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人助けと稼ぐは両立できない?

FROM ボブ・バーグ

これはとあるフライト中の話である。

私は、スティーブン・K・スコットの「The Millionaire’s Notebook」という本を読んでいた。その本では裕福になるための成功法則について書かれている素晴らしい書籍だ。

さて、私の隣の席に座っていたのは大学生くらいの若い女性であった。私が熱心に本に線をを引いたり、メモを取ったりしていることに気づいて、その彼女が「どんな本を読まれているのですか?」と尋ねてきた。

人助けとお金を稼ぐは両立できない?


私は彼女に本のタイトルと簡単な内容を紹介し、「きっと良い本なのでぜひ読んでください」と助言してみた。すると、彼女は「いえ、私はソーシャルワーカー(社会福祉士)になるための勉強をしていますので、お金を稼ぐ勉強は、必要ありません。」とのことだった。

さて、もしあなたが彼女の答えが矛盾しているように思えたならそれは大いに正解だ。そもそも、ソーシャルワーカーのような…いわゆる人を助けることと、セールスで成功し大金を稼ぐことと何も相反するものではないからである。

むしろ、お金を稼ぐことができていないというのは、より良い奉仕を人にできていないのかもしれない。というのも、自由主義市場において稼ぐお金の量とは、”奉仕する人の数に比例して大きくなる”からだ。

ただ、私たちは育った環境や受けたお金にまつわる教育によってこうした真実に気づかない人も多い。では、こうした場合どうすれば理解してもらえるだろうか。奉仕した人の数だけ、収入が増える…そんな普遍的な法則を受け入れるだけでも自分もその人の人生も幸せになれるだろう。

押し付けることと動いてもらうこと


さて、私がその時どうしたのか…それをお答えする前にこのような意見にもお答えしておこう。それは…

「どうしてわざわざ、彼女にそのことを教える必要があるのか?彼女の意見を寛容に受け止め、好きに考えさせておけば良いのではないか」

と。確かにこうした意見もしかるべきだ。だが、私はユダヤ教の著名な指導者、ラビ・フリーマンの次の言葉もまた正しいのではないかと思う。

「共感的な寛容というものもある。それは相手の権利を認め、相手には相手なりのやり方があることを理解したうえで、相手に自分自身の足で歩いてもらうことがこれに当たる。」

この場合であれば、彼女のことを尊重し、彼女のなりのものの見方があることを理解したうえで、収入も個人的な充足を満たしたうえでもより豊かになるヒントがあることを教えてあげること。それがそれに当たるだろう。

ところで、セールスにも同じこと言える。というのも、自分がセールスをしなかったことにより、本来商品・サービスによって助けたり、救えるはずだった人たちを、助けたり、救えることができなくなってしまう…。さらにセールスの側は、本来ならば受け取ることができるはずの成果や対価を逃してしまっている。双方に価値や利益が生まれるはずだったのに、セールスをしなかったことによって、それが失われた訳だ。

さて、話を戻そう。私が彼女とした会話は次のようなものだった。

“私”と大学生のやりとり…


私「将来、本当にソーシャルワーカーとして人助けをしたいと思っていますか?」

大学生「はい、もちろん。」

私「それはとても素晴らしいですね。ただ、お聞きしたいのは、その人助けとは一時的に助けることですか?それとも、長期的なサポートでしょうか?もし間違っていなければ、その人々を助けるというのは、最終的には彼らに社会的および経済的に自立させ、充足感に満ちた暮らしを送るまでを支援することだと私は考えています。」

大学生「はい、そうするのが私の目標です。でも、それとお金を稼ぐことがどう関係するんですか?」

私「ちょっと想像してみて欲しいのですが、慈善団体にたくさん寄付できる人というのは、どんな人でしょう。裕福な人でしょうか。それとも、貧乏な人でしょうか。」

大学生「もちろん、裕福な人です。」

私「仰る通りです。では、寄付できる回数が多いのはどちらになるでしょうか?」

大学生「それは時と場合によると思いますが…まぁ普通は裕福な人ではないでしょうか。」

私「その通りです。では、そうした助けが必要な人々に社会的かつ経済的に自立するための最善の方法を教えられるのはどちらでしょうか。」

大学生「なるほど、仰りたいことは分かってきました。」

私「では、彼らが社会的・経済的な自立を獲得するのに、あなたができることは何だと思いますか?」

大学生「…まず自分がその方法を学ぶこと、でしょうか。」

私「いいですね、もう分かってきたようですね。」

相手を動かすにはまずキッカケを与えよう


さて、彼女はその本を買うだろうか。それは誰にもわからない。彼女は私が説明しようとしたその原則に完全に納得したのであろうか。完全にとは思えないが、キッカケを作ることはできたかもしれない。ただ、このような重要な事柄について短時間で話をする場合はこの程度が限界だろう。だが、次に彼女が私のような人に出会った時は、この真実に対する彼女の心がもう少し開いているかもしれない。

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