見出し画像

書く習慣 1カ月チャレンジ|誰かにオススメしたい本・映画・アニメ・ドラマ②【Day15】

まさかの②。
わざわざ、②を作ることにしたのは理由があります。

それは「定食屋で勝手にご飯を減らされた」とTwitterで炎上かなんかしている話を耳にしたからです。
最初に耳に入ったとき、「あれ?この話どっかで見たぞ?」と思ったので、それかな、と思ったのです。
しかし、私が最初に聞いた話は、円満にまとまっていたので、どうやら別の話だと気付いたのですが、じゃあ私が知ってる話はなんだったっけな?と思い出せずにいたのです。

が!
やっと!やっと!思い出したのです。
で、その話を多くの人に読んで欲しいな、と思ったのでこの記事をしたためています。

作りたい女と食べたい女 ゆざき さかおみ

簡単にあらすじ

このお話の主人公・野本は、料理を作ることが好き。
もっと作ってみたいレシピはあるのだけど、1人暮らしなうえ少食なので、
「作った料理を誰か食べてくれる人がいたらいいのに」と思っています。

そんな彼女は、お隣さんの春日がめっちゃたくさん食べる人だ!と知り、
作ったり食べてもらったりをしながら仲良くなっていく、というストーリーです。
本当はもう少し他のテーマもある漫画なのですが、今はちょっと脱線するのでそこには触れません。

定食屋で勝手にご飯を減らされた

主人公・野本のお隣さん、春日。
野本はいわゆる「普通の女性」の体型ですが、春日は女性にしては割と体格のいい人です。

春日はある日、仕事帰りに立ち寄った定食屋でからあげ定食を注文しました。
しかし、運ばれてきた定食のご飯の量は、同じくからあげ定食を頼んだ男性より少ないもので…。

春日が「…あの このごはん…」と問うと、定食屋のおっちゃんは
「ごはんの量、少なめにしときましたよ!」
と笑顔で答えたのでした。

って話なんで、かなりTwitterで話題の話とカブる部分があります。
(ちなみにこちらの話は2021年の1月に発表されています)

春日は一瞬ためらったものの、勇気を出して
「普通についでください」と定食屋のおっちゃんに告げます。

一瞬戸惑ったおっちゃんですが、自分が
本人の希望も聞かずに勝手に良かれと思ってご飯の量を減らしてしまった、ということに気が付き、「こりゃすいません…」と春日にご飯をつぎます。

春日はからあげ定食をたいらげ、「おいしかったです」と告げて店を出ます。

これが、2話の話。
実はこの話、続きがあります。

13話にて、春日は野本を連れて、またこの定食屋を訪れます。
春日と野本が食べるものを決め注文すると…
「ごはんの量、少なめと普通と大盛りが選べますが」
と、前回とは違い、今度は事前にご飯の量をたずねてくれたのです。
少食な野本は少なめを、春日は大盛りを注文しました。

実は前回、春日が店を出たあとに、定食屋夫婦は「断りもなく量減らしちゃダメでしょ」「これからは気を付ける」という会話を交わしていたのでした。
なので、女性客男性客問わず、ご飯の量を確認するスタイルに変化していたのでした。

運ばれてきたからあげ定食を前に、春日は「話すことで変わることもあるんですね」とポツリとつぶやくのでした。

2話と13話を読んで感じたこと

実は春日は、「食べ物の量が少ないこと」にトラウマのような思いを抱えています。
11話~12話で出てくるのですが、春日の実家は男尊女卑的な思考のある家庭のようで、食事は「父親や息子だけおかずが多い」「失敗したものや小さいものは母親や娘」ということがあったようです。
美味しいものをみじめな気持ちで食べなければいけなかったり、お腹が空いているのに満足に食べられなかったり。
そういった思いがあるから、「ご飯の量を勝手に減らされた」ことは、普通の人よりも気になるはずです。

でも春日は、「なんで勝手にご飯減らしたんですか?」とギャーギャーわめいて文句をいうでもなく、淡々と「自分がして欲しいこと」だけを伝えました。
この強さは見習いたいです。

もしも私が春日の立場だったとしたら、「は?なんか勝手にご飯減らされたし!減らしてなんて頼んでないんですけど??余計なおせっかいだっつーの、ムカつく、もうここには来ない!」と憤慨して、からあげ定食を美味しく味わうことはできなかったんじゃないかと思います。
普通の量のご飯が欲しいだけなのに、その要求はせずに、ムカムカしながら少ないご飯を食べただろうと思います。

一方、勝手にご飯を減らした定食屋のおっちゃんだって、悪気があった訳ではありません。
「体格がいいからって勝手に大盛りにされた、別に食べる量は普通なのに」という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

おっちゃんは、春日が「体格がよく、見るからによく食べそう」な見た目であったとしても、女性は女性だとして扱った、という見方もできます。

仮に春日が過去に「体格がいいからって勝手に大盛りにされて嫌だった」という経験があったら、勝手にご飯を減らされたとしても、「ちゃんと女性扱いしてもらえた!嬉しい!」と思っていた可能性もあります。

おっちゃんはおっちゃんで、
「女性はご飯減らしてって言い出しにくいかもしんないから、言われる前にやっといてやるぜ!」ぐらいなもんだったでしょうし。
自分が優しさや思いやりのつもりでやってることが、相手を傷付けることもある。

一方で、自分が「傷付いたな」って時も、
それは自分のフィルターで悪く見えているだけのこともある。

そんな風に、いろいろ考えさせられる部分のある漫画です。
とはいえ、全体的にほんわかした雰囲気で、美味しそうなご飯イラストでうきうきもする、楽しい漫画です。
ぜひ一度読んでみてください。


この記事が参加している募集

マンガ感想文

サポートありがとうございます。 とても励みになります。