見出し画像

人事異動は「環境の変化を楽しむことを学ぶ」チャンス

僕は20年、市役所の職員をやってそのあと起業したんですが、前職で学んだことって今もとても役に立っています。

そのひとつに、口が裂けても「替わってきた(異動してきた)ばかりなのでわかりません…」みたいな言い訳はするなよ』って教えがあります。
これ、若いころに先輩から口を酸っぱくして言われたセリフなんですが、年とればとるほどに、前の組織から離れれば離れるほどにそう思います。

公務員のキャリア形成って人事異動の連続なんですよね。3年くらいでどんどん異動していろんな仕事を経験していく。
なので、3年に1回は「新米」として過ごすわけです。
そのたびにこれまでの経験や知識が通じず、イチから勉強しなければならないわけです。

でも、外部の人にとってそんなことは関係ないですもんね。
「異動してきたばかりなのでわかりません」とか言われても困っちゃうし。

でも、いるんですよね。恥ずかしげもなくそういう人が(僕もそうでした)。特にIT関係の仕事とかだと「公務員だから知らなくても仕方がないでしょ」みたいな同情まで期待して言ってる節がある
そういう人をみると「逆の発想をすればいいのに」と思います。
つまり「公務員なのにこんなによくわかってるのか!!」という風に思われるようにすればいい、ということなんです。

「公務員だから仕方ない」と思われるのと「公務員なのにすごい!!」と思われるのには天と地の開きがある。ある種のギャップ萌えをつくることができるわけです。

実は僕が起業に成功したもこのギャップ萌えをうまく使ったところがあります。
僕が前職の最後の職場となった大阪イノベーションハブはもともと産学連携推進の場として誕生する予定でしたが、その部署は、僕がそれまで仕事で経験していた知識も経験もまったく役に立たない職場でした。

しかも、僕が異動した直後に橋下徹さんが市長になったことで、当初の産学連携という方針がイノベーション創出という方針に激変
「産学連携もよくわからないがイノベーション創出ってのはさらにわからん!!」という状態になりました。
自治体が政策的にイノベーション創出支援するのは最近では珍しくなくなりましたが、僕の異動当時2011年の時点では全く聞いたことがないような話で、全国でも突出して先進的な取組みだったと思います。

で…いきなり「イノベーションやれ」って言われた市役所職員、それが僕たちだったわけです。

そのときに「いやー、市長が変わって急にわけわからないことやれっていわれて困ってるんですよー(笑)」みたいにいうのは簡単だったと思うのですが、僕は逆に「えー、面白そう!!」ってのめりこんでやってみる方に気持ちをシフトさせました

「イノベーションとは」、「スタートアップとは」、みたいなことを必死で調べるうちにハッカソンというものを知り、見学に行かせてもらったハッカソンでその熱量や発展性に感動し、参加者の皆さんと名刺交換して仲良くなっていく…というのがスタートでした(ハッカソンというのはハックとマラソンの合成語で短時間でアプリなどを開発する開発コンテストのことで当時流行りつつあった)。

公務員というイノベーションとはまったく逆方向だと思える人種が、新しいチャレンジの現場へ赴き、熱量を持って自らの取り組みを説明し、相手のことを理解するために全力を尽くしている、そう思われることで、信頼を得て、相手からも面白いと思ってもらうことに成功したんだと思います。
そこには「公務員なのに面白いやつだ」というポジティブな驚き、ギャップ萌えがあったと思うんですよね。

こうした場で知り合った人に公務員の名刺を出すと必ずびっくりされて「公務員とは思えない!!」と言われたものです。

そして、知り合った方には片っ端からFacebookの友達申請をして自分のやっていることの意義や熱意を伝え、共感して仲間になってもらえるように意識してました。
その際のコツはこちらのスライドにまとめましたので、よかったらご覧いただけたらと思います。


今思えば、人事異動というのは環境の変化であり、環境の変化にどう対応していくのかが問われているのかもしれません。
環境が変化した際に、文句を言うのではなく、それを面白がってみる、面白がって調べつくし試しつくし、そして仲間を増やしていく
そういうスピリッツ「面白がり力」を僕は公務員の時に体得していたんだなあと思います。

最近、公務員から起業していく人も増えていますが、環境の変化を楽しめるようなものの見方と周りの人を仲間にしていくような熱量があれば成功確率が上がるかもしれませんよ。

・・・
最後まで読んでお読みくださってありがとうございます。
皆さんから頂戴する「スキ」と「フォロー」は僕のnote執筆の力の源です。
最後まで読んでいただいただけでもうれしいのですが、もしよろしければ、スキやフォローも頂戴できると大変に励みになります。
ぜひ心のハードルを下げてぜひ、ポチッとお願いいたします~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?