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寂しい匂い【7/10誰か宛ての日記】

・今日は日記に残しておきたいと思えることが山ほどあった。長くなるが、特に気にしない。私しか読み返さない(はず)だから。

・久々に朝ご飯を用意して家で食べた。ガスコンロ最高。

・この写真、改めて見直すと「朝の写真」って感じの陽の入り方だ。そしてなんてみすぼらしい朝食。でも、こんな朝食が好きだったりする。


・「良いニュースと悪いニュースがある」と言われたら、良いニュースから言い始めるのが定石だが、私はさっさと悪いニュースを消化してしまいたい。だから、あなたにも悪いニュースから届けたい。


・また宗教が差別的な扱いを受けてしまうのかという危惧。嫌なニュースの後方からは、いつも神様の足跡が聞こえてくる。そもそも神様なんて彼らの後ろにいるかわからないけれど。

・世間に「差別的な扱いをするな」と思うのではなく、宗教に「差別的な扱いを受けるようなことをするな」と言いたい気持ちの方が強いかな。私の祖母はクリスチャンだ。先日息を引き取ったが、教会で素晴らしい葬儀をあげていただいた。ああ、本当に神様と共にいたんだなあと強く感じた。

・神と人間は意外と近くに存在しているような気がする。だからこそ、変な人たちが神様に寄ってきてしまうのだろうか。この気持ちについてはもっと深く掘り下げたい。無宗教の私が言うのもなんだけど。

・まだ不確定なニュースばかり。もう少し落ち着いてからこのことは考えるようにしよう。少なくともこの事件との絡みで考えるには、まだ時間が足りない。


・社会に不安感情が蔓延しているからなのか、どうもストレスが溜まっている。「ストレスが溜まっている」というと、「イライラしている」「嫌なことがあった」などのイメージを想起させるが、「心に負荷がかかる」のほうが今の自分の状態を表すには適切だと思う。

・ストレスを解消させるためにすることは人によって様々だが、私は「金遣い」に頼ってしまう。いっぱい夏服を買ってやろうと思って外に出たものの、パンツの試着をする勇気が出なくて一着も買わなかった。また心に負荷をかけてしまった。

・結局いつものことなのだが、本屋で散財してしまう。住んでいる町の新刊書店で、岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』、野呂邦暢『愛についてのデッサン』の二冊を衝動買いした。夏服を買うよりは安く済んだかな。

・『死ぬまでに行きたい海』。Aマッソ加納が岸本佐知子のファンであるということがよくわかる。読みながら『イルカも泳ぐわい』を思い起こさせてくれた。知的ながらもユーモアが顔を覗かせる、柔らかい文体。

・『愛についてのデッサン』。販売当時から気になっていたが、やっぱり表紙が良すぎる。古本屋の若い店主が体験する、どこか物悲しい短編集。

・それぞれの本を読みながら、それぞれの情景を頭の中で想像する。夏の暑い日、知らない町、あの人との思い出。

・奇しくも、この二つの本には「寂しさ」という共通項があった。岸本佐知子は、かつて訪れた町を再訪し、あの時の思い出の答え合わせをしようとする(そうでない章もあるが)。私とは共有していない思い出のはずなのに、物寂しさがシンクロする。野呂邦暢は、主人公・佐古と関わる人々を描く。短編ごとに、誰かとの別れがある。亡くなった詩人、かつて愛した人。こちらは、人との関係性の中で描かれる寂しさ。

・寂しさに触れると、なぜか鼻腔の奥に似たような匂いを感じる。いや、きっと鼻は何も感じていないが、脳が勝手にそうさせているのだろう。そしてその寂しさは、不思議と夏に匂うことが多い。秋や冬のほうが、物寂しさと近そうなのに。私の中で「寂しさ」は夏の季語になっている。

・当然、まだ全部読んだわけではない。まだ夏は続きそうだ。ゆっくり、大切に読んでいきたい。



・ストレスの話から、自然と良いニュースにつながった。話したいニュースは尽きない。話し相手はあなたしかいないのだから、まだ話す。


・ABCお笑いグランプリはカベポスターが優勝して終わった。私は令和ロマンとダウ90000の大ファンなので、少し悔しさこそあったが、納得のいく結果だった。最初から最後まで見た人なら、同じ感想を抱くのではないか。

・やっぱり、無条件に人を笑かすだけの職業って冷静に考えてすごい。私が初めてお笑いライブに行ったのは、たしか2020年の夏、コロナに世間が対応してきて、ようやく有観客が解禁された頃にヨシモトのライブにいった。

・若手の芸人が1分ネタを披露するような形式の、少し変わったライブ。テレビで見るような芸人はほぼゼロ。MCのゆにばーすくらいだったかな。

・面白い人もいれば、全然面白くない人もいる。でも、舞台に立って、若干冷めているお客さんの前で全力でネタを披露している人間の姿は、あまりにも美しかった。

・そんな姿を知っているからこそ、芸人へのリスペクトはいつになっても消えない。小スベリしていたり、審査員とのやりとりで若干変な空気になっても、この人たちは人を笑わせようと常に何かを考えている、と考えるだけで、不思議と笑ってしまう。

・お笑い芸人は「人の感情を商売にしている人」、これって、やっぱりすごすぎるな。


・相変わらず選挙特番で太田光が炎上している。でも、彼も人を笑かしたいだけで空回りしていると考えると、不思議と応援したくなってしまう。


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