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【第十七回】何もにもなれなかった50男の物語

どうも

何者にもなれなかったたてやんです

今日はもう少し台湾時代を話します


ぼくは国内線の飛行機の中
今でいうLCCみたいなやつ

プロペラ機は離陸した

ところが出力不足なのか
なかなか上がらない

そのうち飛行機は旋回する
ように真横を向いた

ぼくの窓から海が見える

全然上がらないプロペラ機

エンジンがうなっている

プロペラの出力が落ちた

飛行機は海に向かい下降を
始めていた

「これ死んだな」

ぼくは腹をくくった

そのとき!

出力が落ちていたプロペラは
再び動き出し体制をたて直した

結局整備不良の飛行機は
そのまま空港へ戻った

国内線の飛行機はしっかりと
メンテナンスしてなさそう

その後航空会社のとった宿に
へんな中国人と相部屋となり
非常に気まずい時が流れた

列車から飛び降りられる
時代だから適当かもしれない

30年以上前の台湾は
まだまだ後進国

女性は腋毛ふさふさ

大学生のファッションは
スタジャンだった

外国人のぼくはどこでも
モテモテだし
台湾人の友達も多かった

お坊ちゃまの台湾人と
知り合う機会があった

彼は「ヨシ」という親日派

ヨシは良い店を知ってるから
行こうと誘ってきた

そこは若者が集うバー

でもそこは普通のバーでなく
同性愛者が集まるバーだった

ぼくは同性愛に偏見ないので
紹興酒のカクテルで盛り上がる

そしてヨシのスクーターに乗り
ぼくらは陽名山という別荘地に
向かった

ヨシの住む部屋はそこにあった

ぼくらはキングサイズのベットで
一緒に寝ることになった

もそもそ。。。

夜中に目が覚めたぼく

なにやら股間に伸びる手

ヨシはぼくの股間を
さわっていた

ヨシの手を払いのけた

「俺そういう趣味ないから」

なんかあったら殴ってバイクを
奪って帰ろうと身構えたが
なにも無く朝を迎えた

ぼくは同性愛に偏見がないので
誤解させてしまったかもしれない

数年前に台湾へ行った時
東京みたいでびっくりした

飛び降りられた汽車も
今は日本の新幹線が
走っている先進国

古き良き時代の台湾で
過ごせたぼくはやっぱり
幸せかもしれないね

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