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星と桜のお話

昨晩、家をひとり抜け出して星と桜の写真を撮りに行きました。

星桜 2020/4/5

有名な場所ではありません。
何軒かの民家がたたずむ畑の傍、昔は河岸であったろう小高い段丘の縁に2本の桜があります。相応に歳月を重ね、花の勢いも盛りを過ぎた感がありますが、長い年月をかけてその土地と馴染んだ、風景との一体感が素晴らしい桜です。

実は昨年、この桜と出会い星景のテーマとして何度か撮影に出向いたのですが天気に恵まれず撮る事が出来ませんでした。なので、1年越し念願叶っての1枚になりました。

星桜 2019/4/11

さて、私が桜をテーマに星景を撮り始めて9年目になります。毎春、必ず星と桜の撮影に挑戦する事にしています。さながら自分に課した定期試験です。前年よりも、少しでも想い描くイメージングに近づける様に春だけはちょっと頑張ります。

課題としては、桜は最高の題材です。

まず、色が出ません。夜撮ると、昼間見る様なあの何とも儚く淡い桜色は欠片も写らず頭を抱える事になります。桜の色を考える事、それは桜に当たる光を考える事、月の光、夜空の光、街の光、街灯の光を追いかける事。
人様よりも夜を歩く事が多い自分でも、光の世界を理解し切れていない事が良く分かります。

また、ロケーションや天気も難しい。有名な桜はライトアップされる事が多く、「自分の心に響くが有名ではない桜」を探し出す事は簡単ではありません。また満開のタイミングと自分の撮りたい月齢、天気の条件が揃う事も稀です。
入念な準備もさることながら、その場勝負の瞬発力も必要なのです。

とまあたいそうな事を書きましたが、あくまでもこれは自分の中の挑戦で、撮りたい桜がサクッと撮れる方もいらっしゃるとは思います。
それはそれ多分、難しく考えない事も大事なのです。

2020年の星桜は、月明かりの世界でいかに違和感の無い桜を撮るかという命題に少し手が掛かった様な気がしました。来年も楽しんで挑戦して行こうと思います。

そんな訳で、残りは星桜バックナンバーをどうぞ。

星桜2012 大先輩に借りた高いレンズで撮った

星桜2013 桜がミドリ⁈(水銀灯の光)

星桜2014 試しに月の出の光を浴びて貰った

星桜2015 画像処理の力を最大限利用した

星桜2016 赤ぼんぼりの光でドーピング

星桜2017 天気が悪すぎてまさかの月合わせ

星桜2018 足りない光を物理的に足してみた

星桜2019 晴れませんでしたー

星桜2020


成長してるかな、してるといいな。

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