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困る人がいる

今日は朝から営業許可更新の為に店の工事。

6年ぶりにお店を作ってくれた工務店の方と会った。

現在66歳。

見た目は出会った頃と変わらず元気そうで何より。

バリバリ仕事をこなしている。

ただ、跡継ぎをどうしようかとぼやいていた。

「会社が無くなると困る人が沢山いるんだよ」

こんな事も仰っていた。

「僕も困ります。うちが無くなるまでは続けてください。」

こんな冗談を言って話は終わったけど、気持ちが少し分かる。

引退したいけど出来ない。

それはお金の為でもなく、楽しいからとかでもなく、仕事しかやる事が無いって訳でもない。

自分の事だけを考えればいつでも引退出来る。

でも、他の人の事を考えると出来ない。

僕はまだまだ引退するような年齢じゃないけど、この気持ちがなんとなく分かる。

毎日の営業がそれに近いのかもしれない。

お店を始めた頃は売上が無かったし、店が潰れた時に後悔したくないから毎日開ける事に疑問を抱かなかった。

毎週休んでるから潰れるんだよ。

飲食店の廃業率の高さを見ては思ってた。

でも、今は違う。

お陰様で売上は安定してきて、週に一度は休んでもきっと大丈夫。

僕も歳をとって疲れやすくなってるし、休みたい欲は増してきた。

必死さが薄れたんだと思う。

でも、だからと言ってなかなか休もうとはならない。

それは困る人がいるから。

常連さんもそうだし、取引先もそう。

お店を始めた頃は考えなかった事が、今は一番に考える事になっている。

こんな事を言ってるといつまで経っても休めないし、いつかは駄目になる。

それも分かってるけど、なかなか踏ん切りがつかない。

よっぽど忙しいお店じゃない限り、定休日を設ける店の意味が分からなかった。

怠けてると思ってた。

でも、今は分かる。

自分で決められないから、強制的に休みにしてるんだって事に。

どこかで決めなきゃいけない事だなと、工務店のおじさんと話してて思いました。

でも、その人は引退したいとか言いながら、次の仕事の話を楽しそうにしてたから、きっと心から仕事を辞めたい訳じゃないんだろうな。

僕も休みたいとは思いつつも、休んだら休んだで落ち着かないだろうし。

お店の運営って何年経っても難しい。

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