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「結果より課程」が大事な理由


損失回避
という言葉をご存知でしょうか?

最近読んだ本に
ことごとく出てきたので

今日は損失回避ついて
ちょっとまとめてみようと思います。


■サルにエサを与える実験。

エサを与えるのは
AさんとBさんです。

Aさんはお皿にエサを2つ。
Bさんはエサを1つ乗せていて、

サルがエサに手を伸ばしたタイミングで
2回に1回、

Aさんはエサを1つとりあげ
Bさんはエサを1つ加えます

Aさん、Bさんのどちらを選んでも

エサを2つ貰える確率は50%、
1つしかもらえない確率も50%です。

このときサルは
AさんとBさんのどちらを選ぶか?

結果は71%の確率で
Bさんが選ばれました。

Aさんからはを、
Bさんからはをしたと感じる傾向

を立証した実験。


損失回避は人間にもあてはまり、
起源は先史時代にさかのぼります。

十分な食料
を確保することが困難だった時代、

いま手元にある食料のほうが、
先にもっとたくさん手に入る食料より貴重でした。

目の前にある食料を失っては
元も子もない。

飢え死にするより
生き延びることの方が大事、

という心理が現代人にも受け継がれています。


■ちょっと話は逸れますが、

次はジャズピアニストを対象にした実験。

被験者は、リズムに合わせて
即興でピアノを弾くよう命じられ、

ひとつめのグループは、
クリエイティブに演奏して」と指示され、

ふたつめのグループは
過去最高の演奏を」と指示されました。

演奏を第三者に採点させたところ、
前者が圧倒的な勝利。

なめらかに、美しく、
斬新な演奏を弾くことができました。


「うまくやろうとすると力が出なくなる」
事態は私にも身に覚えがあります。

大事な試験、プレゼン、
サッカーの試合なんかで、

「やってやる!」と気合が入れば入るほど
緊張して何もできなかったという経験です。


練習ではすごいけど、
試合になると?というサッカー選手は

日本人に多い
と聞いたことがありますがそれは

創造性

に関係があるのかもしれません。


幼いころから「勝利」
が絶対的な評価で、

ミスの数が増えれば増えれるほど
「使えない」レッテルを貼られてしまう減点主義は、

本番で持ち前の力を出せず、
パフォーマンスを下げる原因に。


ところがピアニストの実験にあるように、

「クリエイティブに」と考えただけで
この問題が解決されました。

それは、
創造性を心がけたことで、

意識が「結果」から「課程」に向いたから
だと考えられています。


「最高の演奏」

に意識が向いた人にとって、
過去にやってしまった失敗をできるだけ減らすのが

もっともてっとり早い解決策。

損失回避レベルが高くなった状態
といえます。


「クリエイティブ」

を意識すると、

どう工夫すればいいな?
というプロセスに集中しやすくなる

つまり適度なリラックス状態
が生まれるということですね。


■子どもの教育においても、

「結果」と「課程」の話題は
尽きません。

テストの点数が同じ90点だった
二人の子どもに、

「結果」をほめるか、
「課程」をほめるかによって、

テスト以降の勉強の取り組み方や
挑戦心に変化が生じました。


結果をほめられた子どもは、

次のテストで「もっといい点を」期待されると
過度に意識して、

パフォーマンスが落ちました。

過程をほめられた子ども、
つまり努力したから力がついたことを諭された子どもは、

次のテストでも努力を怠らず
パフォーマンスも向上する傾向が強い。

それどころか、

結果重視の子どもは
チャレンジを避けるようになり、

課程重視の子どもは
より難解なテストに挑戦する意欲を隠さなかったそうです。


■「試合を楽しんで」

というアドバイスは
わりとポピュラーだと思いますが、

科学的にも的を得ている
と言えそうですね。

結果を気にせず、
プロセスを楽しんで。

特別な日に向けて準備をするときは、

過去の分析をして
対策を練ることは怠ってはいけませんが、

ある程度やり尽くしたら、
あとはマジメ一本でいくのではなく、

ちょっとした遊び心と、
自分を信じて明るく楽しく挑む
方が、

パフォーマンスが上がって
いい結果にもつながるかもしれません。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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