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tari textile BOOK 後編 #1「I ♡ T」ごあいさつ

「I ♡ T」(I LOVE Tambanuno)展


 ごあいさつ


 このたびは、「I ♡ T」展にお越しくださり誠にありがとうございます。

 

 突然ですが、みなさんはこれまでにいったいどのくらいの人々が丹波布と関わりを持ってきたか、考えてみたことはありますか。

 江戸時代、日本各地に綿の栽培とともに織物の技術が広まり、丹波でも多くの人が丹波布製作の過程に携わりました。その後も、廃れかけていた丹波布の技術と文化を次世代に継承しようと動いてきた人々、商品を購入し実際に使用する人、民芸品としての丹波布の魅力を探る人など、現在にいたるまで数えきれないほど多くの人々が、様々なかたちで丹波布に関わってきました。

 そしてその人々が丹波布に抱く思いも人それぞれ。好きや嫌いに限らず、関わる人の数だけ丹波布に対する思いも存在すると言ってもいいほどです。

 

 その中でも布の作り手は、技術的な面や経済的な面、人間関係や地域との関りなど、それぞれに悩みや葛藤も多く出てきます。しかし、そんな複雑な思いもいつの間にかくるっと包み込まれていて、気が付いたらまたせっせとつくり始めている、関わり始めている、丹波布はそんな布でもあります。


  ここでは、そんな作り手の1人が感じる「I LOVE Tambanuno」を、その作品を通してご紹介していきます。丹波布や布そのものに対して、みなさんにもそれぞれなにかしらの思いが、もちろんLOVEではないどんな思いでも、少しでも新しく生まれたら幸いです。

 

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