読書感想文 『自分の中に毒を持て』

きっかけ

元々は、中田敦彦の Youtube 大学でこの本の存在を知り、いつか読んでみようと思っていた。

育児のため 1か月会社を休んでいて、出社してからさらに1か月が経ち、沸々と何かやりたい、自分というものをもっと見たい、という気持ちが高まってきた。

やることは、”UXリサーチ” と、もう決まったので、あとは勢い=ガソリンを自分に注入しようと思った。

この前は、吉田松陰をインストールしたが、違う刺激が必要だと思った。

いまなら、この本と自分の波が重なる気がして、読むことにした。



気づき

まず全般を通して、これは本という体裁を持った ”岡本太郎本人” だと感じた。

ページをめくる毎にどんどん話しかけてくる。

物理的には紙とインクなのだが、自分の魂に明らかに話しかけてくる。

岡本太郎が本の中で生きていると感じる。

そういう意味で、この本は蔑ろにできない。
否が応でも、正対して岡本太郎と向き合い、そして、自分自身と向き合う姿勢ができていた。



つづくかつづかないか、よりも書こうと思ったことの方が大事

これは読者に対して、日記を始める場面を想定して記した言葉だ。

何かを始めようとするとき、それが成就するのか、無駄にならないか、そして、続かなかったら自分に失望してしまうんじゃないか、と思うことがある。

それはたぶん、失敗例を見たり、自分が失敗体験して身に着けた感覚なのだろうと思う。

失敗について考えてみる。

何かをやってみて失敗した場合でも、意外となんとかなっている場合の方が多いことに気づく。

むしろ何とかなっているから今生きている。


"デザインしたいと思いスケッチの勉強をしたけど、途中でやめたこと "
→ ちょっとしたスケッチを描く際の早さ、勘が良くなった

"作曲とアートワークの制作活動を中止していること"
→ 自分が生み出したものがそこにある、という絶対的な安心感になった

"コミュニティ活動"
→ 繋がりを得られたこと。意外と繋がりは作れることの発見

"オフィス環境をよくする活動"
→ 周りからの信頼。自分がやりたいことがやりやすくなった

"アイデアを試作にする活動"
→ 作ろうと思ったら以外と作れる、という気づき。活動で気をつけることの発見


こう考えてみると、始めて、続けていない活動も多い。

逆に考えると、こんだけ自分は何かを始めようとしていたのかという、勇気を貰える。

また、俯瞰してみると自分が得ようと思った結果を得られた活動は何一つなく、むしろ予想していない成果を得ている。

そういう意味で、自分が世の中に狙った影響を与えるのは難しいが、やらないよりは何かしら得られるものがあえる、といえるではないだろうか。


自分が頭が悪かろうが、面がまずかろうが、財産がなかろうが、それが自分なのだ。それは ”絶対” なんだ。

勇気が貰えるひとこと。

それは ”絶対” なんだ。というところが肝だと思う。


親や友達、配偶者、上司の言うことを聞いていたとしても、それらが亡くなったら無になってしまう。

つまり、周りの人物や言動、というのは常に消滅可能性にさらされているので、それだけに頼って生きるというのは、不安を抱えて生きることを一緒だ。

自分がどんな存在だろうと、自分が生きている限り消えないのが自分。

それだけが、絶対に頼れるものだと。

誰が作ったか分からない丈夫そうな柱に寄り掛かるのと、自分で作った素性の分かっている素人仕事の柱、どちらがいいか。

それは倒れそうなときに分かるのでは。




ほんとうの美人というのはその人の人間像全体がそのままの姿において充実し、確乎とした生命感をあらわしている姿だと思う。

僕が最近考えていた ”美しさ” を見事に言語化されていて、同じことを考えていた人がいたことに対して、嬉しさを感じた。

個人的には、”生命感” が要だと思っている。

どんなにメイクや整形をしたり、流行りの服を着たとしても、”キレイ” にはなるが、美しさには近づけないじゃないか、と思っている。


美しさを得るためには、身体・肌・表情・姿勢・目線が重要なのではないか、と思っている。

それらを仕上げるためには、時間がかかるし、すぐに成果は出ない。

毎日の生活習慣を整えたり、食べるものに気を遣ったり、人と話すとき・話していない時に考えたり、客観的に自分の状態を見たり、志を持ったり、これらはトレンドには書いていない。

そういう意味では、美しさ、というのは自己のために追究するもので、鍛錬が必要とされる。

武道も美しいと表現されることがあるが、それは型だけをなぞるだけでは決して達せられない、精神の美しさに結びついていると思う。

僕はそういう美しさに近づきたいし、それを表現していきたいと思っている。

美しさは、強く、謙虚であることに宿るのではないか。



やること


いまの感覚はいましか持っていない。

年を取ったら同じことをしても、一生得られないものがあるかもしれない。

そう思うと、とにかく、何かを始めることだ。

始めるにあたって、何かを得ようとしない。

いまの自分に従うことだけを、瞬間のゴールとして持って行く。


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