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【コーチングとは?】コーチに必要なスキルやマインドを徹底解説

最近よく“コーチング”って聞くけど、一体どんなもの?

そんな疑問にお答えすべく、今回は初めての方でもわかる「コーチングのイロハ」をお届けします。

コーチングセッションとはどんな時間なのか、コーチは何を大切にしているのか、コーチングを学ぶとどんなメリットがあるのか、詳しく解説していきます。

このnoteは、2023年5月20日におこなわれたイベント「学びはじめる前に知っておきたいコーチングの全体像」の内容を編集したものです。


答えのない時代に、“問い”と向き合う力を


明日、何が起きるかわからない。
今日の正解は明日には力を持たないかもしれないーー。

そんな「VUCA時代」と呼ばれる変化が激しく複雑性を持つ現代にこそ、自分の中にしかない答えを見つける「内省力」と、自分自身と向き合うことを支援する「コーチ力」の重要性が増していると私たちTHE COACHは考えています。

そもそもコーチングとは、コーチとクライアントの二者間でおこなわれる対話の時間です(※)。この時間を「コーチングセッション」と呼びます。コーチは「問い」や「傾聴」といったコーチング特有のスキルやスタンスを使うことで、クライアントの気づきと行動が生まれるプロセスを共にする存在です。

※他にも「チームコーチング」や「セルフコーチング」など、二者間以外のコーチングもあります。

他のコミュニケーション手法と比較してみます。コンサルティングやティーチングは答えを知っている存在が知らない人に教えることが基本になりますが、コーチングとカウンセリングは「答えはクライアント自身が持っている」ことを前提に、共にその答えを探しにいくコミュニケーション手法です。

また、心身が健康ではない場合の療法としてのカウンセリングがありますが、コーチングは心身が健康であるクライアントに対し、ゼロの状態をよりプラスにしていく過程で用いられるものです。

ただ、たとえ心身ともに良好であったとしても、明日どうなるかわからない世界で暮らすことに漠然とした不安や生きづらさを感じる人は多くいるのではないでしょうか。また、ますます多様になっていく選択肢を前に、自身の生き方やキャリアへの迷いを感じている人もいるかと思います。

自分なりの、自分だけの答えを見つける力を育てるコーチングが、「VUCA時代」を生きる上での“心の寄りどころ”になると、私たちは信じています。

コーチングを学ぶ3つのメリット

コーチングを学ぶことで生まれる変化は人それぞれではありますが、特に受講生の皆さんやコーチ自身からの声が多かったメリットを3つ紹介します。

①ありたい姿に気づく

私たちはいつも何かを考えたり、人と話したりして過ごしていますが、それらが常に自分の本音であるかというと、必ずしもそうではありません。例えば、無意識に人の評価を気にしてしまい、気づけば「親や上司の言われた通りにしてしまった」という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

私たちが持つ意識のうちの90%以上は無意識下にあるといわれるように、自分が本当に大切にしたいことや感じている気持ちのほとんどは自覚できていないといわれています。そういった自分一人ではアクセスできない領域に、コーチが伴走することで気づくことができる。それが、コーチングが持つ力の一つです。

②本質的な行動につながる

①のありたい姿に近づくために必要なのが「本質的な行動」を積み重ねることです。コーチングを学ぶことで、いままでなんとなくやらされていた行動や他人の目を気にしてとっていた行動に気づき、自分を主軸とした行動をとる習慣が身についていきます。

③感情とうまくつきあえる

コーチングは、日々見過ごしてしまいがちな自分の感情に向き合う時間です。とある事象に対して「なぜ自分はいま、こういう気持ちになるのか」を深掘りすることができます。

たとえば、イライラしたり怒ってしまったり、一見ネガティブに思える感情の裏には、自分が本当に大切にしたい価値観が隠れていることが多くあります。反応的な感情に流されずに一歩立ち止まって内省することで、「気持ちが楽になった」「人間関係が改善した」という声も多くいただいています。

コーチングは、“心”に焦点を当てる時間

コーチングセッションでは、クライアントが話したいテーマを持ってくることが基本になります。どんなテーマであってもセッションを受けることは可能ですが、例えば「5年後の自分はどうありたいか」や家族やパートナー、職場の人間関係のお悩みなど、自分自身の中にしか答えのないテーマに対し、コーチングは力を発揮しやすいといわれています。

それでは、具体的にコーチングセッションでどんな会話が起こっていくのか、みていきましょう。

例えば、クライアントが「〇〇にチャレンジしたいんだけど、勇気が出ない」というテーマを持ってきたとします。「私もそう」と共感したり「こうすればチャレンジできるんじゃない?」と課題解決をしようとしたりするのが、一般的な会話かと思います。

一方、コーチングでは「そうなんですね。それを話してみて今どんな気持ちですか?」と、クライアントの気持ちに寄り添うところから会話をはじめていきます。

「今どんな気持ちか?」と問われると、自然と「自分の心」に意識が向いていきます。クライアントの中にあるその気持ちはどこからきたものなのか、深掘りをつづけていくことで「私はこんなことを感じていたんだ」と気づき、「であれば、次回はこうしてみようかな」と次にとってみたい行動がクライアントの中に生まれていきます。

コーチングセッションの流れのイメージ

コーチングセッションの進め方に一律の決まりは特にありませんが、仮に1時間のセッションの場合、どんな流れでおこなわれるのかを表したのが上の表になります。

まずは、忙しない日常から気持ちを切り替えるために「いま感じていること」を伝え合うチェックインがあります。

その後に、今日のセッションで話したいテーマをクライアントから共有してもらい、さまざまな問いや対話を通じて自分の気持ちに気づいていく「気づきの時間」に入っていきます。自分がありたい姿の言語化本音と建前の整理自分の悩みの本質とは何なのかなど、コーチと共に深掘りしていきます。

最後に明日からできそうな「ネクストアクション」を設定したり、今回のセッションの中でどんな気づきがあったのか振り返る時間を設けています。

セッションはクライアントとコーチが“いまここから”つくり上げていくものであるため、上記の限りではありませんが、自分の心を深掘りしていく「気づきの時間」がもっとも長いところがコーチングというコミュニケーションの特徴となっています。

コーチが用いる3つの基本「スキル」「スタンス」「信頼関係」

それでは、コーチングの会話ならではの特徴とは、具体的にどのようなところになるのでしょうか? 先ほどの会話の中で、コーチが大切にしている3つのことを紹介します。

①気づきが生まれるコミュニケーション「スキル」

まず一つ目が、コーチはクライアントの気づきを促すような「スキル」を使っています。例えば「傾聴」や「問い」など、コーチはこれらのスキルが自然と使えるようになるまで実践を重ねていきます。

②人の可能性を引き出す、人としての「あり方」

「スキル」を身につけることも大切ですが、コーチングは人と人とのコミュニケーションであるため、人としての「あり方」も重要になります。クライアントの心の中で起きていることに好奇心を向け、善悪を手放し、ありのままの相手を承認する。コーチは、何か無理に気づきや行動を促そうとするのではなく、あくまで「答えは相手の中にある」ことを前提に、クライアントと時間を共にする存在です。

③創造的な場を支える「信頼関係」

最後に、コーチングセッションの場は安心安全な場であることがとても大切です。「ここでは何を話しても大丈夫」と思ってもらえるような信頼関係をクライアントと共に築いていくことが鍵になります。言葉だけではないその場の雰囲気づくりやコーチの人間性など、「人との信頼関係の築き方」をコーチは探究しつづけていく必要があります。

上記の3つの基本に加え、「THE COACH ICP」の基礎コースではコーチングが効果的に機能するための型「インテグレーションモデル」を学び、実践していきます。それぞれの項目は単独で存在しているものではなく、それぞれがつながり統合することで、右の木のように一つの生命体のようにコーチングセッションが機能していくことを表しています。

善悪を手放し、ありのままのを受け入れる「コーチングマインド」

「インテグレーションモデル」の中でも肝となるのが「コーチングマインド」というもの。「人は、生まれつき満ち足りている、全体性のある存在である」というあり方や姿勢のことを「コーチングマインド」と定義しています。

人の中には、ポジティブな感情もあればネガティブな感情もあり、それらは常に移ろいゆくものです。光も影も両方ともその人自身であり、コーチングはその全体性を認めていくプロセスであるといえます。

特にネガティブな感情は思わず目を背けたくなるものですが、コーチングマインドを身につけると、自分や相手の中にある多様性を受け入れられるようになっていきます

そもそも人の存在そのものや人が持つ感情には、善も悪もありません。「こんな自分(相手)は良い・悪い」と、評価判断をしてしまうのは、「こうあるべき」という善悪のモノサシが存在するからです。

モノサシを一旦脇に置いて善悪という判断をせずに、ありのままの自分や相手と向き合うことができるか、というのが「コーチングマインド」がもっとも大切にしていることです。「こうあるべき」という判断を手放すことで初めて、自分やクライアントの本当の願いや可能性に気づくことができます。

「THE COACH ICP」の基礎コースでは、この「コーチングマインド」について、対話をしたり、考えたり感じたりする時間をたっぷり取っています。それは、相手の可能性を心から信じる「コーチングマインド」を持つことが、スキルを学ぶこと以上に重要だと考えているからです。

私たちTHE COACHは「コーチングマインド」が広がっていき、より多くの方がありのままの自分で生きられる社会を願っています。

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(執筆:佐藤伶)