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本気の人

「そのコーヒー屋は独裁政治の国の豆は仕入れないんです」

昨日、こんな話を聞きました。

その一言に圧倒されました。

大袈裟じゃなくて。

この間、差別化について幾つか書きました。

その前にも何度か書いています、差別化については。

お店をやる時に当たり前に考える事です。

でも、ただ差別化すればいいってもんじゃない。

という事も過去に書いてます。

もう差別化の要素はない、だから人で差別化するしかない。

これが僕の考え方。

小手先の差別化は限界を迎えていると思ってます。

でも、昨日この言葉を聞いて。

はっとしたと言うか。

差別化という括りで語るべきではないんだけど、差別化だよなと思いました。

なぜ、差別化という括りで語るべきではないのか。

きっと、この店主はそんな事を考えて決断した訳じゃないと思うんです。

店主の思考を考えてみる。

コーヒー屋をやりたい。

何か差別化出来る要素はないか。

豆の産地、焙煎、抽出方法では難しい。

さらに細分化しよう。

豆の産地で何か切り口は、、、

そうだ、政治の要素を加えよう。

世間体もいいし、なんだか良い事をしてる風だ。

なんて考えでは無い。

多分。

そんな薄い動機でやっていたら、いつか本気で考えてる人に見透かされる。

さらに産地の選択の幅を狭める事になるので、提供する商品も限られる。

そして、これを決めてしまうと後に引けない。

「やっぱりやーめた」が出来ないんです。

説得力が無くなるので。

あと、申し訳ないけど、分かりやすい差別化とは言い難いってのもある。

お店に来た人に毎度説明するには少し思想が強い。

だから、何も知らずに買っていく人も多いと思う。

コーヒー豆の説明は聞いたとしても、なぜその豆を選んでるのか、なぜあの産地の豆が無いのか。

そこまでの説明を求めるコーヒーギークばかりが来る訳ではない。

だから、素晴らしい。

本気だと感じる。

今の時代、なんちゃってエコ、見せかけのSDGsで人を呼ぼうとする店が増えました。

うちは紙ストローなんです。プラスチックの蓋は止めました。

そんな事をやってる店のゴミ箱には、プラスチックゴミと一緒に紙製の物が捨てられたりしています。

そんななんちゃっての所より、店主が心から憂い、考え、行動してるお店に行きたいと僕は思う。

良い話を聞かせてもらいました。

いつもありがとうございます。

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