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その瞬間



好きになった時のことなんて、覚えていない。

気が付いたら、好きだった。


でも、なんでだろう。


もしかしたら、飼っている猫の話を聞いたときかな。


それとも、昔の学生生活の話を聞いたときだったかな。


なんか可愛くて、静かで、いいなって、思った。

それだけ。



私のこと、見て欲しかった。特別にして欲しかった。




もう諦める・・・そう決めている。


だけど、お願いします。


「大好きだよ」


この言葉を、彼の耳もとにどうぞ届けてください。



なんて、子供みたいに月に願った。

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