうですねえ。経験は人間を変えないですね。人間やっぱり目的を持つこと、これに尽きるんじゃないでしょうかね。おれは絶対に無罪だ、絶対に日本に帰るんだという信念を持って裁判闘争に挑みましたからね。目的があって初めて人間は変われるものなんですね。人生論の本を開けば最初のページに書かれているような文句なんだけど、わたくしは一億の金と七ヵ月の月日を費やしてようやく実感としてわかったんですよ」

全裸監督 村西とおる伝

エピローグの冒頭に「戦後社会におけるもっともユニークかつ狂気を秘めた男の半生記を物語ったのがこの本である。」という一文がある。これは紛れもない事実だろう。その証拠に、ひとつひとつの事象がが濃密すぎて、読んでも読んでも終わらない。紙の本の厚さは4cmだそうだ。それなのに、一切退屈しないんだから物凄い。
Netflixの作品やラジオを通じて、ベースの知識はあった方だと思うが、それでも書かれている内容が事実とは思えず、何度も声が出るほど驚嘆した。そんな本はなかなかない。

仕事において「何をやるか」よりも「誰とやるか」重要だということも、“人たらし”村西監督と仲間たちにあらためて教えてもらったように思う。

今月のベスト本

(いろいろあって3月で平川さんの退任が決まっているが)改革の内容の濃さと手数の多さ、生徒を含む関係者の心境の変化が細かく書かれていて感嘆し続けた本だったので、この本を今月のベスト本に選んだ。

後半になるにつれて特に引き込まれた。
私は商業高校出身者。広島県の変革前の商業高校は、私が香川県の高校生だった時代からあまり変わっていないんだという驚きがあった。
その商業高校改革の内容は、文中に出てきた高校生の名前を検索窓に打ち込んで、卒業後の進路を調べてしまうくらいワクワクするものだった。

改めて、学校(環境)と先生が子どもたちに与える影響の大きさを感じることができた一冊だ。
※家庭での教育の影響力が低いという意味で書いたのではないので誤解なきよう

刺さったパンチラインが多かったのでいくつか貼らせて。

「大事なことは、自分がどうしたいか、だと思うんです。自分たちが何とかする、という気概があれば、動くんですよ。民主主義というのは素晴らしいけれど、他人任せで自分ごとではないと感じた瞬間に前に進まなくなっていく危険がある」

「保育園では、例えばオムツを替える台一つとってみても、そこに子どもが上がるための階段がつけられているんです。日本であれば、抱えて子どもを台の上に載せるわけですが、オランダでは、自分で上がってきなさい、というのが、幼児教育からすでに徹底しているのだと感じました」

「説明してくれていた生徒に、この学校のいいところは何ですか、と聞いたんです。そうしたら、先生が学ぶことを楽しくしてくれる、と言うたんです。先生はベストフレンド、と。衝撃でした。学ぶことを楽しくしてくれる、ベストフレンドですよ。それはもうガーン、ですよ。ショックじゃったです」

「専門高校を人材の宝庫と位置づけて、大事に育てていくことが、県の将来を左右すると言っても過言ではないと思っているんです。商業高校でデジタルマーケティング、工業高校で周辺システムの構築、農業高校でスマート農業の実現といったバリューチェーンの構想を持っています」

今月もごちそうさまでした。

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