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「かつめ」をみつめる#3

「かつめ」とは、こちらのエッセイマガジンのことです。

ルールは、月ごとに決められた単語2つを必ず入れること。1つは最初の段落に、もう1つは最後の段落に入れます。この2つ目の単語が、次の月のエッセイへのバトンとなります。

エッセイってわかんね~と思っている私がやること

①『かく、つなぐ、めぐる。』の記事をじっくり読む。
②キーワードが書いている文を抜き出してみる。
③全体の感想を書く。

8月のキーワードは「Tシャツ」と「台風」でした。

たなべさんが7月に書いた夏ど真ん中のエッセイです。noteに感想を書くのが遅くなってしまったので、もう9月だし、ここ最近は少し涼しくなってきてしまったけど、このエッセイを読むとクーラーがないとどうしようもない夏の日々を思い出す。たった2ヶ月で気候変わりすぎだよ。

活発な少女のたなべさんと、ベッドで横になる「大きいおばあちゃん」と、い草の匂いがする和室。プールの匂いや部屋の温度、冷やし中華をすする音など、五感で受け取ったことを丁寧に描写しているところがとても勉強になります。たなべさんの思い出を読んでいるはずなのに、自分が小学生だったときのこともワッと蘇ってきた。私もプールバックを放りだして怒られてたな~。

キーワード①:Tシャツ

ずっとそこにいると思っていた人が、なくなってしまった経験はあるだろうか?

そう書き始めた瞬間、ベランダに干していた白いTシャツが強風でぶわっとはためいた。タイピングを止めた手をキーボードの上に置いたまま、ちらりと窓に目をむける。

青い空(とは書かれていないけど、Tシャツを干しているから晴れていたんじゃないかと思う)と白いTシャツ。PVのワンシーンに出てきそうな場面だ。青と白というだけで某乳酸菌飲料が浮かんできたから、CMの力はすごい。カラダにピース。

少し不穏な問いかけから始まるのだが、Tシャツがはためいたことから始まるのは暑くてたまらない今年の夏の話題。キーワードで場面転換することもできるよね!とワクワク。

エッセイというと、どうも私は文章を書いている"現在"よりも過去に起きたことを書こうとしてしまうんですが、現在進行形の自分を書いたっていいんですよね。

キーワード②:台風

あのとき、大きいおばあちゃんが私の頭を撫でた理由を考えてみる。暗く重い台風がやってくる前、一瞬の晴れ間のような行動だったのだろうか。

比喩として使われている台風。荒れている様子、激しい何かに襲われること、安定しないなにか、たとえ話をする時に台風というワードはなんだか役に立ちそうです。人にはどうしようもできない大きな力が通り過ぎていくという点でも、今回のエッセイと共通点がある。

全てを伝えず、「いい夏にしいね」とだけ言い残した大きいおばあちゃんはたなべさんのことが大好きだったんだろうな。

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