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世界一周を、中断しました。でも、だからこそ、発信は続けます。

昨年12月18日、夫婦で世界一周を始めたとき、まさかこんな展開になるとは思っていませんでしたが、コロナウイルスの影響がここ数日で刻一刻と激化している状況を踏まえ、旅を続けるのは賢明ではないと判断しました。

「タンザニアのサファリどうしようかぁ~」なんてのんきな会話をしていた日から、ものの数日間で、「帰国か?滞在か?」という瀬戸際の状態に。
結果、帰国を決めた数日後には、ルワンダ発着便全便欠航が決まったので、ギリギリセーフなナイス判断だったのですが…
こんなにも刻一刻と世界情勢が変わる中での意思決定は、なかなかしびれる体験でした。

無念。
正直、超悔しいし、悲しいです。まだまだ帰る予定なんかじゃなかった・・・。

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でも、私たちの旅は終わらない。

「こんな生き方があるんだということを証明したい。」
「それを、自分たちの生き方、そして旅先で出会った人々のストーリーを通じて伝えていきたい。」

当初から変わっていないミッションはまだ道半ばなので、必ずやまた再開します。

これまで、たったの3カ月とは思えない経験をさせてもらいました。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。またちゃんと振り返りは別途したいと思ってます。

むしろ、この期間をチャンスに変えよう

これにて第一章は幕を閉じます。
これまで以上にワクワクするような第二章をお届けできるよう、この期間を使って準備していきたいと思います。

そして何より、超たまっている色んなネタを、どんどん放出していきたいと思っています。取材した未公開記事もまだまだあるし、各国での気づきや学びをもっともっと発信したい。
旅をしながらだとなかなか執筆の時間が取れていなかったけれど、そのための時間をコロナウイルスが与えてくれたんですね、きっと。

どうか一刻も早くこの事態がおさまりますように。
直接被害を受けている方々やご家族に、心からお祈り申し上げます。

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おまけ:帰国を決めるまでの悩み日記

実は帰国してからすでに10日経っているのですが、本当にあの時の意思決定は、辛かった。情報がたくさん入ってくる中で何を信じるべきなのか、リスクをどうとらえるべきなのか。

グローバル市民として、いつどこでどう動くかが、一人一人試されているんだなと実感した一週間でした。

そんな振り返りをしてみました。

3月9日(月)
この時は実は、旅をむしろ数週間延長することを決めていた。
家族からは「コロナの影響で国境で拒否されるようなケースも増えているから延長はしない方がいいのではないか」という意見をもらうが、「どこにいても一緒だから、延長はすると思う」と回答。
3月10日(火)
ルワンダでは、スーパーに入るにも、銀行にいくにも、まず最初に手の消毒を義務付けられる。まだ感染者数はいないのに、かなり徹底しているな…
3月13日(金)
友人とご飯。会ったときにハグをしようとしたら「今はこっちよ」と、肘と肘をぶつけて挨拶。
ルワンダも気を付けてるな…でも時間の問題なのかも…
3月14日(土)
両親から「世界中で事態が悪化しているので、早めの帰国も検討したほうが良いんじゃないか」と改めてメッセージをもらう。それに対し「その可能性もあると思ってる。入国できない国も増えるだろうし」と回答。

ちょうど同じ日に、ルワンダでの最初のコロナ感染者が発覚。
「まさか、まじで今帰国…?」という選択肢が初めて頭をよぎる。

でも、とにかく次の目的地であるタンザニアには行こうという決定をする。もしかするとそこが最後になるかもしれないし、少なくとも旅程変更は必要だけれど。タンザニアはまだ感染者ゼロだし。

タンザニアでのサファリツアーや移動方法などのリサーチを頑張る。
3月15日(日)
アフリカで広まると、治安も悪くなる。医療機関もカオスになる。アジア人への偏見もきっと悪化する。そんな情報を目にするようになる。
もう帰ったほうがいいのか…でも…ここまで頑張ってきたのに、ここで帰るなんて!と、なかなか気持ちに踏ん切りをつけられない。

このままルワンダに残るか。
長期滞在覚悟でタンザニアに行くか。
帰国するか。
別の国に退避するか。

泊まっていたAirbnbのホストが本当に救世主で、「いつまでもいていいよ、考えることが多いだろうから、泊まるところだけは心配するな」と言ってくれた。

何がいいのか。お金、安全面、感染リスクなど、すべてを鑑みて判断しなければならない。
二人とも深夜までケータイにくぎ付け。
3月16日(月)
ルワンダからタンザニア行きの飛行機に乗るために空港へ。でもその道中も、いさぎよく帰ったほうがいいのか…という気持ちが強くなってくる。
しかも、二人とも寝不足で体調が悪め。ここで24時間かけて帰国なんかしたらむしろ発熱して引っかかりそうだ…。

チェックインギリギリまで悩んだが、「とりあえずはタンザニアに行こう」と意思決定。

…だが、飛行機に乗り込む10m手前で、「やっぱりここは、帰国すべきだ。ここだけはきっと、行って後悔するよりも、行かなくて後悔したほうがいいところだ」と、心が決まる。
今日はルワンダで一泊ゆっくり休んで、体調を整えて潔く帰ろう、と。

すでに荷物をチェックインしてしまっていたが、空港スタッフに(超)無理を言って、荷物を出してもらう。

ただこれが、かなり面倒くさい判断だった。
すでに税関を通って国を出てしまっていたので、「今すぐにルワンダを出なきゃいけないよ」と言われる。え、まじで!

でも、体調も悪いし、明日の便のほうが良い。
またしても無理を言って、一回出してもらうことができた。
(ルワンダ人は、本当に良い人で、皆めちゃくちゃ協力してくれた。別の国だったらこんなうまくいかなかったかも)

次の日の便を、予約することに成功。
合計24時間。乗り継ぎ2回。でも一人6万円程度。最後はANAなのにこの値段って、悪くない?もしかして安くなってるかも…?
3月17日(火)
思うことは色々あるけれど、とにかく、ここは帰国が正しいはず。
ルワンダ空港に到着すると、手前に医療関係者がいて問診+消毒が義務付けられていた。複雑の心境を胸に、飛行機へ。

乗り換えのエチオピア空港でも、タイのバンコク空港でも、マスクをしている外国人がたくさんいて、見慣れない光景。
また、問診表を記入したり、体温を測られたりと、やはりどこもチェックをしているんだなということを実感。

飛行機はさすがにすいていて、バンコク→羽田のANA便は1人一列状態。おかげでぐっすり眠れました。
3月18日(水)
羽田空港に到着。
さぞかし検閲が厳しいんだろうな…え、いや、うそでしょ…これだけ?
いつもと全くおんなじ、体温を測るセンサーの前におじさんが一人ボーっと座ってるだけの検閲カウンター。
完全にスルーされて、そのままいつも通りの流れで出口へ。

え?

もう、感染者入り放題。なんだこれ。
衝撃を抑えられず、「いやこれむしろルワンダにいたほうが良かったんじゃ…」と感じてしまうくらいだった。

まあ、なにはともあれ、無事に帰国できてよかった。




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