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風姿花伝(ふうしかでん) 能楽というエンターテインメントの基礎を作り上げた男の言葉

室町時代の能役者・世阿弥(ぜあみ)の執筆した
「風姿花伝(ふうしかでん)」は
能をいかに興行的に成功させるかという工夫の数々を、
実演者としての立場から説いた書である。
この記事では本文を現代語訳したものを
さらにさくっと読めてしまう文にしたものです。
何かを切り開いた偉人の言葉は現代に読み返すことで
迷いやすい様々な道から選択できるようになる手助けになります。
ご興味のある方は本当の現代語訳参考リンクを一番下に
貼り付けてありますので読んでみてください。


<第一 年来稽古条々(ねんらいけいこでうでう)”十二、十三歳編”>

この年齢になると、次第に声や笛の調子が合うようになり、
演技にも自覚が生まれる時期なので、
少しずついろいろな演目を覚えるのが良い。
まだ見た目は少年少女なので、何をやっても可愛らしく、美しい。
声も明瞭で華やかに聴こえる時期である。
この二つの利点があるので、欠点は隠れて、良いところばかり見えて魅力的なのだ。
子供の芸は無闇に手の込んだことをさせてはならない。
実際の舞台でも微妙だし、芸も上達しない。
ただし、超天才の場合、どんなふうにやってもいい。
しかし、この超天才も真実の芸から生まれたものではなく、単にその時輝いているだけなのだ。
ということでこの年齢の子の芸の良し悪しは、その子のその先一生の芸の良し悪しの
判断材料にはならないのだ。
だからこの時期の稽古には、本当に簡単にできる芸をいかに正確にできるか。ということを
大事にしないといけない。
動きひとつひとつを正確に大切して行わせなさい。


次回は「第一 年来稽古条々(ねんらいけいこでうでう)”十七、十八歳編”」です。
武蔵の「五輪書」とは違う考え方も多くもっていて、
人それぞれで正しい道など昔からないんだなと、改めて思います。
英語でも「Flowering Spirit」「Kadensho」などの題名で出版されているそうです。
世阿弥がこの書を書いた経緯や、この書が出版されるまでの経緯も面白いので
また別記事にしてアップしたいと思います。
ではでは。


参考
https://roudokus.com/Fushikaden/01.html

無題 - 2021年1月13日 19.55 3


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