“本音で語り合える”文化が生まれた。新生ペイミーのVUCA時代で戦うための組織づくり
2022年11月からスタートした法人向け人材育成・組織開発のサービス「THE COACH for Business」。「個人の力を、組織の力に。」をコンセプトに、個人と組織の「自ら育つ力」を耕し自律共創型組織づくりの伴走をおこなっています。
今回はそんな「THE COACH for Business」を導入いただいた株式会社ペイミーのCEO・卜部 宏樹さんとCFO・宮澤 佑輔さんにインタビューを実施しました。
“給与前払い、即日振り込み”のサービスを展開しているスタートアップのペイミーは、2022年2月に経営体制を刷新。現在は、同サービスの推進に加えて、新規事業の探索を進めています。
組織をゼロからつくり上げていくフェーズで、なぜ「THE COACH for Business」を導入したのか、また5ヶ月のプログラムを経てチームにどんな変化が起きたのか、詳しく伺いました。
VUCAの時代の複雑な課題に向き合うために
——まずは、「THE COACH for Business」がはじまる前に感じていた、組織づくりに対する想いを聞かせてください。
卜部さん:報酬や評価などの目に見えるものだけではなく、情熱や感情、チームの関係性など、目に見えないものにも光を当てた組織づくりに挑戦したいと思っていました。その時に浮かんだのが、コーチングの存在だったんです。
僕は10年以上インターネット業界で働いてきましたが、現在はVUCA時代といわれるように、複雑に絡まり合った課題に向き合えて初めて価値提供できるような時代です。ペイミー独自の価値を見出していくためには、「自分がなぜこの会社にいるのか」メンバー全員が腹落ちし、一人ひとりが自律して動ける組織になっていく必要があると感じていました。
——企業向けの研修サービスはさまざまあるなかで、THE COACHに決めた理由を教えてください。
卜部さん:個人向けのライフコーチングから事業をスタートさせているところがいいなと思いました。プライベートと仕事は切り分けられるものではありませんから、人を全体として捉えようとする姿勢が自分の考え方と一致しました。
また、ただ出来上がったものを提供してもらうよりも、コーチングする側、される側の境界線が曖昧なほうがおもしろい結果になるんじゃないかなって。
THE COACHもスタートアップ企業ですし、ペイミーと同じ頃に代表交代を経験しています。お互いゼロから組織をつくっていく過程だからこそ、矢印が一方向ではなく、双方向に働きそうだと思いました。
プロジェクトに参加してないメンバーの動きが変わっていった
——プロジェクト進行中に印象的だった出来事はありますか?
宮澤さん:「自分はこうありたい、だからこの会社でこんなことがやりたいんだ」と、最初の頃よりも素直に口に出せるようになったと伝えてくれたメンバーがいました。個人的な想いや感情も、組織を機能させるための重要なリソースであること。そのことをメンバー自らが体感し、チーム全体の共通認識になったことが大きな効果だと思っています。
——日々の業務で感じるチームの変化にはどのようなものがありますか?
宮澤さん:おもしろいのが、このプロジェクトに参加してない人たちの動きが変わってきたことです。「お互いに感謝の気持ちをフィードバックしたり、お祝いする時間をつくろう!」という意見がプロジェクトに参加してないメンバーから出てきました。意見が出てきたこと自体も素晴らしいけれど、それを「いいじゃん!やろうよ!」と言い合えるような関係性が素晴らしいなと思って。
「感情も組織や事業を機能させていくための大切なリソースである」という認識が、プロジェクトに参加した人たちを起点に、他のメンバーへも伝わり、ペイミーの新しい文化として根づいてきた証なのかなと。
卜部さん:代表になった当初はミッションビジョンを自分1人で考えたりと、自分自身がメンバーに働きかける“組織の重心”であるという感覚がありました。
しかし、メンバー1人ひとりの想いがクリアになっていくことで、僕が“組織の重心”というわけではなく、組織内にいくつかの“起点”があり、僕もその“起点”の1つに過ぎないという感覚に変わっていったんです。
リーダーに重心が偏りすぎるとトップダウンな組織になりがちですが、いまは起点が分散されているので、フラットかつ双方向な関係性が生まれてきていると思います。
組織の土台づくりにおける第三者の重要性
——「THE COACH for Business」をどんな組織やリーダーにすすめたいですか?
卜部さん:トップダウンではなく、自律的な組織の良さはよく語られることではありますが、「自律した組織をつくろう」「フラットな組織をつくろう」とリーダーが命令する時点で矛盾しているんですよね。リーダーが意気込んでしまうほど、その矛盾は膨らんでいくものだと思います。
そんなときに、THE COACHという第三者が組織に化学反応を生み出す“触媒”となってくれてとても助かりました。目指したい組織のあり方やチームの関係性がクリアになり、土台を固めてくれたと思っています。
——今後THE COACHに期待することはありますか?
卜部さん: 僕個人としてはコーチングは決して万能ではないと思っています。チームコーチングの場はある意味非日常的な場です。だからこそ居心地が良く本音を語り合えますが、それが終わったら淡々と業務を回していく日常に戻っていきます。
日々忙しく仕事に向き合うなかで、チームコーチングのような場をいかにつくっていけるか、ビジョンを見つめ直す時間をどう設けるか、僕らも試行錯誤していますね。
宮澤さん:模造紙や付箋、ペンをいたる所に置いて、いまの気持ちを書き出す時間を設けたり。些細なことかもしれないけど、そういう細かなところから組織の文化は染み出てくるものだと思うので。いつかは意識せずとも自然とそういう動きが起きるように、時間をかけて場の中に組み込んでいきたいと思っています。
卜部さん:「THE COACH for Business」での気づきや学びをどう日常に落とし込んでいくか。そのための具体的な「HOW」が集まってくると、よりおもしろいサービスになるかもしれません。
——最後に「THE COACH for Business」を検討されている方に、メッセージをお願いします。
宮澤さん:コーチングはたしかに万能ではないけれど、本音で語り合ったり、感情を大切なリソースとして扱う文化をつくる上で、すごくパワフルだと思います。卜部さんのいうとおり、組織づくりはいろんな矛盾をはらんでいるものですから「どう始めたらいいかわからない」と感じている組織やリーダーにぜひおすすめしたいです。
——ご期待に添えるよう引き続き改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!
執筆:佐藤伶