鬼の色と人間の欲望
10月のKUKUMUもなんとか投稿できました。
いつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
短編小説ではあるんですが、5000字近くなってしまいました。もっとスパン!と短いお話も書けるようになれば良いんですけどね~。
「大豆界隈」がテーマでありながら、大豆よりも鬼について詳しくなった1カ月間でした。そんな鬼の知識をちょっとご紹介しようと思います。
鬼の色は5色
よく知られているのは赤鬼・青鬼ですが、黄色・緑色・黒色もいます。カラフルで可愛いなぁ~とか思って居たんですが、この5色は、仏教の煩悩に由来しています。
※瞋恚(しんい)=怒ること
※惛沈(こんじん)睡眠=心の落ち込みと眠り
※掉挙(じょうご)=気持ちが高ぶって頭に血が上った状態
※悪作(おさ)=悪い行い
※我執(がしゅう)=我を通すこと
ちょっと難しい用語がありますが、簡単に解釈するとこうです。
節分の時は、自分の治したい性格と同じ色の鬼に豆を投げると良いらしい。実際に鬼に向かって投げる家庭は少ないと思いますが、せめてその色を思い浮かべながら投げると良いのかも。来年、私は緑鬼を思い浮かべながら投げよう。惛沈睡眠、倦怠、眠気、不健康、全部当てはまってるじゃないか。
鬼の色の由来は?
選ばれた5つの色は、中国の自然哲学「五行思想」が由来だと考えられています。これは、万物が「火・水・木・金・土」の5つのエレメンタルからできているという考え方。
五行思想と仏教思想が組み合わさって、鬼の色が5色に分けられるようになりました。節分も中国から伝わった行事なので、中国的な考えが含まれていることには納得です。
同じ欲望でも、仏教とキリスト教で分け方が違う
この、鬼の色分けはキリスト教でいう「七つの大罪」にちょっと似ています。ちなみに七つの大罪は、傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・色欲・暴食・怠惰の7つ。
といったところでしょうか。七つの大罪には疑いの心が含まれていないんですね。神を疑うのは罪だけど、人を疑うのは罪じゃないというのがキリスト教的な考え方のようです。
アレの色とも共通しているけど……
ちなみに、赤・青・緑・黒・黄の5色は、オリンピックの輪の色とも共通しています。
ただし、オリンピックカラーは正式には赤・青・緑・黒・黄・白の6色。シンボルがデザインされた1913年当時は、この6色だけで参加する国の国旗を描くことができていました。
ちょっと裏話
編集の栗田さんのご提案で、話の中に出てくる鬼たちも身体の色によって性格が際立つように書いてみました。青鬼・黒鬼は登場しなかったのでちょっと残念。舌打ち癖のある青鬼とか、根暗でイヤ~な奴の黒鬼とかが出て来ても面白かったかもしれませんね。
来年の節分が今から楽しみです。