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住む場所が自由に選べる喜び

わたしたちには住む場所を選べるという自由があります。これがないと好きな場所に引っ越せないため大変です。これは20代後半になった私がようやく気がついた権利や自由についての話です。

引っ越しをした

今まで暮らしていた家

年末が迫る12月初旬、私は5年以上住んでいた東京都江戸川区から引っ越しをしました。そこに住み始めたのは会社に入りたてのころで、お金もない私は家賃が5万円以下の家を探していたのです。不動産会社に行って相談すると10件以上もの物件を紹介してくれました。その中で内装がきれいで家賃が4万3000円の家を選びました。

選んだとはいえ、とにかく5万円より安ければ良い、という一点張りでした。一人で暮らすことに慣れていない若者だったので、不安のほうが勝っていたと思い返します。料理に洗濯といった家事やお金の管理ができるのか。

ただこの不安も、自分で決められる自由から発生していたものだったのです。どんな料理を作っても良いし、洗濯をいつしてもよい。自分が稼いだお金は、趣味に使うのも投資に回すのも銀行で貯めるのも自由です。自由だから失敗したときの責任も自分で背負うことになり、不安や怖さを感じるときもあります。

不安を抱えながらも生活を送っていると、家事でもお金の管理でも成長が感じられました。

当然失敗もいろいろあって、まずい料理を作ってしまったり、食材を腐らせてしまったりしたことは何度もありました。排水溝の掃除を忘れて放置していたら、髪の毛や石鹸カスが溜まりすぎて、お風呂のお湯が抜けなくなったことも。

ただ、どんなに遅く帰ってきてもみそ汁くらいは作るようになりましたし、定期的に換気扇や排水溝、エアコンや窓を掃除するようになりました。給料は月給20数万円ですが、自炊による節約や趣味の活動を効率よく行って数百万円の貯金もできました。

新しく住む家

やがて一人で生きていくことに慣れ、生活も安定してきたとき、すてきな人にめぐり逢います。色々なことを話し合った後「なら一緒に住んでみましょうか」という決定にお互い行き着きました。

一人暮らしを初めてからもう5年以上が過ぎていて、精神的にも金銭的にも余裕が出ているタイミングです。不動産会社へ行って物件を見るときも、2人で主体的に選んでいるという感じがしました。家賃は最大でも15万円以下に抑えたい、追い焚き、オートロック、会社まで30分以内に行ける場所などなど。ソファーがおけるような広さがあれば、そこまで大きな部屋じゃなくても良いと考えました。内覧に4~5件行ってから最終的に住む場所を決めます。

2人で一緒に暮らすことには不安もあります。家事や休日の過ごし方、お金の管理などなど。しかしそれもまた2人で暮らしても良いという自由から来ているものだと今は思えます。自分が選んだことだからこそ不安になる、つまり不安もまた自分が持っている大切な感情だったのです。そして不安は自分の成長へつながります。

住む場所を自由に決められるということ

そうして2回目の引っ越しをしている最中、ダンボールで埋め尽くされている江戸川区の家で布団に入って眠ろうとしていたとき「自分は住む場所を自由に選んでもいいんだ」という事実に気が付きました。江戸川区に住んでも良いし新宿区でも良い。北海道でも沖縄でも千葉でも新潟でも良いのです。大きな自由が与えられているんだなあと、しみじみ感じました。

住む場所を選べるという点は、基本的人権のなかで保証されていて「居住移転の自由」というそうです。なんと当たり前のことを人権で保証するもんだと思いましたが、基本的人権のほかの項目も生きていると忘れるくらい当たり前のことが書いてあります。職業選択の自由であったり、財産を自分で管理できる自由であったり。

自由は何のために必要なのか

私なりの解釈ですが、自由とは人が成長するために必要なことなんだと考えます。

自由にさせることで、人はあれやこれやと考え行動し、失敗や成功を体験します。食材を腐らせてしまったから、賞味期限や匂い、見た目などをこまめに確認して腐る前に調理し食べる。排水口が詰まる前に定期的な掃除を心がける。趣味や将来を安定させたいから、貯金や投資を積極的に行う。

自由な環境で行動することが人の成長につながっていくのです。社会は人で構成されます。人が成長することで社会は成熟し、政治や法律でがんじがらめにしなくとも、一人ひとりが安心してのびのびと暮らしていけるようになっていく。

そう思うのです。

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