🌷ゼロ年代インターネットの思い出 1

20年ぐらい前のこと。
わたしはホームページづくりにわくわくする小学生でした。
少女の目線でこういう文化が語られることはあまりないようですが、それに触れている少女はたくさんいました。そのはしくれとして記録しておきます。

1. HTMLの魔法


小4ぐらいのとき、HTMLというものをおじいちゃんから教わった。
ウェブページのプログラミング言語だ。
はじめてふれたHTMLは、ハイパーめちゃくちゃ面白かった。

〈hr〉と書けば線があらわれて、
〈font color="skyblue"〉と書けばどんな文字だって、わたしの好きな水色にできる。
〈font size="7"〉で文字の大きさも自由自在だし、
〈marquee〉なら文字が動きだす。
文字を七色にして左右にスクロールさせる悪趣味なこともできた。


魔法使いになったみたいだった。


わたしは夢中で魔術書を読みあさり、呪文をおぼえた。
おぼえられたのは背景色とか改行とか、文字の中央よせくらいだったけど、
それだけでも、魔法のテキストエディタ メモ帳を通じて、
わたしだけの魔法の家をつくることができた。


でも、そのうちテーブルタグという中級魔法に手を出したくなる。
画像の横に文字を並ばせたい、それだけのことなのに、
trとかtbとかいう、わけのわからん呪文ばかり。

手打ちの限界がみえた。


そこでホームページビルダーの登場だ!

偉大で心やさしき魔導師おじいちゃんは、わたしにホームページビルダーV9という、新たな力を授けてくれた。


インストールの時間はそわそわしっぱなし。


古いパソコンだから、死ぬほど待って、

待って、

やっと起動して、

これでもかってくらいわくわくして、


新たな力をやっとためした。



ダサかった。


ホームページビルダーはパソコンの中で早速ムダに容量を食うだけのデータになる。


ただ、なんか勝手についてきたウェブアートデザイナーってお絵かきソフトは、パソコンがだめになるまで使われることになった。

(つづく)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?