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発展途上国(SDGs14.7 その2)

さて、今回のターゲットとされている国は「小島嶼発展途上国」や「後発開発途上国」となっています。では「発展途上国」とはどんなものか見てみることにしましょう。

簡単に言うと、開発途上国とは「ODA受け取りリスト」に書かかれた国のことです。(※1)世界の中でも進んでいる国が世界に貢献しようとして作ったOECD(※2)という組織があります。OECDのメンバーは話し合って「私たちは先進国なんだから、貧しい国を助けるべきだ。」という1つの結論に達したのです。貧しい国へ先進国がお金や技術を援助する政府開発援助、通称ODAをしようということになりました。(※3)このODAを受け取るべき貧しい国をリスト化したのが「ODA受け取りリスト」です。では「ODA受け取りリスト」に乗るための条件とは
1、世界銀行によって「高所得国」以外に分類される国々(※4)
2、国連によって後発開発途上国に分類される国々 (※5)
とされています。経済大国世界2位の中国も1人当たりのGNIは10,511米ドルなので、(※6)一応、ODAを受け取る権利を持っている国となるわけです。

それでこの「発展途上国」とSDGsでいう「小島嶼発展途上国」や「後発開発途上国」の関係とはというと特に関係ありません。発展途上国は、OECDという自分たちを先進国と言っている国たちが勝手に決めた基準で、小島嶼発展途上国や後発開発途上国は国連が決めています。
「小島嶼発展途上国」とは、小さな島で国土が構成される国で、国連が公表しているSIDSリストに書かれている国のことです。(※7)「後発開発途上国」とは、国連が認めている貧しいという条件(※8)を満たした国で、国連で認定された国のことをいいます。(※9)このような国のほとんどは、国が小さく、孤立していて、資源を持たないといった共通点を持っています。しかし、国が小さく、孤立していて、資源を持たない国だからといって必ずしも貧しいわけではありません。ちゃんと成功している国だってあるのです。それが、世界第3位の経済大国「日本」なのです。

※1、JETRO おしえて!知りたい!途上国と社会
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Column/ISQ000007/ISQ000007_005.html
※2、Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略。日本語で経済協力開発機構といわれている。現在加盟国は38カ国で、日本は1964年に加盟している。
https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/oecd/index.html
※3、JICA ODAとは
https://www.jica.go.jp/oda/allsearch/index.html
※4、2016年時点の一人当たり国民所得(通称、GNI)が12,235米ドル以下の国々
※5、一人当たり国民所得(通称、GNI)、人的資源指数(通称、HAI)、経済脆弱性指数(通称、EVI)によって判断される国々 
※6、GROBAL NOTE 世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)2021年10月13日 更新分
https://www.globalnote.jp/post-1339.html
※7、小島嶼開発途上国。通称SIDSとはSmall Island Developing Statesの略。太平洋,カリブ,アフリカ地域等の38か国を指す。
SIDS38カ国
シンガポール、バーレーン、東ティモール、モルディブ、キリバス、サモア、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、アンティグア・バーブーダ、キューバ、グレナダ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント、セントルシア、ドミニカ国、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ、ハイチ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、ガイアナ、スリナム、カーボヴェルデ、ギニアビサウ、コモロ、サントメ・プリンシペ、セーシェル、モーリシャス
外務省 ODAと地球規模の課題 小島嶼開発途上国(SIDS)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/sids/sids.html
※8、以下の3つの条件を満たすと国連が認めた国を後発開発途上国と呼ぶ。
1、1人当たりの国民の所得(通称、GNI)が1,018米ドル以下
2、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、妊産婦死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化したもの(通称、HAI)一定数以下
3、人口規模、地理的要素、経済構造、環境、貿易のショック、自然災害のショックから構成された数値(通称、EVI)が一定数以下。
※9、後発開発途上国。通称LDCとはLeast Developed Countryの略。国連開発計画委員会(CDP)が認定した基準に基づき、国連経済社会理事会の審議を経て、国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国々。3年に一度LDCリストの見直しが行われる。
LDC46カ国
アンゴラ(2021年に卒業予定)、ベナン、ブルキナファソ、ブルンジ、中央アフリカ、チャド、コモロ、コンゴ民主共和国、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、レソト、リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ニジェール、ルワンダ、サントメ・プリンシペ(2024年に卒業予定)、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、南スーダン、スーダン、トーゴ、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン(2023年に卒業予定)、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ネパール、イエメン、東ティモール、キリバス、ソロモン諸島(2024年に卒業予定)、ツバル、ハイチ
外務省 貿易と開発 後発開発途上国
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/ohrlls/ldc_teigi.html





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