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スモールサイドゲーム(SSG)の人数設定と戦術的意義

1対1の限界

1対1の状況では、ドリブルしか選択肢がなく、戦術的な多様性は限定されます。このため、1対1の状況をSSGとして扱うことは適当ではありません。選手が持つべき選択肢が少なく、ゲームの流れや戦術の理解を深めるには不十分です。

2対2の重要性

2対2のゲームでは、ドリブルとパスという選択肢が生まれ、初めて戦術的な考えが導入できます。このため、戦術の学びは2対2から始まります。選手はボールを持ったときにドリブルするか、パスを出すかの選択を迫られ、これが戦術的な思考の基礎となります。

3対3の進化

3対3になると、パスの選択肢がさらに増え、選手はリターンパスや3人目へのパスなど、より複雑な状況判断が求められます。
選手同士の連携が重要になり、パスの出し手(1人目の選手)からボールを受ける2人目の選手には、リターンパス(1人目の選手にパスを戻す)なのか、3人目の選手に渡すのかという判断が必要です。このように3人の連携により、線(直線的なプレー)から面(三角形を使ったプレー)への戦術的な考えが可能になります。

人数の増加と戦術的な幅

人数が増えると、選手はより複雑な状況判断を求められます。例えば、4人以上になると、選手のポジショニングや体の向きが重要になります。SSGのトレーニングでは、3対3から始め、状況によって人数を調整することで、選手に最適な動きを学ばせることができます。人数を増やすことで、選手はより高度な戦術や状況判断を学ぶことができます。

ゴールの設定と守備練習

ゴールの役割
SSGにおいてゴールを設定することで、攻撃側はプレーの正当性を確認できます。得点やアシスト期待値などの数値化された結果は、選手の自信を高めます。ゴールがあることで、選手はプレーの目的を明確にし、戦術的な動きを意識しやすくなります。

ゴールの配置
ゴールの配置には注意が必要です。例えば、ゴールが大きすぎたり、シュートエリアの設定が不適切であれば、課題が達成されないまま得点が入ってしまいます。守備練習では、中央にゴールを設置することが基本です。これにより、守備側は中央の危険なエリアを守ることに集中できます。


4ゴールゲームの制約

4ゴールのゲームでは、守備側の選手がポジショニングを見失いやすくなります。このため、4ゴールゲームは主に攻撃の判断にフォーカスした練習として位置付けられます。守備の練習には、ゴールを1つ中央に設置するのが適切です。4ゴールのゲームでは、選手はボールを持ったときにどのゴールを狙うかを判断する必要があり、攻撃の選択肢を広げることができます。

まとめ

SSGの人数設定やゴールの配置は、戦術的な学びを深めるために重要です。特に、2対2や3対3から始めることで、選手により複雑な状況判断を促すことができます。守備練習には、中央にゴールを設置するなど、適切な制約を設けることが必要です。SSGを効果的に活用することで、選手はゲームの中で適切な判断を行い、戦術的なプレーを身につけることができます。

以上のポイントを考慮しながら、トレーニングセッションを設計することで、選手の戦術的な理解とプレーの質を向上させることができるでしょう。

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