聴濤斎帆遊

当面は90年代末以降の韓国ホラーについてばかり書いていきます。

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  • Kホラーの大百科

    90年代末以降の韓国のホラー映画を「Kホラー」と呼んで、映画評を載せています。

最近の記事

絶対見てはいけないクソ映画『絶対クリックしてはいけない動画』(12)

「監視カメラが溢れる現代社会への警鐘」といった、取って付けたようなテーマを、『リング』の劣化コピーとしか言いようがない安直な恐怖演出で描く、“Kホラー冬の時代”に作られた愚作。  2018年、『昆池岩/コンジアム』が267万人の観客動員を達成してKホラー歴代2位の記録を打ち立て、Kホラーは蘇った。Kホラーの黄金時代は90年代末〜ゼロ年代半ばとされ、2003年に314万人を動員した『箪笥』が歴代1位だ。そして、ゼロ年代後半から『昆池岩/コンジアム』登場までのおよそ十年間は、“

    • この映画こそが事故物件『アパートメント』(06)

      韓国語で「アパート」は日本のマンションのこと。恐ろしいマンションご近所関係が一人の死を招き怨霊を生む…が、リアリティと説得力の欠如、編集が繋がらない等、一言で言って「下手」。監督が中国に都落ちする事態に! 『友引忌』(00)『ボイス』(02)で成功を収めたKホラー初期の立役者、ホラー専門監督と自他共に認めるアン・ビョンギ。専門家だけあり怖がらせテクは持っており、本作も一応、怖いは怖い。だが映画としては破綻している。  このnoteでは毎回、あらすじを詳しく再現しようとして

      • 意味がわからない『保健教師アン・ウニョン』(20)を謎解きする

        先に結論。このドラマは難解なのではなく、作り手が下手で説明不足なため、意味深で謎めいて見えるだけ。深読み・裏読みしても何も出てきません。でもポップでファンシーで不思議ちゃんな良いドラマ。続編に期待。 『保健教師アン・ウニョン』は、シュールで、難解で、不条理で、謎と暗示に満ちていて、カルトっぽい、Netflixオリジナルの全6話の韓国ミニシリーズドラマだ。『エヴァ』のような、デヴィッド・リンチのような、『TENET』のような、深読みと謎解きができるやつか!? と思って、本国で

        • 韓国ホラーに日米の恐怖要素も詰め合わせ70点『霊』(リョン 04)

          女子校での陰湿なイジメを描くゼロ年代Kホラーのトレンドに、日本の貞子の影響をMIX。さらに『シックス・センス』ばりの大ドンデン返し。おまけにキム・ハヌルのオーバーアクトまで。もう、お腹いっぱいの佳作ホラー。  Kホラーの原点、98年の『女校怪談1』のレビューで、筆者はKホラーの特徴を独自にこう仮定した。 ①女子校が舞台。イジメ、受験戦争、教師のハラスメント等、学校が抱える様々な問題が盛り込まれる ②百合要素 ③女子高生の“コックリさん”遊び ④若手アイドル女優の登竜門

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