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花について #04 選ぶ、選ばないの理由

知らないうちに花にも好みができていた。意識したことがなかったから、それがいつ頃できたのかわからない。どれも好きになろう、嫌いになろうと決めた覚えなんてないのに、花屋に行くとその好みが無意識のうちにしっかり利いている。

うちには香りがキツいとか見た目が派手だとか言う人はいないので、普段は好きなだけ、好きな花を買うことができる。1回買うとだいたい2週間は保つ上に飽き性なので同じ花を続けて買うことは少ないが、色や形の傾向は似る場合が多い。大ぶりの形で濃色や鮮色、中でも黒やチョコレート、アンティーク、青・ラベンダー、黄緑系は見るととりあえず第1、第2候補になる。以前は濃色にバリエーションがある花といえばバラの独壇場感があったものの、昨今はダリアやカラー、ラナンキュラスにも個性的な品種が増えていて楽しい。特にラナンキュラスは黄緑や黄緑&ピンクなどフリル咲きのポンポンシレンテやポンポンマルヴァ、黒&濃ピンクのシャウエン、濃赤&アンティークのシャルロットなど本当に数が多くなった。もはや季節のうちにコンプリートできなくなってきたほどに。

一方の自分で強いて選ばない花は、和花やかすみ草。和花は単純にアイデアが浮かばなくてうまく飾れないからだが(たまに成功する)、かすみ草を選ばない理由は冒頭に書いたように自分でもよくわからない。可憐で控えめな印象が強すぎて退屈に見えるのだろうか。単体でたくさん飾るとかわいい気もするけど、たぶん次も買わない。
そういえばもうすぐ母の日だ。この母の日につきもののカーネーションも、あまり選ばない。上京してからは直接渡せないので花を贈ることは減ったが、贈っていた頃も別の花ばかりだった。以前、母が入院した時にスーパーで買った百合とピンクのカーネーションと黄色のなんかを急ごしらえで飾り、明日また飾り直すつもりだと話したら、母もカーネーションがそう好きではないとわかったことがあった。カーネーションを好まない理由もかすみ草と同じく不明だが、花の好みが遺伝するのであれば納得かもしれない。
もう一つ母の日で思い出した。東大生に「母親についてどれだけ知っているか」というテストをさせる西武そごうの母の日向けWeb動画が最近上がっていたけど、あれに「好きな花は」という設問はあるのだろうか。これだけ話していても、いざ花を贈ろうとしたら何が一番好きかを知らないなと思った。まわりに花が多すぎて正解できる自信がない。

それはさておき、なんだかんだ言って、興味がなかったのに買うことになり、飾ったら好きになった花や色もたくさんある。薄ピンクのチューリップはまさにその筆頭で、好まない色と種類のダブルコンボだったのにたくさん飾ったら印象がまったく変わって好きになった。ラナンキュラスの薄ピンクも買ったことがなかったが、アイビーと合わせた時のかっこよさに興味を惹かれて好きになった(どちらもその後積極的に買うようになった)。

手のひらを返すようだけど、まあ好みなんていい加減なものだ。思っている時はかなり頑固なものなのに、ちょっとしたことで好きになったり嫌いになったりする。だから来年になればまた全然違うことを言っているかもしれない。

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