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息子の長い話のオチ

台湾に留学した息子が久しぶりにLINEしてきた。
留学して半年最初の頃はインスタやYouTubeなどに楽しそうな様子をあげていた彼だがその更新も最近滞っていたので少し心配していた。

「貯金の残高が少ない」(実際のLINEは金額を書いていた)

コレは序章に過ぎなかった。

子供の頃から新聞配達をして稼ぐ勤労少年。親としては稼ぐことでお金のありがたみや意味を知れたらなと思っていたけど小さな頃から大金を手にしていた為か大変浪費家なので少し心配していた。稼いだ金を全て使う「宵越しの金は持たぬ」タイプ。使っては稼いで使っては稼いでの繰り返し。まぁ親元にいる間はそれでもよかったんだけど留学で一人暮らし趣味だけにお金を使う訳にはいかず学費はもとより生活費の工面で苦労している様子だった。しかしそれは織り込み済みでそうならない様に口酸っぱく言ってきたつもりだった。稼ぐ金がない分わかりやすいように学費として4年間を計算して一括で通帳ごと渡し残高が見えるようにした。生活費や学費は日本に比べて格段に安くこれくらいあったら行けるだろうと言う金額を日本でバイトして稼ぎ上乗せして。つまり学費+1年間の生活費を計算して持っていたはずなのに半年で約7割の資金を使ってしまったと言う報告。やはり大金を一括で持たせてしまったのが失敗だったか?

彼が言う理由はこう。
1、為替レートが変わった。
これによって思っていた金額の倍はかかっていると。それでも4年間の学費を半年で7割はちょっとなくなりすぎじゃない?と思う。
2、留学生のバイトが難しい
これも1年目はバイトができないだろうからと日本でその分を稼いで行ったはず
3、その他諸々生活していくのにお金がかかると

その対策として本人は
1、自炊して節約している(留学する前本人なりのリサーチで台湾は外食が基本で自炊する方が高くつくと嘯いていた。今は俺一日一食にしてるんだぜと節約をアピール)
2、自炊のための調味料などを仕送りしてほしい。台湾で買うとなんでも高いらしい。
3、長い休みの間日本に帰ってバイトして稼ぐ(台湾ー日本の交通費を差し引いても稼げると取らぬ狸の皮算用を提示してくる)

為替レートが変わったのは仕方ないけれどそう言うこともあると考えないといけない。これは一つの勉強。そしてその他諸々の生活費を聞くとせっかく台湾に来てるし旅行もしたいとか髪の毛の色を紫に染めたとか服がボロボロになったからまた買ったとかそれ生活費???と?が幾つも浮かぶようなことに使っている。?が浮かぶのはこちらばかりのようで本人は大真面目で必要経費だと言い張る。あーまた悪い癖が出てきてるなーと思いながら思ったようにやればいいけどあるお金をどうにか工面してやっていかないといけないよと言うとお金を借りないと卒業は無理だと言い出した。いよいよ持ってお話にならない。お金を借りるのは最終手段。それをしなくてもいいように資金を持っていってるし今の生活を見直すことから始めようと伝える。

「やりたきゃやれお前は間違っていない、悔いのない方を選べ」

息子の理解に苦しむ行動を思う時いつも思い出すのはリヴァイ兵長のこの言葉。
息子よ今は試練の時だ、苦しいと思うが色々考えて自分で道を選び切り開くんだ。と心に思う。

このやりとりをLINEで何時間しただろう?押し問答というより無理問答。会話は平行線。心配しても始まらないもう親の出る幕ではなく息子に道を選ばせないといけないよなーと最終的に落ち着く。

そう自分に言い聞かせた時の息子の一言

「今日買った服見る?」

え?今何つった?
お金がなくてヤバい、借りなきゃいけないかも?って言ってたよね?1日一食生活でひもじい生活してるって言ってたよね?

そしてLINEのビデオ通話で見せられたシャツが英字新聞柄ぽい柄柄の開襟シャツ…ダサい。今まで心配してアドバイスしていたのは?今ままでお金に困ってるよと言っていたのは全てこのオチのための伏線(服選)だったの?心配して損したわ(笑)

「お前自身も後悔させるな、それがお前の使命だ」

やっぱりリヴァイ兵長いいこと言うなー。

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