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ツリーデコレーターのはじまり


私がツリーデコレーターになっていくはじまりは、母がコレクションしていたクリスマスオーナメント一式をもらったことでした。母は一見控えめな印象ですが、実に情熱的でパワフル、ユニークな人物で私のNO.1ファンでもあります。父は父で荒野を見せに私たちをアメリカの砂漠に1ヶ月も連れて行きました。子供心に、何故砂漠なんだ?と思いましたが、今となってはあの絶景や空気が私を作る要素の一つでした。

そんな両親に育てられた私が最初に"作った"クリスマスツリーは小学生の時。母の指揮のもと、私たち姉妹は100羽以上の折鶴を千代紙で折り、我が家のモミの木(2M近くあったはず)にデコレーションしました。モミの木サイズにあわせ、千代紙の裁断から始める徹底ぷり。完成時母は「和風クリスマス!」と大満足そうしたが、私たち姉妹は何日間も鶴を折り続けヘトヘトだったことをよく覚えています。

学生の頃には、クリスマスツリーデコレーションは秘密の趣味となっていました。秘密なのは印象が乙女で恥ずかしかったから。それでもクリスマスへの想いは募るばかり。今とは違ってamazonなんてない時代に各国のオーナメントを集め、文化を調べ、クリスマスシーズンになるとクリスマスムードが溢れるアメリカへよく通いました。この頃ニューヨークのデコレーションにインスピレーションを受けた私は、私だけの”クリスマスツリー”を模索し始めました。

選んだ職業はグラフィックデザイナー。形と色の関係や組合わせを考えることが好きな私には自然な流れでした。結果として形状、配色、バランスなどが鍛えられ、”クリスマスツリーをデザインする”という考え方に到りました。感覚だけで作るのではなく(それも楽しいけれど)、”クリスマスツリーはデザインし設計する!”とより楽しめるんです。

オーナメントをデザインしたり、コーディネートを考え出す私はデザイナー。それらをデコレーションするのはデコレーターの私。そこには誰かが作った素敵なオーナメントもインスピレーションの元。一緒に組み合わせたらどうなるだろう!って考えるとワクワクが止まらないものです。

こんな流れを経てツリーデコレーターの私が出来上がっていきました。そもそも「ツリーデコレーター」という言葉は私の造語。この呼び方がツリーを作る私にはしっくりきます。

日本のクリスマスの良い点は、宗教観念を超えて季節の風物詩として「家族で、みんなで楽しめる」点です。ツリーを飾ることで身近な人と人を繋ぐ「楽しいコト」のツール。クリスマスツリーは寒い冬に豊かさや幸せを再確認する幸せの象徴のひとつだと思っています。ツリーデコレーターが提案する Natale のツリーが皆様の楽しい瞬間を彩るツールのひとつになるよう願いを込めて。私たちは"愛のある"クリスマスツリーを1年をかけて製作しています。

このnoteには、ツリーへの想い、デコレーションやツリーの立て方、ちょっと楽しく作れるコツなど、私流のあれこれを書き留めていこうと思います。

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