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アート界に新たなインフラを。遠山正道率いる、The Chain Museumが目指す未来とは?(メンバーインタビューvol.1)


今回から、不定期でThe Chain Museumで働くメンバーインタビューをお届けします。
それぞれがどのような想いでTCMにジョインし、またどんな未来を描いているのか、感じ取ってもらえたら嬉しいです。
第一弾はTCMのアートディレクションを手がける長谷川弘佳。TCMへの参加の経緯を訊いてみました。

密なコミュニケーションで、自由な働き方を実現


発起人の遠山正道さんとは、実は学生時代からのご縁です。遠山さんが当時からアートに関してのプロジェクトに関わっており、私はそのプロジェクトのインターンとして、ウェブサイトやDMなどの制作をお手伝いしていました。大学を卒業後、WEBなどデジタル分野を中心にデザイナーとして長らく働いておりましたが、昨年の4月に独立をしたタイミングでThe Chain Museum(以下、TCM)のプロジェクトにお声がけをいただきました。 現在はアートディレクター兼デザイナーとして、D.FYというデザイン会社のデザイナーさん2名と共に、WEB・紙問わずTCMのビジュアル全ての制作とディレクションを担当しています。

基本的には自宅兼事務所で仕事をしていますが、打ち合わせでTCMに来る際にはそのまま仕事をしてから帰ったりと、案件によって働く場所を変えています。その点はすごくフレキシブルに動けていますね。

パソコン1つあればどこでも作業ができる時代、TCMのメンバーはずっと事務所にいるという方は少なく、必要なところでは集まりつつ、SlackやオンラインMTGなどで密にコミュニケーションを取りながら業務を進めています。だから開発は進んでいるけれど、顔を合わせるのは初めてだった、なんてこともたまにあります(笑)

写真:長谷川が手がけた作品たち

遠山正道×PARTY=???


個人的にも休日は展覧会巡りをするのが趣味であり、前述した通り以前から遠山さんと一緒にアートに関するプロジェクトに参加していたので「アーティストと個人をテクノロジーの力でより自由に繋げたい」「アートを限られた人のためだけでなく、より開かれたものにしたい」というTCMのコンセプトには、とても共感しました。また、父方の家系が代々アートのコレクターをしていたこともあり、なかなか作品制作だけで生計を立てていく事が難しいアーティストが、健全に作品を作り続けられるような環境づくりにも興味がありました。

世の中に対していつも個性的でオリジナリティ溢れるアプローチをする遠山さんと、広告業界のスター的存在であり、デジタル領域で面白いものを沢山作られているPARTYさんが組まれるのは、自分の中で大きなニュース。このプロジェクトへの参加をお声がけいただいた際には、「この2者が組んだら、絶対面白いことが起きるに違いない!」というワクワク感でいっぱいで、「何かご協力できることがあればぜひ!」と前のめりで参加させていただきました。

現在は毎週定例ミーティングを行う中で、ベースとなるアイデアにみんなで肉づけをしながら、サービスを具体的に作りこんでいく作業をしています。全く新しい、みんなのインフラになるようなサービスを作ろうとしているので、細かい配慮の連続ですね。例えばアプリやサービスを使う中で 「ちょっとこの部分がストレスだな」と思ったら、ユーザーは直ぐに離脱してしまいますよね。アプリの中には時間軸が大量にあり、色々なコミュニケーションも複雑に絡み合っていくので、日々メンバーと議論しながら、検証と改良を重ねています。WEBなどのサービスのデザインにはエディトリアルデザインに近い部分も、映像制作に近い部分もあり、それ自身がメッセージを伝えるツールでもあるので、実際に形にしてみないと見えてこない事も沢山あります。

アート界に中央線を走らせる!?


使うツールが変われば、人のカルチャーが変わると思っています。例えばiPhoneが生まれたことによって、多くの人が当たり前に携帯電話でインターネットやアプリなどのサービスを楽しめるようになり、それによって新たにお金が生まれる循環も出来て、ビジネスも人の常識すらも変化していった。私達の挑戦はこういった変革を、アートの世界で起こすことだと思っています。現状を変えたいというよりも、今作っているツールやサービスがアート界に入り込み、定着したらどうなるのか。その変化を見てみたいですね。常に人にどう伝わるかを考えながら、それが届いた時に世の中がどう変化していくのかを考えるのはとても楽しいです。単に見た目が良いだけではなく、きちんと人に伝わるものが良いデザインだと考えています。

新宿から東京に行くのに、山手線しか手段がなければ半周するしかないけれど、新たに真ん中を通る中央線ができれば、「こっちの方が早い!」と、そちらを使う人も沢山出てきますよね。そこで中央線沿いに新たな街や、面白いカルチャーも生まれていく。そんな風に私たちのサービスの中で、また新たなカルチャーが生まれたら面白いなと思っています。

自分の手で世界を変えたい人に、集まってほしい


デザインやコンセプトは固まりつつあるのですが、実はアプリ自体の実装はまだまだで。私自身、自分がデザインしたものが実際のアプリに落とし込まれているところをみると毎回感動しますね。良い大人が、少しずつ出来上がっていくプロダクトを見るたびに「おおー!」と歓声をあげながらプロジェクトを進めていく。そんなTCMをごりっと推進してくれるエンジニアさんがいたら、ぜひ一度お話させていただきたいです。

脳みそを使い、手を動かし、試行錯誤する連続だと思います。でもアートが好きで、新しい変革を目の前にどうやったら人に届くかを積極的に考えられる方には、きっと楽しいプロジェクトだと思います。このサービスによって、アート業界はどう変わっていくのか。それを実現するために細かい部分をどう設計していくか、一緒に考えて頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願いします!

長谷川弘佳 (はせがわ ひろか)
アートディレクター、インターフェース & グラフィックデザイナー。
1986年生まれ。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業。博報堂アイ・スタジオ、マウントを経て2017年、HIROKA HASEGAWA DESIGN設立。プロダクトデザイナー&クリエイティブディレクターの早川和彦とともにH inc.を設立し、平面・立体を問わず、様々なデザインの仕事を行う。

文:沼尾 なつ紀 写真:奥山 紘子
(この記事は、2018年12月27日にWantedlyに掲載されたものです)


TCMは「世の中の体温をあげる」という想いをかかげ、「Soup Stock Tokyo」等を手がけてきた遠山が構想する「新たなアート体験」に、PARTYが得意とする「デジタルでの体験設計」を融合させ、アートと個人の関係をテクノロジーで変革させ、新たな価値の提示を目指しています。