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反抗期が来る人と来ない人 (無料)

反抗期は第一次反抗期が幼児期、第二反抗期が思春期あたりにあるといわれています。

有料記事の方で、幼児期の子供の発達で述べましたが、2、3、4歳あたりは達成感や自立心などを獲得してゆく時期であり、自分の身体を使いながら世界を知ってゆきます。

また、真似をしながらいろんなことを学習してゆきます。自分の中で模倣したいというモチベーションに従って、自分で行動することを積極的にしてゆきます。

その頃に子供は自分で判断し、物事を決定しようとするため、嫌だ、ダメなどという言葉を沢山使うことが多いでしょう。

親は何を言っても言うことを聞かないとフラストレーションがたまるかもしれません。

しかし、この発達の過程を知ることでどのように対処するのが良いのかわかってくるはずです。


第二次反抗期は思春期あたりに始まることが多いです。

以前紹介したエリクソンでいうこの時期は、アイデンティティとアイデンティティの混乱の対立が個人の中に存在しています。

つまり、自分を親の理想から切り離し、個人として自分がどんな存在なのかを模索しています。


フロイトのいうところのエディプスコンプレックスも関係しているともいわれています。

第一次反抗期にあたる、幼児期にあったエディプスコンプレックスでは、異性の親を手に入れたいという願望が生じ、同性の親を敵とみなします。

しかし、自分で異性の親を獲得することは不可能と感じることで、世の中はそのようにできていると理解してゆきます。

子供は社会で生きてゆくための価値観のようなものを、しつけなどを通して身につけているとされています。

例えば、男児の場合、父親と戦う必要はないというモラルが、母親を独り占めにしたいという欲求から解放してくれます。

第二次反抗期は、第一次反抗期を健康的に通過できた場合、つまり自分でできるという感覚、自立、独立という感覚を幼児期に身につけられた場合、それを生じる可能性は低いともいわれています。


第二次反抗期において、個人は社会での自立を試み、うまくいかないなどの葛藤と向き合います。反抗的な態度はそのあらわれで、親からの自立と社会での自分の存在意義を掴もうとしています。

子供は親が思うことと反対のことをするなどし、自分が親から切り離され、独立していることを感じようとしています。

ここで、親は子供のその葛藤を理解し、サポートをしてあげることが重要になるのですが、逆に権威を見せつけて子供を力で押さえつけようとすると、反抗的な態度に拍車がかかることも起こり得ます。

例えば、自然と発生する社会での荒波に立ち向かいチャレンジし、自立を得ようとする態度の過程で、親からの押しつけが"ない"場合は、その自然発生する状況で闘うでしょう。

しかし、荒波と同時に親からの押さえつけが発生すると、自立のためにより過激な行動にでることがあるでしょう。悪さをする集団に所属したり、学校に行かなくなったりなどです。なぜなら、自立したいから自分は親の管理下には属したくないと反発するからです。


ここまで、自立、独立という言葉を使ってきましたが、間違った理解をしないでおきたいところがあります。

それは、自立、独立することというのが親のことを気にしなくなる、親をほっておくこととは異なるということです。

今までは、親がいないと生きてゆけない状態だったところから、1人でも生きてゆける状態を自ら構築しようとしているだけであるということです。

つまり、1人の個人としてより強い愛着を親や他人と持てるようにしているということです。

ここで、親が子供の背後で起きている精神的葛藤を理解せず状況のみに目をやり、

"親をなんだと思っているのだ"

という態度をとり見放したり、または強制的に近くに縛りつけようとすると、子供はアイデンティティの構築に失敗してしまいます。

すると、過剰なまでに親から離れようとするか、全く親から離れられなくなってしまいます。


ですから、

親にとっては以前のような子供扱いを避けることが必要になります。

子供が自分で決定をできるような余地を残すことや、ある程度子供の決定を尊重する姿勢が大切になります。

親の言うことも聞かず、反抗的な態度をとられて、なぜ子供に耳をかさなくてはならないのかと思うこともあるでしょう。

ここでは親の忍耐力、さらにはなぜ自分は子供に対してイライラしてるのだろうと振り返る時間も大事になってきます。

もし、経済的な理由などで子供の決定に従えない場合などは、話をする時間を設けましょう。

理由を説明し、親が決定を下すまでの過程に子供も参加させましょう。

この経験も子供にとっては、社会の荒波での生き抜き方を学ぶ機会になります。


少し脳科学の観点から反抗期について述べます。

ここまで読んできたことを、脳の中でどのような反応が起きているのかを想像しながら考察してみると理解がより深まるかもしれません。

脳の前頭前野と言う場所があります。

思考を巡らせたり、判断などをするときに使われる場所です。

思春期の子供たちは自らのアイデアや理想について思考を巡らすようになってきます。

幼児期の頃の子供は親の欠点などについて見よう、探そうとする事はありませんが、思春期になると子供は世の中をより現実的に見始め、親はどうあるべきかなどを思うようになります。

それは友達の親の言動や、メディアから流れてくる親像を自身の親と比べるようになるということです。

理想的な親像を掲げ、自身の親にして欲しいことなどを考えるようになります。

子供は親に、その理想とする親像に近づいてもらうために、喧嘩のような議論を持ちかけることがあるでしょう。

客観的にはそれが反抗的な態度と言うふうに捉えられるのかもしれません。

しかし、子供にとっては自立して生きるため、議論をする練習をしている状態でもあります。


さらに、

現代では、ソーシャルメディア等の普及なども加わり、今までであれば高校生ぐらいに感じることが多かった同世代からのプレッシャーを13歳14歳あたりで感じ始めることもあります。

つまり、社会での自分の存在を確認するために、親や、身の回りのコミュニティを越えて、他人と比較しながら早い段階から大人びた行動を取ろうとします。


脳の青年期は25歳くらいで終わると言われています。

脳の成長が止まるわけではなく、脳の構造として出来上がってくるということです。

思春期では脳が発達している最中です。

異なる脳の領域が、異なる割合で発達しています。

特に感情を司る部位がよりアクティブに活動します。

思春期ではまだまだ、先程話した前頭前野が成長する余地が沢山あります。

脳の中には、衝動を駆り立てる部位と用心を喚起する部位が存在していて、衝動を駆り立てる部位が思春期では優位になっている状態です。


ポジティブなリスクをとることは、思春期の子供にとっては報酬を得ることと同じ役割になります。

というのも、それをすることで子供は環境に適応するために多く有益なことを学んでゆくのです。

ポジティブな側面として感情が優位に立つことで生じるのは、強い繋がりを獲得できることです。

人は強い感情ほど記憶に残ります。愛着というのは目には見えませんが、愛着を構築することで成される人との繋がりは、強い感情が現れる思春期だからこそ獲得されるともいえます。

ですから、子供が思春期の時の親のサポートはとても重要なのです。

ポジティブなサポートを受けると、その愛着はずっと記憶に残るのです。

そして、自分は独立した個人であり、かついつでも自分を見放さず守ってくれる存在がいるんだという感覚を獲得するのです。


25歳ころになると、脳の構造的成長が完了してきて、用心を喚起する部位が衝動の脳の部位に追いつきます。

ですから、親とのいわゆる確執と客観的にはいわれることも減ってゆくでしょう。

もし、仲が戻らない場合は、思春期あたりでの親からのサポートがなかったのではと考えることもできます。

個人で反抗期の度合いが違うのはこのサポートがどれほど受けられていたかによる可能性があるということです。

また、思春期の反抗期がない人というのは、幼児期にその時期に必要な自立心を育めるサポートを親から受けた可能性があるということです。


で、どうすればいいの?

- 幼児期の子供は反抗期を世の中は自分中心で回ってるという感覚で、出現させてきます。ですから、自立に必要な分の自由な判断ができる時間を提供してあげると良いでしょう。わがままな子供と考える親もいるかもしれませんが、生きるために必要な自分のあり方を構築している最中です。この時期に子供の行動を厳しく制限したり、批判をしたりすると子供は罪悪感、自分を疑う気持ち、自分は悪いんだと感じることを獲得し、目的を持って生きるという徳を得られず成長してしまいます。そうすると人に頼り過ぎる子供になるとも言われています。


- 子供に、例えば服の選択などをさせる、のは時間がかかるというときは、自分も選択の過程に参加するのも良いでしょう。達成したいのは、子供が自分でやれてるという感覚を獲得することです。ごっこ遊びのような感じで、"こんなのはどうかな?"などと声をかけると、時間はただ待つよりは早くなるかもしれません。


- 思春期の子供が反抗的な態度をとるのは、幼児期に満たされなかった自立心を、社会で生きてゆくのに必要な分を獲得しようとしている状態です。身体も大きくなり、言葉も大人のように使うので、親としても攻撃されている感じがする人もあえるかもしれません。しかし、子供の脳はまだまた成長段階で簡単に揺れ動く状態です。親は子供を突き放すのではなく、話を聞く姿勢を見せることが重要で、判断を子供に任せることも必要です。


- もし、親がどんな方向に子供が行くか心配だから、子供には判断をさせないと思っているのならば、親本人は子供に十分な情報を与えたかどうかを確認しましょう。子供は持っている情報の中から、どんな行動をとるかを決めています。親が何の情報も与えずにいて、もし子供が、親が望む方向の選択をしなかった場合は、子供に選択肢を提示してなかったからということでもあります。普段から、社会で起きていること、新しく出てきた物事について、子供と話したり、教えてあげたりしてみましょう。


- 反抗期だからといって、いい加減にしろと親が子供を無視などすると、子供は親は自分を守ってくれないのだと感じ安心感、安全感の構築がうまくいかなくなります。すると、子供は離れたくても離れられない状態にもなりえます。つまり、子供が働ける歳になった時、毎日のように親と喧嘩をしていたとしても、なぜか子供は親から離れることができなくなってしまうのです。自立することの自信を構築できなかったこと、1人になった時に誰か助けてくれるのかという不安が子供の中に湧いてきてしまうのです。


- 親にとっては反抗期の子供にどのように接したらよいかわからないということもあるでしょう。子供が欲しいのは親はサポートしてくれているという安心感と、社会で自立してやってゆけるという自己効力感です。社会でどのように立ち回ってよいのか、そのやり方を子供はわからない場合があります。一緒に出かけた時など、親は子供に他人とのコミュニケーションの取り方などのソーシャルスキルを見せてあげましょう。もし、子供がチャレンジをした時は本気でそれを認めてあげ、親の私は君の味方だよと示してあげる必要があります。


- 親自身のコミュニケーションスキルも大事だということに気づいたのではないでしょうか?子供に教えてあげる必要があるわけですから。ですから、親も自分に必要なコミュニケーション、ソーシャルスキルは日頃から身につけられるとよいですね。コミュニケーション力のある親をもつ子供は、相対的に子供自身のコミュニケーション力も高くなる傾向があります。



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