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『お客様の為に』の難しさ

『お客様の為に』っていう動機が薄い。

これは自分で書いておきながら、ブーメランとして返ってくる所もありまして。

ちなみにこの記事。


これをやればお客さんが喜んでくれる。

ってのは、わりと簡単に思いつきます。

特にドリンクに関しては。

カフェをやってる人ならきっと誰でも。

こうすれば写真映えする。

こうすれば美味しいと感じる。

こういう商品が望まれてる。

ってのは、SNSを見ればすぐに分かります。

しかもパクりやすい。著作権もないし。

『特定のターゲットを喜ばせる事は難しくない』

これはお店を始めて気づいた事でもありました。

昔見たジェラート屋さんのドキュメンタリーで、

「甘くすれば誰でも喜ぶんです。でも、それは僕がやりたい事じゃないんです」

この言葉を忘れてないのは、きっと同じ気持ちだったんだろうな。

虚しさを感じるし葛藤する事でもあります。

こうすれば可愛い商品が出来る。

お客さんも喜んでくれる。

SNSで拡散してくれる。

売上も伸びる。

何も悪い事はないし、何よりも『お客さんが喜んでくれる』

って考えると、やらない理由はない。

って、頭では理解出来ても、それを素直に実行出来ないのが僕の厄介な所でもあって。

そんなんで来てもらっても嬉しくないんだよなー。

写真を撮りに一回しか来ないであろう人の為に商品を作りたくないなー。

拡散してもらう為にドリンクを作りたくないなー。

甘ければ喜ぶって人に真剣にレシピを考えるのもばからしいなー。

とか、色々と考えてしまう。

これをもっと柔軟に考えれるようになったら、もう少し人気店になれるんだろうな…


『何を作ろうがうちを愛してくれる人は変わらない』

ってのも、5年やって気づけた事でもあります。

この人達が離れないなら、もっと振り切ってターゲットを絞った商品作りをしてもいいのかもなー。

それはそれ、これはこれ。って。

きっと僕が現場に立たなくなったらそれが出来る。

自分で作るから嫌になる。

それなら僕が作らなければいい。

オーナーとしてだけで考えられるようになったら、『お客さんが喜んでくれるなら』って考えに集中できる。

ドリンクを作る人もそういうのが楽しめる人もいるし、もっと柔軟なアイディアが出てきそうだし。

こう考えると、現場に立ち続けるのがお客様の為にならない。

人でしか差別化出来ない。

これに縛られすぎて、頭がカッチンコッチンになってました。

あるお店の方が「現場を誰かに任せようかな」

って、仰っていたのが今になって深くまで理解出来た気がする。

現場を離れるからこそ出来る事がその人には見えてたんだろうな〜。

それがお店の為だったり、行く行くはお客様の為にも繋がるって分かってたんだろうな〜。

『お客様の為に』

この考え方を今一度考える時期なのかなー。

と思う最近でした。






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