いつまで経ってもスタートできない「学びあるある」
プロアスリートとの面談。現役ながらビジネスを始めたい意向があり、相談を受けました。所属クラブとは、事業面でのコンサルも請け負っている私。感じるのは「貪欲さ」です。フロントスタッフだけではなく選手も、学習意欲があり、好奇心もあって、それでいて素直で積極的。それなりの成果を導いてあげたいといつにも増して気合が入ります。
「勉強と実践」について話が及びました。現役を続けながら、もしくは引退後に大学院に進学したいと。現在、論文を書いている身としては否定する理由もなく、ですが心構えとして一つ二つ、助言をしてみました。
アスリートに限った話ではなく、勉強熱心な人はけっこう多いです。私もどちらかというと勉強家タイプ。ところが往々にして、私のようなタイプは実践が不足気味です。どういうことか?
例えば「本を出版する」と決意したとしましょう。するとまず取りかかるのは「文章の書き方」を学ぶこと。関連書籍を読み、セミナーに通い、出版経験のある方に会いにいって話を聞くなど、出版前の準備をします。当たり前の話ですが、しかしここで「つまづく」人が割と多い。「学びあるある」とでも言いましょうか。知識を習得し始めると、あれもこれも、これもあれも全部大事なことに思えてくる。そしていつまで経ってもスタートに踏み切れないというジレンマに陥ります。
よくよく考えてみると、本を出す、という準備にいったいどこまで学べばいいのか?は答えがありません。出版経験が豊富な方でも、いまだに勉強をしている人は多々。むしろ勉強し続けなければ出版部数を安定的に確保することはむずかしいと思われます。つまり、いつまでたっても結局、勉強はし続けなければならないということ。だったら「準備のための勉強」と「それ以降の勉強」の境界線を明確にしなければなりませんが、見極めってかなりむずかしいはずです。なぜなら「経験」が圧倒的に不足しているからです。
ちょっと話が長くなりましたがつまりこういうこと。何かを始めるとき、あまり勉強しすぎないこと。もっというと勉強はゼロでもとにかく始めてみることを勧めています。もちろん始めるにあたっては「小さく」、リスクの少ない小さなことから実践してみます。出版前にnoteやブログに挑戦する。有料記事を出して反応を見る。そこでPDCAを回して改善するプロセスで「足りない知識」が見えてきます。ここで初めて「勉強」という手段に出ればいいと思っています。
ビジネスもそう。セミナーをやるにしてもそうです。コンサルだって同じ。準備に勉強を費やしすぎると一向にスタートできません。なのでとりあえず小さく始めてみる。小さく始めて、小さな成功がふたつ三つ出来上がるとノってきます。私はこれを「小さな3連勝」と呼んでいますが、その後は気持ちが高揚して大きなことをやりたくなります。この段階で獲得している経験値は、小さいながらも「何を学ぶべきか」について明確な意志がありますのでになっているので効率的な勉強ができます。つまり無駄な勉強をしなくて済む、ということですね。
一般的には「勉強→実践」
ですが実際には「実践→勉強」
です。PDCAと先に書きましたが、本当はDCAP(実践→検証→改善→計画)が正しいと思います。以前こんな記事も書いていますので、興味ある方はこちらもご覧ください。
久保大輔
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