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会社から給料もらってる人いる?

From 安永周平

このメルマガを読んでいるくらいだから、きっとあなたは「人生は一生勉強」と思っているだろう。勉強とは何も学生がするものではなく、社会人になってからも続けるものだ。学生の仕事は勉強だが、社会人も毎日が勉強。勉強は両者の共通点。ただ「勉強」というキーワードは同じでも、両者には決定的な違いがある。

その違いは「お金」だ

学生はお金を払って勉強する。一方で、社会人はお金をもらって勉強する。つまり、学生と社会人の根本的な違いは「報酬が発生するかどうか?」だと言える。学生時代は、きっとあなたの親がお金を払ってくれただろう。義務教育の間は無償だが、それでもその教育にかかる費用は税金という形で、やはり親が間接的に支払っている。

私たちは、親がお金を払ってくれたおかげで学校に通うことができて、学校では先生から勉強を教えてもらうことができた。学生時代に「親のおかげで学校に行けるのだ」と心から感謝できた人は少ないのではないだろうか。恥ずかしい話だが、私もそうだった。親が苦労して出してくれたお金への意識が希薄で、一夜漬けで試験を乗り切るのに必死だった。

こんな意識のまま社会人になると、初任給をもらっても「お金をもらったのだ」という実感が湧きづらい。しかも給与は銀行の口座に振り込まれる。現在はキャッシュレス化が加速しているから、なおさらお金への意識が希薄になる環境が整っている。やがて毎月の給料に慣れてくると「少ない」とか「ボーナスが減った」とか不満ばかり言うようになる。

そもそも誰からお金をもらっているのか?

ここで今一度考えてみたいことがある。先ほど「社会人はお金をもらって勉強する」ことを話した。では、私たちはいったい誰からお金をもらっているのだろうか? 何を当たり前のことを…と思うかもしれない。実際、当たり前の話なのだ。ところが、意外にも会社に勤めている人の多くは答えが間違っている。

「社長です」とか「会社からもらっています」とか言っている人は、残念ながらその意識では給料は上がらない。上がるとしても最低限の昇給しか望めないだろう。就職活動する時、転職する時…とても気になる給与の額だが「お金は会社がくれるもの」という観念が根強く頭にこびりついている人は多い。

あなたはそんなことは思っていないかもしれないが、もし同じように考えていたとしたら…ぜひ今から考えを改めてほしい。お金をくれるのは社長でも会社でもない。あなたがお金をもらっているのは、お客様からだ。

私たちはお客様から給料をもらっている

この事実を知らないでいては、社会人失格だ。学生時代にお金を払ってくれていた親に感謝するように、社会人の自分にお金を払ってくれるお客様へ感謝をする。会社はお客さんからもらった給料を預かって、あなたの実績に基づいて配り直しているに過ぎない。

その原資を出してくれているお客様の存在を忘れている人の給料が上がるわけがない。私たちはお客様に商品・サービスという「価値」を与えることで、その対価としてお金を受け取る。お客様の前面に立つ営業の仕事をしていれば、これは当たり前の事実として認識できる。こって実は幸せなことなのだ。

間接部門やものづくり現場、あるいは建設現場などではお客様が目の前にいないことも多い。なんなら話す機会すらないケースもある。お客様からのクレームを直接受けることもないが、いい仕事をしてお客様から感謝の言葉を直接聞けることもない。だから営業現場から遠いところにいると、自分の給料に感謝できなくなってしまう。

リーダーもお客様の声を聞くこと

会社で出世すると、徐々にお客様から距離が遠のいてしまうことがある。本社の空調の効いた部屋で「利益を上げろ」「売上を伸ばせ」と命令しているリーダーではいけない。リーダーがお客様から給与をもらっていることを忘れていては、それを社員に周知徹底などできない。リーダーは現場に足を運んでリアルなお客様の声を知る必要がある。

そして、社員には営業現場を見せる…つまりはお客様と話せる機会をつくる必要がある。これ以上の社員教育はない。社員を育てるには現場を見せること。もちろん幹部も社長もだ。私たちはお客様からお金をもらうだけでなく、お客様から仕事を教わるからだ。

お客様は最高の教育者でもある

もちろん、お客様が私たちに研修や講座で教えてくれるわけではない。ただ、私たちが気付けなかったことをお客様は「クレーム」や「不満」という形で教えてくれる。なぜ怒られたのか?なぜ褒めていただいたのか?こうしたことに気付かせてくれるお客様は、実は最高の教育者でもある。この原則を知らない会社は危険だ。

お客様の話のメモを取らず、改善にも取り組まない…結果、お客様からの貴重な教育は放置されたままになる。1人が失敗したということは、根本的に改善しない限り他の人間も同じミスをする可能性が高い。皆がその失敗を忘れてしまうと対策はなされない。当然、同じミスは起こる。そして「あの客うるせーな」とお客さんのせいにして忘れたりする。

結果、会社はどうなるのか?お客様、市場から見捨てられるのは時間の問題だ。「あの会社は何を言ってもダメだ」と思われ、信用を失い「もうおたくには頼まない」となる。大抵の場合は、本当の理由を教えてくれることなくお客様は去っていく…そんな最悪な結果になる。「給料はお客様からもらっている」という事実を忘れた人や会社の末路である。

お金に対する意識をしっかり持つこと。そして、会社ではなく「お客様」からお金をいただいていることを忘れないこと。たったこれだけで、仕事に対する気持ちは全く違うものになる。あなたのお客様の顔が頭に浮かんだだろうか?浮かばなければ、すぐにでもお客様の顔を見に行こう。まずはそこからがスタートだ。

追伸:
今の会社がどんなに教育が行き届いていなくても…お客様により多くの価値を提供し、より多くのお金をいただける会社になるための秘訣は、実はこんなところにあるものだ

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