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【最終回】                何者にもなれなかった50男の物語

実はタクシー業界に入るまでは
興味がありつつも最後に行く
職場だと思っていたけど事実
その通りになった

これで人生最後の仕事にしよう

そう思いながら会社の門を叩いた

元々タクシー業がぼくに合っていた
のだろう、水を得た魚のようで
とにかく仕事が楽しかった

全て自分の思うように動き休憩も
自分の好きな時だし休みも多い

勿論当日欠勤も問題ない

歩合なので自己管理出来る人なら
それなりの売上が作れる仕組みだ

元々店を始めようと思っていたので
結構貯金が残っていた

コイツをどうにか生かせないか
と思い資産運用を始めた

隣でいつも妻が支えてくれたのは
本当に幸運としか言いようがない

今までアウトローすれすれで
生きて来たが妻と知り合って
ぼくは大きく変わったと感じる

結婚直後はどんどん減ったお金も
ある時から収入があるとまず貯金に
回していたので運用資金も出来た

この半世紀

人様に迷惑をおかけして生きて
きたのは間違いない

本当にろくでもないことばかり
やってきたしここに書けない事
のほうが多かったりする

たまたま運が良かったから犯罪者
にならなかっただけの話

残りいつまで生かされるのか
わからないけど、自分が出来る
ことで他人が出来ない事を行おう

ぼくが妻と知り合ったことで人生
大きく好転したように人は誰でも
チャンスは訪れる





ピーピーピー(心電図の音)

ふっと目が覚めた

ここどこだよ?

防護服を着た人が忙しく
動き回っている

ぼーっとする頭が忙しく
働き出した

全身拘束され動けないぼく

やばい!

明日仕事行けないじゃん

ていうかここどこ?

金ないしどうやって帰る?

どうやらここは病室のようだ

看護師は言う

「今日何日だかわかります?」

何言ってんの?

気がつくとぼくは数日間

長い夢を見ていたようだ

振り返るとダメ男の物語

後悔はない

折角この世に戻って来た命

最後まで全力でバカやってこう

こんなダメ男の物語にお付き合い
いただきありがとうございました

楽しんで頂けましたでしょうか?

素人の創作なのでクォリティは
ご勘弁ください


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