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ネガティブ思考でうまくいく

コンサルタントとしてサッカークラブの経営に参画する。なんとも厚かましい表現ですが、これが端的に表現した現在の私の立ち位置。そのように評価されているからこそ、仕事をいただけていると思っています。そしてこのオファーをいただくまで、人知れず苦しい思いを一年以上続けたことも事実

何か計画を立てるとき、「明るい未来を想像する」ことはよく推奨されます。そして私自身もそうすべきだと思いますし、そうしてきました。一人で、ニヤニヤしてしまうような「こんなことができれば楽しいだろうな」という超楽観的な視点。この想像する力こそ「成功に寄り添う影のようなもの」であり、自分を奮い立たせる原動力にもなると思っています。

ですが一方で、「うまくいかないとしたら何が起きるんだろうか」というネガティブな感情を無視しない、見て見ぬふりをしないことも大切。今の自分が歩む道の向こう側にひょっとしたら大きな落とし穴が待ち受けているかもしれない。そんな負の想像力を働かせながら、「うまくいかない時の対処法」を考えておく。

彼女とデートをしているとき、万事うまくいって最高のフィナーレを迎える高級レストランが、まさかのクローズだったらどうするか?慌てて、焦って、レストランを恨んでも仕方ありません。ここでどう対処するか(他のレストランを事前にチェックしておく)によって、彼女の自分に対する印象も変わってくるでしょう。

人間は、「予測が当たる」とテンションが上がるようにできています。大学受験において合格通知を受け取ったり、宝くじが当たったり、応援している野球選手がホームランを打ったり。「うまくいくといいな」とワクワクしながら結果を待ち、そして結果が予想通りに動くとテンションが上がる、あの感覚です。

そして「うまくいかないこと」においても同様に作用するのがおもしろいところ。「うまくいかないだろうな」ということをあえて予測しておくことで、「予測が当たった」ときに、脳はまんまとだまされてテンションを上げてしまう。そんなとき「やるべきこと」が明確であれば、うまくいかない結果に失望することなく返す刀で、代替え案にテンション高く取り組めるという成り行きです。

うまくいくことと、うまくいかないこと。その差が自分のなかであまりなくなってきています。だからこそ、独立を考えていたとき、芳しい成果がなかなか得られなくてもテンションが落ちることがありませんでした。おかげで打ち手を絶やすことなく、行動を積み重ね、同時に第二領域(読書や運動など)をサボることもなく自分を陶冶し続けられたからこそ成果に恵まれたと思っています。

私が今マネジメントしている、愛媛FCの山瀬功治選手が今日、こんなことを言っていました。

「楽観的すぎてもいけない。なんとかなるだろうと言って何もしないで、なんとかなるような世の中ではない。うまくいかなくても常にやるべきことを怠らず、その結果たとえ幸運、たまたま、誰かの助けによってチャンスをものにできたように見えても、それは悲観的な予測とその対策をたて、普段からの取り組みを怠らなかった賜物である」

将来のこと、仕事のこと、人生のことを考えるとき、明るい未来と同時に、暗い未来を予測すること。そして暗い未来に直面したときに「どうするか」を具体的に考えておく大切さを今日、彼の言葉からあらためて感じましたのでまとめてみました。

久保大輔




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