自由な組織には「●●」がある
妻は料理上手だ。
そして私の好み、
食べられないものを把握している。
引くぐらいの量を消化する
強靭な胃を持っていることも承知している。
月一回、
家族のもとに帰っていますが、
晩ご飯をどうするかについての
「方向性」を共有しているので、
「晩ご飯どうする?」
と聞かれてあれこれ言うこともなく、
二言三言その日の気分を伝えるだけで
文句のない料理が出てくる
(さすがだ)
■この「方向性」の共有は
一朝一夕にいくものではなく、
割と長い年月を必要とする。
ときに「?」と思うものが出てきたときは
率直にフィードバックして、
脳内に描く「画」を
少しずつ近づけてきました。
感謝の言葉を欠かさなかったことも
「大事故」につながらなかった要因。
感謝もせず、
偉そうにフィードバックをして素直に聞いてくれるほど
妻は人格者ではない。
ごく普通の主婦なのです。
■私は
妻をコントロールしていません。
というかできません。
なので料理に関して
妻は「自由」を謳歌しています。
料理がうまい、
という前提があればこそではありますが、
お互いの「方向性」に齟齬がなければ、
私は妻を信用し、
妻は私を喜ばせるために
自由に料理をすることができます。
自由だからラクというわけではなく、
買い物をしたり、レシピを考えて、
下準備をして、後片づけなんかも考えると
大変な作業だということは言うまでもありません。
でも私は、
妻がちゃんと買い物できているか、
料理できているか、味付けは間違いないか、
常にモニタリングして確認する必要はなく、
妻は完全に私のコントロールから外れています。
だから?なのかもしれません。
いつもちょっとした驚き
を楽しむことができます。
食材に目新しさはなくても、
味付けや食べ応えに変化があって
飽きることはありません。
自由だからこそ変な縛りがなく、
創造的に料理ができるということでしょうか?
■この体験を
ビジネスに置き換えてみました。
社員がアイデアを考えて、
企画して実行する前に、
上長に承認を得るのは通常の会社。
ターゲットは誰で、
ターゲットは何を欲していて、
だからこんな商品をつくって販売する。
それはオンラインなのか
リアル店舗で販売するのか。
予算は?
部下のミスを防ぐことを重視した
コントロールメカニズム。
新米看護師に誰もつけず、
自ら意思決定をさせれば
患者が死んでしまうかもしれません。
安全第一。
これが通常の(日本の)会社の仕組みです。
料理でいうと、
買い物や調理のいっさいを観察し、
指示をしている状態。
我が家では絶対に機能しない
仕組みです。
■ところが
少なくない会社では、
コントロールを排除したシステムを導入し、
イノベーションを起こしているケース
もあります。
コントロールではなく
コンテキストでチームを率いる。
コンテキストとは条件。
言い換えるとビジョンになります。
コントロールによって
ミスを最小に抑えるのではなく、
明確なコンテキストを設定して、
北極星に向けて
社長と部下の足並みをそろえ、
部下に選択の自由を与える。
イノベーション
を最大の目的とする組織では、
伝統的なコントロールに基づくリーダーシップは
最適な選択肢ではありません。
仮に部下がミスをした場合も
部下を責めるのではなく、
リーダーの設定したコンテキストの
どこが間違っていたのか、
チームが優れた判断を下せるように、
コンテキストを明確に説明したかどうかを疑います。
我が家でいうと、
料理のミスは妻が原因なのではなく、
方向性の問題。
方向性を妻に共有させることができなかった
私の責任ということに。
■アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは
著書「星の王子さま」で訴えました。
あなたが船をつくろうと思うなら
太鼓をたたいて人を集め 木材を集め
仕事を割り振り 命令するのではなく
茫洋とした 果てしなく広がる海に
恋いこがれる気持ちを 教えよう
北極星を見つつ、
みんな自由に発想する。
イノベーションを起こすために必要な
組織の在り方について考えてみました。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!
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