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親密or表面的 18歳から40歳

要約

18歳から40歳、今までとは異なり、年齢の括りの幅が広がりました。これは物事を吸収するスピードが変わるということでもあるかもしれませんが、この時期は他人により焦点が当たり、他人に貢献することで生きる意味を見出してゆくということでもあります。親密という感覚を獲得できれば、他者との関わりから育まれる愛を持つようになります。また、より高度に抽象的な思考も可能になります。広範囲の人との関わり、そして同時に少人数との濃い関わりが人生を豊かにしてゆきます。

内容

ここでは、6つの主要な発達理論を一つずつ紹介し、それぞれの特徴や主張、人が社会で生活する中で、どんな影響を受けて育つのかを伝えてゆきます。さらに、それぞれの理論から考えられうる、人が健康的に成長するために必要なことを考察しながら、具体的な例を挙げてゆきたいと思います。

理論だけ言われても、"で、どうすればいいの?"というのが私自身も経験してきたことですので、できるだけ応用がきくように書ければと思っています。

思い

よく、他人を思いやる気持ちなどと表現されることがあると思います。とても抽象的なイメージはありますが、精神的に健康に成長していくためには重要です。この18歳から40歳の間は、他人と関わり他人に貢献することで心も満たされていきます。例えば、他人にコミットし、良いことをしてあげると自分の自己効力感も上がると言われています。より社会の、組織の一員として生活していく時間が長くなるこの時期だからこそ、その理解をしておくことが大切になります。愛し、愛されることに満たされた人生になっていけると良いですね。

フロイトという人の発達理論(心理性的発達理論)より

これまでの記事でも述べてきましたご、フロイトは人の成長過程において、一定の時期に身体の特定の部位の感覚が敏感になることから、リビドーにも発達段階があると考え、敏感になる身体の部位に基づいて5つの発達段階を発表しました。

12歳以降は性器期という段階で、一生続いてゆくとフロイトは言っています。


今回はフロイトのもう一つの理論である、ナルシシズムについて話したいと思います。

まず自己意識ですが、自己意識、つまり自己が存在することに気づく( 意識上に上る)能力、外界や他人と区別された、自我としての意識、というのは小さい時から少しずつ構築されてきます。

自己意識は、子供が世の中は自分が思った通りにいかないこともあるのだと理解し始める頃から出てきます。

それまでは、小さな子供は世界は自分中心で動いていると感じています。なぜなら、自分の世話は全て母親がやってくれるからです。

そして、ナルシシズムは極端な自身に対する興味や賛美、また共感の欠如、自分を称賛して欲しいという強い思い、自己中心的な身体の見た目への興味というものです。

フロイトはより深くこのナルシシズムについて言及しています。それは前に話したリビドーと、リビドーの心理性的発達上の役割が、どのようにナルシシズムの構造とダイナミクスに関係しているかを話しています。

フロイトは、自己愛、つまりナルシシズムは発達の上ではある程度必要なものなのだとしています。

ナルシシズムは自分の自尊心や自信を獲得する上で大切な役割をします。

小さい頃の時期は、自分を守る為の自我本能、つまり世界は自分中心で誰かに守ってもらう感覚と、種を遺そうとする性的本能、つまりリビドーは切り離せない関係です。

そして、歳をとり、成長をするに従って自分中心の自己愛は、他人を愛することに向いていきます。

そうして時間が経つにつれて、性的本能が自我本能から切り離されてゆきます。


第一のナルシシズムの段階を通過すると、性的本能のセックスをすることと、自我本能の食べ物を摂取することは分かれてゆくことになります。

以降、自分自身の外部のものを愛することに焦点があたりますが、何かの理由、例えば、愛しても見返りが得られなかったり、トラウト的な経験をすると、また愛するベクトルが自分に向かってきます。

結果、自己愛に拍車がかかってきます。

そして、誇大妄想などに繋がる可能性があるとしています。

これらのことから、フロイトはナルシシズムは活力にもなるし、損害にもなりうるとしています。

他者を愛することで、自分自身を極端に愛することが減ってゆきます。

そんな中で、世の中から愛を受けとることができないと、自分は世の中に存在する価値がないと感じ始めます。

自分に焦点が再び当たり、世界は自分中心と感じ自己陶酔に陥ると、自分自身の存在は真実ではなく、妄想上のものと捉える可能性が出てきます。そして、自分が感じる生命危機を無くすためには、他人をコントロールして、自分を守らせる必要があるのです。

実際にはその思いがよぎる前に、自分自身を見失った状態になることも考えられます。つまり、身を守るために本能的に相手をコントロールしようとし始めます。

で、どうすればいいの?

- ナルシシズムはある程度必要ですが、行き過ぎてしまうと、他人を傷つけてしまうことなどにもつながってきます。自分が愛した分の見返りを受けられるようにすることが大切ですが、そのためにはもちろん、自分が愛を与える相手がどんな人なのかを知ることが必要です。愛を与える相手がロマンティックパートナーである必要は無いわけなので、自分が信頼できる仲間を見つけ、よりどころになれる人を増やして行けると良いと思います。そこから愛の見返りを受けることができると思います。

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