最後の浮世絵師 月岡芳年の魅力③
前回の記事では月岡芳年が従来の浮世絵から新たな表現に飛躍しつつある作品を見ました。
今回は芳年の個性がより際立ってきた時期の作品を見ていくことにしましょう。
『武者絵』 “カッコいい”芳年浮世絵と言えば美人画や役者絵のイメージが強いですが、実在の人物を描いた作品も多く描かれました。
それは歴史上の事件や物語の中のシーンを題材に取ったもので『武者絵』とも呼ばれます。その大げさな表現はまるで歌舞伎のようです。
それまでの日本人にとって、激しい感情や劇的場面の表現方法は歌舞伎