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こんな時期に1周年を迎えましたが、飲食店の経営はやっぱり楽しいですよ。

2020年4月14日(火)にthe HELL Record & Sourは1周年を迎えました。本来であれば、盛大にお祝いの会を開いていつも遊びに来てくださる皆様に、直接感謝を伝えられたらなと思っていましたが、状況が状況なだけに当日はイベントなどはせずに通常営業し、偶然居合わせたお客様にお祝いして頂きました。いつもありがとうございます。

奇跡のような1年間と、突然現れた終わりなき暗闇

オープンからの1年を振り返ると、たくさんの方々への感謝でいっぱいです。お客様、友人、スタッフたち、クラウドファウンディングでご支援頂いた皆様、地域の飲食店の皆様、そして家族に、心より感謝申し上げます。いつも応援誠にありがとうございます。自分の力だけでは、お店を始めることも、続けることもできませんでした。何かしらの形でお返しできるよう、まずはこのコロナ期を乗り越えられるよう、一生懸命頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

ご存知の通り、現在コロナの影響で営業することさえままならない飲食店、クラブ、ライブハウスが全国にはたくさんあります。例に漏れず、the HELLもそのうちの1店鋪と言っても過言ではありません。都内のような非常事態宣言とまでは行きませんが、大分県内でも陽性患者が続出し、数週間前に県からの自粛要請が出たことを契機に自粛ムードは加速。そして昨日の全国的な緊急事態宣言。飲食店サイドの頑張りも虚しく、徐々に街から人の姿は消え、数ヶ月前まで当たり前だった日常は失われていきました

急に現れた終わりの見えない暗闇、やり場の無い怒りや戸惑い、体力とメンタルとキャッシュを削られていく日々。お店でお客様にドリンクを提供して色んな話をする、たったそれだけのことさえできなくなりました。コロナが我々から奪ったものは、お金だけではなく、仕事のやりがいや、存在価値です。触れることも、話すことも、同じ空間にいることさえも許されず、デリバリーやオンライン飲み会が普及していく一方で、実店舗を運営する我々の在り方そのものを日々問われ続けています

このような現状を打破すべく、全国の飲食店が色んな動きを見せています。テイクアウトや宅配、未来の食券、クラウドファウンディングを開始したお店や、場合によっては休業や業態変更を選んだお店もあります。こんな時期ですので、正解はありません。これは全て、そのお店を経営する人の美学だと思います。「料理以外の手段でお客様からお金を頂くことに違和感を抱くこと」「どんなカタチでもいいからお店を続ける手段を見つけたい」という姿勢は、飲食店経営者としての美学。それぞれの美学をどこまでも応援していきたいですし、私も自分が信じるものを貫きたい

貫いた結果が「廃業」だったとしても、私はそれを受け入れたいと思います。ただ、まだそれを決めるのには早すぎる。やれることがあるなら、全部やってから決めたい。そう思って始めたのがクラウドファウンディングへの挑戦でした。近日中にプロジェクトをオープンする予定ですので、御支援頂けますと幸いです。(※プロジェクト完成までいきましたが、いろいろな思いがあり、実施することはありませんでした:2023年4月17日 追記)

お客さんと一緒にこれからのお店を模索したい

日々苦悩する我々を応援すべく、情報の拡散や整理、テイクアウトや宅配などを積極的に利用してくださるお客様がたくさんいることも事実。本当に感謝してもしきれません。飲食店は、お店とお客さんで作り上げているということを再認識させられました。どんなに美味しい料理やドリンクを提供しても、それを楽しんでくださるお客様がいないと、私たちはお店を続けることはできません。

しかしながら、お店を開け続けたい反面、ご来店したことによって無症状での感染を誘発してしまうかもしれない恐怖というのも同時に感じています。それが原因でお店を閉めた方もいるでしょう。弊店におきましても、スタッフの安全を確保すべく、3月4月の出勤を停止しており、現在は店主の私のみで営業してきました。そして、今回の緊急事態宣言を受けて4月19日より営業自粛いたします。ご来店の予定だった皆様、本当に申し訳ございません。

先述した通り、このような時にお店を開け続けることも、営業自粛することも、完全に閉店することも、どの選択肢を選ぼうと、不正解ではありません。私の中での正解が、感染拡大防止のための営業自粛をしながら、新しい道を模索することでした。ただそれだけです。

それでも未来に希望を持ちたい

アフターコロナ、ウィズコロナの世界線では、お店としての在り方、やり方は変わるかもしれないけれど、実店舗型の飲食店がなくなるかというと、私はそうは思いません。むしろ、今まで以上にリアルな場や時間が貴重で、高価で、重要なものになる。それが当たり前なものではなくなってしまったからこそ。

コロナによる影響はマイナスな面が大きいかもしれない。ただ、ずっとマイナスに捉え続けても何も変わらない。これをきかっけに新しいお店としての価値を見直すにはとてもいいタイミング。ここで止まるか、ここで動くか。それによって半年後、1年後の自分やお店が変わってくると思うとワクワクする。がむしゃらにもがいて、必ず生き残る。別府の飲食店の人たちに対して、少しでも気づきを与えられるような人間 / 店になろうと、1周年を機に覚悟しました。私は守りたい人たちを守る。これから色々と挑戦致しますが、応援よろしくお願いいたします!

the HELL Record & Sour 代表 深川謙蔵

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