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みんなどこかでナンバーワン、オンリーワンの存在

私は資料を作ったり、それを使ってのプレゼンが苦手。スケジュールを調整してアポを取ったりもメンバーに任せています。プレゼンは基本「手ぶら」です。これら細かい作業を続けているとどうしても「肝心なとき」に力が出せません。

苦手と書きましたが、実は資料作成そのものは苦手ではありません。というかむしろ得意。割と見栄えのするわかりやすいプレゼン資料なんてお手のものなんです。だけど前述のとおり、それをやってしまうと「大切な仕事」で集中力が切れておろそかになって成果につながりにくい。そういう意味で、資料関係の作業が「苦手」となるわけです。

皆さん、形がどうあれ「得手不得手」はあると思います。そして今、皆さんが置かれている場所で、得意なことに集中できている人もいれば、苦手なことばかりで苦しい思いをしている人もいるでしょう。または「半々」というケースもあるかもしれません。いずれにしても置かれた場所で与えられた仕事に従事していますが、それが「窮屈」であれば、立ち位置を「ずらす」ことは検討に値すると思います。

ちなみに「雑草」は、夏になると生い茂り、個人的にはめちゃくちゃ厄介な存在です。どこにでも生えてきますし、抜いても抜いても力強く再生します。反対に一般的な植物は、適切な環境で十分な栄養を与えられて美しく成長しますが、雑草はどこまでも「自由」で、一般的な植物のあり方を否定しているようにも感じます。

人間の世界では「こうあるべき」ということが常識だったり「普通」と表現されたりもします。でも雑草は、「こうあるべき」でないところで勝負をして成功しているようにも見えます。激しい競争を勝ち抜くために独自の仕組みを持って、自分なりの武器や特異な戦い方で生存競争を戦っています。踏まれても、しばらく「死んだふり」を決め込んで再起を待つ雑草もいて感心することがあります。

ナンバーワンになれる場所。そしてオンリーワンであり続けられる場所。それがニッチであり雑草の生存戦略です。自分が生きにくい場所から少しずれて、その周辺で自分のニッチを探している。苦手な場所で無理して生きるのではなく、戦う必要のない場所を選んで強かに生きています。この世に生まれたすべての雑草が、どこかでナンバーワンであり、オンリーワンの役割を果たしているようにも思えます。

選択肢を絞ることなく、たくさんのオプションをもって未来に備える雑草たち。未来のことは誰にもわかりません。そして真っ直ぐ平らな道は存在せず、でこぼこでぬかるんだ道が人生であり、それが楽しみでもあります。いかにして強かに、しなやかに、難しい環境下で楽しみながら生きていくために、「ずらす」は非常に大切な戦術のひとつだと思います。

私は今、苦手な作業を手伝ってくれるメンバーに恵まれ、やることがたくさんありながらも毎日楽しく、そして成果を残すことができています。去年の今ごろは苦手なことに一生懸命に、そしてその場所を所与のものとして疑問を抱かず、半ばしがみつくようにがむしゃらに生きていましたが、今はちょっと「ずれて」大げさではなく人生が変わりました。

雑草だけではなく人間も、どこかでナンバーワンであり、どこかでオンリーワンの役割を果たせるのでは?と思う今日この頃です。

久保大輔




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