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令和が「サブスクの時代」になるべき4つの理由

どうも。

昨日、平成を「CDの時代」としてトリビュートしましたが、今日は令和の音楽がどういう時代になるか。それについて語ろうかと思います。

まあ、間違い無く、この時代ですよ。

サブスクリプションによるストリーミングの時代!

日本の外に住んでて思うんですけど、日本でまだ、ストリーミングに懐疑的な人がいるという話を耳にしますけど、申し訳ないですけど、それは僕にはあまりにも滑稽すぎます。そう思う理由が全く理解できないからです。

もう、さっさとストリーミングに移行した方がいいですよ。

そう思う理由をあげていきたいと思います。

1.CDを「店舗で売る」ということの限界

これは前回の「平成CDデイズを振り返る」でも暗喩したことなんですが、これからの社会、CDをお店で売っていくというのは限界があります。これは「もう売れないから」ということを言っているのではありません。それは今現在のCDの貯蔵量が、渋谷のタワーレコードでさえもまかないきれないくらいの巨大な量に膨れ上がっているから。冷静に考えてもみてください。もう25年も前に、7階建てのビルを建てられるくらいにCDを売る量ってあったんですよ。それが25年も経った今、もう、まかないきれる量なんてありえないでしょ?もう、これからは売るとしても「売れ筋」が中心の置かれるCDのラインナップにならざるをえないだろうし、昔みたいに「なんでも取り揃えている」状態というのは、もう起こりえないと思います。

そこいくとサブスクは貯蔵量が無限です!ケータイいじるだけで、どんなジャンルでも、いつの時代の音楽でも、(その国が協力的さえあれば)世界中のどこの国の音楽でも、すぐに聞けるわけですから!こんなの、僕からしたら夢みたいな話ですよ。

2.サブスクは「偉大な音楽の図書館」になりうる

これは世界各国の、主にオヤジに言えることなんですけど、サブスクを嫌う人たちがよく言うことに「だって、くだらない音楽がはやるじゃないか」というものがあります。これも愚の骨頂です。そう言うことで「若い世代とのジェネレーション・ギャップ」をごまかしているだけにすぎません

確かに、SpotifyのグローバルTop50、しょうもない曲がたくさん入ってはいますよ。でも、「新しいメディア」というものが出来る時って、若い人、というか子供が一斉に飛びつくわけだから、この傾向はある意味しょうがないことでもあります。

僕が子供の時、「24時間音楽専門」を歌ったMTVが出てきた時、流行りが一斉にニュー・ウェイヴのアイドルになった時があったんですが、この時も上の世代からは散々叩かれましたよ。「MTVができて、しょうもない音楽が流行るようになった」って。だけど、その当時にMTVに夢中になった子供達が約10年後、10代後半から20代前半になって何を盛り上げたか知ってます?オルタナティヴ・ロックとヒップホップですよ!「24時間も音楽漬け」な便利なメディアで育った結果、趣味が洗練されたからですよ。

どこかの国だって、CD時代になってからしばらく、しょーもない音楽、たくさん流行らせたじゃないですか。短冊みたいな「CDシングル」が「ドラマのタイアップ」とか何とか言って100万枚くらい平気で売れてた頃が。あれだって大概酷かったけど、でも、そんな日本だって、CD屋文化が発達してマニアックなバイヤーとかが積極的に働きかけたおかげで、90sの後半、日本独自にロックフェスが組めるくらい、音楽成熟したじゃないですか。

新しいメディアの登場で、今は大人目線では「くだらない」という音楽が流行っていても、時間をかければ子供だって学びますから、確実にもっといい音楽、流行っていくはずですよ。

だって、そんな風になる要素がサブスクには満載ですよ。僕が20代の頃、例えば70s、60s、さらにブルースとかカントリーとかに徐々に興味を広げて行った時、「これ、いいのかなあ」と思った時、ガイド本に書いてあることを信じて「賭け」のような気分で、ドキドキしながら買っていたものです。そこであたりのものが見つかったから趣味も広げられてますけど、一方でもちろん、あまり聞かずに終わったものもあって、「失敗だあ。2000円、損した」と思うことだって何回もありましたよ。

そこいくと、今のサブスクに慣れた子供たちって、「そうした金銭的なリスクを負わずに、これまで聞いたことのない音楽を試聴できる」。これは非常に大きなことだと思いますよ。しかも「ちょっと聞いてみたい」と思った時に、タイムラグをかけないまますぐに聞けるから、聴くときのモチベーションも高いままに聞けるでしょ。僕らの時だと、ある時に「聞きたい」と思っても、それを「購入するタイミング」まで待たなければならなかった。「買えないまま、聞きたい気もだんだん薄れた」みたいなことも何度もありましたからね。その意味で本当に便利な世の中になっています。

あと、これはどんな世の中でも叶わなかった、「世界中の国の音楽が聴ける」というのはとんでもない魅力ですよ!渋谷のタワレコの全盛時にもワールドミュージックのコーナーってあったけど、それって、ある特殊の音楽傾向に縛られたものにすぎなくて、例えば「ブラジルの最新ヒットって何?」とか思ってもリアルなものなんて全然聞けなかった。それが今や、「どこの国でどんな面白い音楽があるの?」という疑問にもサブスクならリアルに答えることができますからね。これはCD文化がどんなに大きくなろうができなかったことでもありますよ。

サブスクのそうした「時空と国境を超えた図書館のような性質」、これが理解されれば、今よりももっともっと重宝されるはずです。

3.音楽に触れる時間が飛躍的に増加する

あと、これもサブスク反対派からの、全く理解できない不平として「サブスクをするとアルバムを聴かなくなる」というものがあります。これもよく、根拠がわかりません。

これはおそらく「プレイリスト」のことを言ってると思うんですけど、プレイリストが流行るようになったからといって、「もう、アルバムは聞かない」という帰結に結びつく、というのはよくわかりません。プレイリストというのは、ただの選択肢に過ぎないし、逆に「プレイリストをきっかけに、あるアーティストが好きになって、その人のアルバムを聴くようになった」という展開だって十分可能なわけで。なんで話を「もう、プレイリストしか聴かなくなる」に一方的に結び付けようとするのかがわかりません。

それに、僕自身で言えば、サブスクやり始めて、聴くアルバムの量、飛躍的に増えましたよ。今は週に5、6枚は新作をフル聴きしてますけど、CDたくさん買ってた時代でさえ、新譜を5、6枚なんて買ってなかったですからね。むしろ10代、20代の時より、今の方が濃密に音楽聴いてますね。

 あと、移動の時にもストリーミングの方が便利なんですよ。90年代、僕はCDウォークマンを持って歩いて、ホルダーに常時10枚くらいのCD詰めてましたけど、持って歩くと重かったんですよね(笑)。それが今ならケータイ1個で済むでしょ?しかも、聴きたい音楽を、ワイファイが届くとこなら即時に入れられる。90sの自分が今の世の中みたら、絶対羨ましがると思うんですけどね。

あと、それこそプレイリストなんて、思いのほか短かったipodの時代の悪い名残だと思いますよ。あれこそが、アルバムの中の断片をビッツ&ピーセズにして聞かせる諸悪の根源だったと思うので。ipodが一番、僕の肌には合いませんでしたね。だって「空気」を買うんですよ(笑)。それこそアルバム一枚だったら、そんな空気にそれなりの値段もかかったりしてね。あの体験こそ、一番気持ち悪かったですね。しかもitunesの音だから真空パックされた音じゃないですか。それが僕がApple Music解約した理由でもあるんですけどね。この件で唯一、「注意が必要」なことがあるとするなら「音質の良いサブスクを試してください!」ということですね。僕は幸い、DEEZERとかTIDALが僕の国でも利用者多いので、その恩恵を受けてかなり良い音質で聴けてますけど、日本にできたら、各社比較ができるくらいのサブスクが上陸して欲しいですね。そうして音の良いサブスク見つけたら、アルバム・フル試聴するモチベーションも高まるはずでしょうから。僕の基準だと、Spotifyの有料で選べる最上音質のヤツ。あれが最低限のオッケー音質ですね。僕は断然DEEZERオススメです。日本にも上陸してるんですよね?

4.「モノで持たないと体得したことにはならない」という嘘

最後に、「でも物で保たないと、やっぱり音楽聞いた気にならない」という意見がありますよね。これもハッキリ言ってしまえばデタラメですね。

だって、こないだも話したように、僕、最大で8000枚CD持ってましたけど、そんなのが全部、自分の記憶に残ってるわけなんてないじゃないですか(笑)。不遇にも聞かれなかったCDなんて、いっぱいありましたよ。だいたい、そんなにCDたくさん持ってても、物理的に聴く時間、ないしね(笑)。

逆にストリーミング始めてからCDなんて1枚も買ってないですけど、愛聴して自分の脳裏に刻みこまれているアルバムなんて、もう何枚もありますよ。それに子供の頃、思い出してみても、ラジオとか「ベストヒットUSA」で流行ってた曲なんて、レコードで結局買ってないものだって多いのに、音源として持ってるものより自分の中でしっかり残っているものも少なくない。そういうものですよ。「頭の中や思い出として残るもの」に「購買としての記録」は必ずしも関係がないものです。

それに、「モノとして持ちたい」なら、僕ははるかにアナログのアルバムを聴くのをお勧めしますね。モノとしての見た目もCDよりいいし、さらに言えば、音質、アナログの方が良いですからね。CD買うより、気に入ったアルバムのアナログだけ買って、できるだけ良いステレオ買って、音がモワッと立ち上がって重低音がしっかり出てるあの感じを体験するのは非常に良いことだと思いますからね。

日本の場合、「CDで大きな音楽文化が築けた」という自負があるせいで、そのプライドから「次の音楽リスニング」の移行が遅れてしまった、ということがあると思いますが、それにこだわってると、本当に音楽的に後進していくことにさえなりかねませんからね。平成の後半くらいから顕著だった悪い流れを断ち切らないと。























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