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ジョブ型•タートル図 マネジメント手法 ; 欧州二天一流 四之巻

《タートル図、プロセスマネジメントに有効な技である。処がIATF16949規格に、その記述は無い。10年一昔ならば、二昔前の古流TS16949でも有効とされながら、そこでも明記は無い。昔から基本のキとされる基礎的な技。子亀、親亀、企業全体タートル図=ガメラ型、大亀神技。》

四之巻【プロセスマネジメントの構え】

『亀の型;例5.1.1.3プロセスオーナー』
 
タートル図との定形型はあるも、あらゆる業務プロセスに応用可能である。各タートル図間=各プロセス間の連携(マネジメント)も非常に大事である。まさにマネジメントスキル次第で良くも悪くもなるプロセスパフォーマンス指標(9パフォーマンス評価)にも通じるタートル図。それ故に、プロセスオーナーのマネジメントスキル次第となり、上記での例は、5.1.1.3。
言葉だけだと解り難いので、下記にタートル図の事例を記載。

【タートル図;事例】

インプット(亀の頭)となる“前プロセス”の設計部門などから図面などが来る。受け取った製造プロセス(胴体)で生産すると、アウトプット(尻尾)の製品を、倉庫もしくは顧客の後プロセスに出す。亀の手足としては、その製造プロセスに必要な設備、人的資源、方法、そしてプロセスの状態を監視するパフォーマンス指標の欄がある。その姿、亀の如し。
タートル図で、一番大事なのは、誰が該当プロセスをマネジメントするか?そのマネジメント状況を表す指標がパフォーマンス指標(KPIと言われる事もあるが100%の同義語ではない)。その為、右上には、その責任者の欄も必要となる。
事例とした5.1.1.3には、トップは該当プロセスをマネジメントする責任者(プロセスオーナ)を特定する必要がある。そのプロセスオーナーは、自らの役割を理解し、実行する能力が必要と書かれている。関単に言い換えれば、部課長には能力があるハズだから、責任を果たせ。その果すべき業務内容を明確化したのが、タートル図。
 
 
<<ライトセーバー実践編>>
 
型の事例は、製造プロセスとしたが、この中には子亀としての受入検査プロセスのタートル図も作成可能。逆に、より大きな工場運営プロセス•タートル図の作成も可能。最小単位であれば、個人のタートル図。今後の日本であれば、ジョブ型雇用にも活用可能。当然、上記プロセスの前後プロセスもある。つまりは、全部のタートル図を揃えれば、企業全体のプロセスが揃う事になる。
この文章を書きながら新たに思った事は、部署長が取るべき責任も、タートル図に明記するならば、部下は上司に好感を持ち、組織や企業へのエンゲージ向上策になるかもしれない。
ちなみに、小生は、新入社員研修や、新人への最初の説明には、自部署のタートル図を使用していた。20年近く前の話題だが、今思えば、メンバーシップ型雇用に反していたのかもしれない。近頃話題のジョブ型雇用と言えば、Job description。10年ほど前、小生の赴任先にもJob descriptionはあったが、アジア圏の為か、日系の為か、あまり活用されていなかった印象だ。そこで北米に赴任していた仲間に聞いた処、Job descriptionを最小単位のタートル図として導入するのを検討中との回答だった。その方がTS16949に合うのは確かだろう。タートル図の考案は海外だし、Job descriptionも海外。もしかしたら、小生が知らないだけで、欧米では、個人へのタートル図も導入されているのかもしれない。雇用形態まで視野に入ってくる品質マネジメント。品質業務には、やはりマネジメントこそが重要だ。

補足;日系品質☆妄想考/ep8で記載した事にも通じるが、個人個人のタートル図を作成するならば、上司も部下もタートル図が必要になる。その時、お互いの業務は、上下関係よりも、前後プロセス的になり、上への気兼ねを減らすツールにもなるでしょう。丸投げする方々への防御策、メンタル支援にも使えるかもしれない。
 
 
<<タートル図の謎>>
 
個人的な疑問は、暗黙知への要求事項も明記しているIATF16949規格が、タートル図を明記せずに良いのか?頭の硬い、第三者監査員は、規格要求に明記されていないのに、書式やタートル図の運用法を固定化して、質問したり、説明される時がある。そんな時には、抵抗するが、タートル図とは規格基本のキで、明記すら不要だと受け止めよう。なんせ、第三者監査員の定型監査メモ用紙に、監査先のタートル図を転記する図があるのも見た事がある。それに、プロセスアプローチ、プロセスの明確化など、プロセスマネジメントに関する要求事項が多いISO9001&IATF16949規格へのタートル図なのだから。有効なマネジメントツールなのも確かである。IATF16949を必要としない業界でも、タートル図を上手く活用するのは、業務管理、マネジメントに良いと思われる。
それにしても、タートル図には、亀の型がありながらも、変幻自在の構えで、無型の如き型。
そんな型の無い構えとは、帝王サウザーの南斗鳳凰拳、天翔十字鳳か?

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