#５　判断能力を疑う12万のメガネ

えのもとさんからの電話でそういえば引っかかったことが・・・
”ようこさんメガネを壊したので、新しいメガネを買いに行ったの・・・”

ようこさんと電話していて、そんなこと言ってなかったけど・・・

とはいえ、まずは物忘れ外来を一緒に行ってくれた、ごとうさんに電話して
お礼を伝えました。
（私）
自分や義理姉では、なかなか腰が重かったのに、後藤さんが声をかけてくれて本当に助かりました！”
（ごとうさん）
私も最近物忘れしてきた節があったからちょうどよかったのよ！
そういえば、ようこさんこの間メガネを新調されたけど、お値段が12万円となかなかだったのね・・・
それでカードで支払おうと思ったら、暗証番号を忘れてしまっていたの。
なんとか支払いはできたのだけど、私も心配になってしまったわ。

暗証番号ね・・・確かに・・・　　ん？！？！？！？！？
メガネの値段が12万！？！？！？！？！？！　1～2万でメガネが作れる時代に、12万？　
いや、ようこさん年金暮らしだよ？　え？？年金てもらえても20万くらいでしょ？
お金足りてるの？？？

とかなり衝撃的な事を聞き、急いでようこさんに確認してみると、
”えのもとさんと一緒にメガネを買いに行って、どれでもよかったのだけど
素敵なものを選んだら、12万円になってしまったの。
まぁお金は大丈夫だろうし、時間もなかったし、メガネはないと困るから買ったのよ！”

（本当だったか・・・）
あのさ・・・　今はもうメガネって老眼込みでも1～2万程度で作れるって知ってる？？
ってか本当にお金は大丈夫なの？足りなかったらサポートするよ！

”全然大丈夫だから心配しなくていいわよ！”

これは、ようこさんメガネ屋に騙されているんじゃないか？
そこまで判断能力が弱っているのか？？
ちょっとまて、メガネって今からキャンセルってできるのか？？？

ちょっと、ようこさんに強く言ってしまいそうになりましたが
ちらっと見ていた認知症のＨＰに
「あまり強く否定してはいけない」と書いてあったのを思い出し

”あ・・・そうなんだね。ん～そういうトラブル時は連絡してほしかったな。
でも、良いメガネ買えたんだったらよかったね。もう無くさないように大事にしてね！”
と、気持ちを切り替え、返事することができました。
ただ、正直ようこさんの経済面がすごく気になる・・・　

父が死んだ際、残した貯金は数百万円。
父は遺言書で、
自分が死んだら、家を売りなさい。そこそこの値段になるから
そのお金でお母さんを施設に入れてあげてください。
それでもお金が足りなくなったら、子供達で協力しなさい。
そう書き残していたのですが、

父の死後、ようこさんはちょっと大変で
”起きたら居間が汚い。泥棒が入ったんじゃないか？”
”財布がなくなった。泥棒が入って盗んだんじゃないか？”
そう言って、警察のお世話になることも多かったのです。

これはちょっと、原因はあって
父の葬儀の後、資産面の後処理をしていた際、
兄たちが、ようこさんに向けて
とりあえずは、ここで一人暮らしになるのだけど
・老人をだます悪い人間が多くなってきているから、訪問販売には気をつけろ
・子供たちがお金に困ったから振り込んで欲しい。なんて事は絶対言わないから、そんな電話に対応するな！
　そもそも父はそんなに大金を残していないぞ！
と、ようこさんの事を想ってでもあるのだけど、ちょっと注意喚起が強すぎたせいで、ちょっと怖がりになってしまったのでした。

メガネが12万・・・　
20年前ならわかるけど、現代ではちょっとどうなの？
買ったお店は　有名な〇リミ〇さん　と教えてくれたので
その日の仕事終わりに、名古屋のお店に行って、
本当にそんなメガネがあるのか確認しに行きました。

お店に行くと、お客さんはおらず、優しそうな店員さんがいたので
事情を話して、本当にそんな値段のメガネがあるのか？聞いてみました。

そして・・・　ある。と。

優しい店員さんで、本当はいけないのかもしれないけれど
注文状況を確認してくれたところ・・・

”お母様は、5万のフレームと、7万のオーダーレンズをご注文されていますね”
”お値段としてはいい値段ですが、レンズは3万、7万、15万とあり、中レベルのものを選んでいらっしゃいます。”

恐る恐る・・・　
あのう・・・これキャンセルってできたりするものでしょうか？

”申し訳ありませんが、フレームはキャンセル可能ですが、レンズはもうオーダーが通っているので、キャンセルは不可です。
フレームを安いものにすることもできますが、レンズが合うかどうかは・・・”

ですよね・・・　いやもう、良いメガネを買ったと割り切ったほうがよさそうですね。

”お母様、お友達といらっしゃったと言っていましたが、高齢の方はお友達とくる方が多いのですが、皆さま”見栄を張る”じゃないですが、素敵なものを選んでいただく傾向はございます。”

そこまで言わしてしまって、本当にすみません。
いや、このご時世に12万もするメガネっていったいどういうものなんだろう？という興味もありまして、
母がそれで満足しているのなら問題はないのです。
これは判断能力が弱まっているんじゃないか？と、びっくりして動転している息子がここにいるだけですので・・・
細かいことまで教えていただきありがとうございました。

丁寧にお礼を言って店を後にしました。
妻に連絡してみると・・・
それってちょっと本当にまずいのではないか？お金足りているのか？？
いますぐ病院に・・・とそれは行っているのか・・・。

二人して、気が動転。
ひとまず、12万のメガネは　ちょっと贅沢してみただけ。
と自分の中でも割り切って。
それよりも親の経済面、資産は大丈夫なのだろうか？？？
そんな心配事が急に発生したのです。

そして、それが思いもよらぬ事態で発覚することに・・・