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オンラインサロンを成功に導く4つの課題


少子高齢化、
人口減少社会において、

「立ち位置をずらす」
という生存戦略は、

無関心層に突き刺さる「使い方」
の提案でもあります。

サッカークラブは「何を売るのか」

既存の常識を打破し、
本質的な「価値」を抉りだします。

使い方の提案は
経営者のビジョンでもあります。

サッカークラブを通して、
どんな価値を社会に提供するのか。

いまだ顕在化していない、
潜在的な顧客のニーズはどこにあるのか。

直接人に会って、話を聞いて、
洞察して言語化されたビジョンは、

サッカークラブの生く末を規定する
羅針盤です。


■吉本興業が展開するオンラインサロン

吉本興業スポーツセクションでは、

サッカー専用メディアである
Runway」というプラットフォームで

オンラインサロンのサービス
を提供しています。

運営中の4つのサロンは
いまだ発展途上。

オーナーの人気、能力を考えると、

集客および新たな価値の創造という
未知なる可能性を多分に秘めています。

将来的には、

サッカークラブの経営者やGMが
このサービスを活用
し、

大勢のサロンメンバーとの「共創」
を実現してほしいと思っていますが、

一方で一筋縄ではいかない、
さまざまな課題も明らかになってきました。

大きくは4つ。

①ビジョン
②発信頻度
③発信の質
④集客

という課題を解決しなければ、
サロンメンバーの獲得は低迷し、

オンラインサロンの意義をも
見失う恐れがあります。


■課題①:ビジョン

ここ一年で、
あちこちで立ち上がったオンラインサロン。

消費者の脳内には、
たくさんの「選択肢」がひしめき合っています。

そして数ある選択肢の中から、
自分のオンラインサロンを選んでもらうためには、

差別化された「タグ
が必要不可欠。

オンラインサロンを通して何がやりたいのか

明確な、オリジナリティあふれる
ビジョンを掲げなければなりません。

大切なのは独自性と熱意

どこかから借りてきたようなものではなく、
自らの問題意識をベースに言語化されたビジョンは、

「自分がやりたいから」

といった内発的な動機
に支えられています。

そこに「やらされ感」は当然ありません。

誰の指図も強制もない、
ですが「やらずにはおれない」という

強烈な、突き動かされるような動機
反映されたビジョンがなければ、

そもそもオンラインサロンをやる
意味がありません。


■課題②:発信頻度

サロンメンバーは、

月額1,000円(税込)で
オーナーの投稿を購読しています。

特にコメントせず、
能動的に受信する人にとっては、

現代版の有料メルマガ
のような感覚でしょうか。

内容のクオリティは大前提ですが、

その頻度が高まれば高まるほど、
メンバーにとって「お得感」が発生。

週一回の投稿と、
毎日の投稿では、

一投稿当たりの単価が変わります。

毎日投稿すれば約33円。

内容がおもしろければ、
コスパがいい」という評価を得られるはずです。


「毎日書く内容がない」

といってしまえば、

オーナーの熱量を疑われる可能性
を否定できません。

ビジョンは大前提として、

更新頻度の多寡は
オーナーの熱量の表れ
でもあります。


■課題③:発信の質

一般的に、
発信頻度があがれば、

ひとつひとつの投稿の質
が問われるようになります。

どれだけ良質なインプットを
日々、大量に行えているか。

学習の量は、

仕事(70):人(20):自分(10)

と言われています。

日常業務において
直接的に学べることは全体の70%

尊敬する人から
薫陶を受けることで身につく学習が20%

そして本を読んだり、セミナーに参加するなど
自学自習の割合は10%

仕事を通してどれだけ、
アウトプットを意識したインプットが確保できるかが、

投稿の質を担保する
ポイントになるでしょう。

気づいたことはどんな些細なことでもメモをとり、

上司との対話や書籍から得られた情報
と掛け合わせて文章化。

可処分時間は限られていますので、

長くても1時間以内に2,000~3,000文字ぐらい
まとめるスキルも身につけなければなりません。


「口述」で録音した文章をスタッフに送り、
スタッフが書き起こしたものを

チェック、編集して
文章化している私の知人もいますが

ときに10,000字を超える文章も、
その人自身が発信に費やす時間は

たったの20分程度。

慣れてくればこんな離れ業も
できるようになる(そうです)


■課題④:集客

発信の頻度、質が確保できれば、
最後の仕上げは「集客」

オンラインサロンは
どんなにうまく運営しても

退会者をゼロにすることはできません。

退会率を下げる努力、
つまり毎日の、質の高い投稿と、

メンバーとのコミュニケーションも
おろそかにできませんが、

同時に、

新規メンバーを獲得し続けなければ、
一定の母数を維持できません。


メンバーが抱くオーナーのリーダーシップが、
一定の価値を生み、

サロンメンバーに満足度を提供
できるようになるには、

最低でも1,000人ぐらいの母数
が必要でしょう。

既存ー退会者+新規

の計算式を常に頭において、
マネジメントしていきます。


具体的には、

無料ブログを執筆、
サロンの記事と差別化した文章を2,000字程度。

それをフェイスブックやツイッター
で拡散したり、

ブログと同じ内容を、
音声メディアに載せて配信したり。

それぞれの媒体における発信は、
ビジョンに一貫した内容に統一され、

オンラインサロンにランディングさせる
という設計図をもとに

粛々と集客を行っていきます。


■ビジョンと情熱を可視化する

以上、

オンラインサロンの運営における
最低限のポイントを整理してみました。

あらためて思うのが、
本業に加えて、

オンラインサロンを運営する
難しさと厳しさ。

軽い気持ちでは絶対に成功しません。

泥臭くて本気の行動を
毎日継続できる人しか、

オンラインサロンを通した
あたらしい価値の創造は成しえないでしょう。

だからこそ、
繰り返しになりますが、

「ビジョン」があるかどうかが
徹底的に問われます。

今の時代にそぐわないのかもしれませんが、

地道で膨大な努力を、
嬉々として続けられる。

そんな人に向いている媒体
といえるかもしれません。


そしてサッカークラブの経営者には、
そのポジションに安住せず、

知的に怠惰な生活に堕することなく
学び続け、

学んで得た結晶としての叡智を、
多くの人に広め、

捧げ尽くさなければならない
と思っています。


どんな世界をつくりたいのか。
その情熱はいかほどか。

オンラインサロンはこの二つを
可視化するもの、と言えるかもしれませんね。


※本稿は以下文献を参考にしました。
劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか(山口周)



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