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“自分なりの答えを持って、友達から伝えていきたい” だいすけ / 慶應義塾大学 3年 / 東京チーム

THE BLUE CAMPに参加する学生たちを、それぞれがエントリー時に提出した自己紹介およびエッセイとともに紹介します。東京チームは、高校生2名、調理学校生1名、大学生5名(うち1名水産研究)の計8名です。

“自分なりの答えを持って、友達から伝えていきたい”

今回紹介するのは 田中大輔 (だいすけ) です。

彼は水産業とは無縁な生活を送ってきていましたが、国際政治を学ぶ中で水産の社会課題に関心を持ち始めたそうです。将来は食のクリエイションをビジネスで支えたいと思い描く彼は、講義の中でも他の学生とは違ったマクロな視点で質問を投げかけます。アフリカに旅をした経験もありコミュニケーション能力が高く、チームの士気を上げながら色んなところに気を遣ってくれるお兄ちゃん的存在です。

応募時 自己紹介

生江史伸シェフの活動を SNS で拝見したことをきっかけに、漠然と “食” に携わりたいと想うようになりました。最初は、高校、大学の OB に三ツ星シェフがいるということで、生江シェフの活動に興味を持つようになりました。

それまで、食は日常生活の一部で、学問や職業にしようという考えはありませんでした。しかし、生江シェフが料理人としてだけではなく、社会的にも、学術的にも、食を追求される姿は、純粋にかっこよく、魅了されました。私は料理人ではないにせよ、何か “食” に貢献できることはないかと考えるようになりました。 私は将来、生産者や料理人、研究者 といった “食” の作り手をビジネスでサポートしたいと考えています。

それは偏に、作り手の価値が認められる社会をつくりたいからです。例えば、飲食業では “高品質・低価格” が追求されるあまり、料理人の労働環境に皺寄せがいっています。東京は世界一の美食都市として名高いですが、料理人の労働環境を犠牲にして成り立っているのだとしたら、それは正しいことなのでしょうか。これは農業や漁業にも当てはまることだと思います。だからこそ、ビジネスの力で、それを解決したいと考えています。

応募時 エッセイ 
「海と食の未来について思うこと、取り組みたいこと」

日本の海が危機に瀕していると初めて知ったのは、国際政治の講義でした。単なる教授の小話でしたが、四方を海に囲まれた日本で魚が獲れないという、その話題の奇妙さに興味をそそられ、学校の図書館で関連する書籍や新聞、論文を片っ端から読み漁りました。本当に片っ端から。

私はこれまで、水産業とは無縁な生活を送ってきました。中高は部活一筋、大学は政治学専攻、学外では世界放浪をしていました。水産学を学術的に教わったことも、漁業を肌で感じたこともありません。しかし、国際政治の講義をきっかけに、貪るように水産学の文献を読むようになりました。ただ、海の課題について知れば知るほど、現場についての解像度が圧倒的に足りていないことを実感し、「早く現場の声を聞きたい」 という思いが募るばかりでした。その点、サプライチェーンの上流から下流まで、理論も現場も学べる THE BLUE CAMP には大変魅力を感じています。そして、私は本プログラムで取り組みたいことが主に三つあります。

一つ目は、課題に対し、私なりの答えをもつことです。これまで文献を読んできて、国による体系的な水産資源管理の必要性を学びました。しかし、それら文献の著者は大抵、研究者で、漁師の声が聞こえてきませんでした。THE BLUE CAMP は料理人、研究者、漁師と三者三様なお話を伺うことができるので、これまでの知識も踏まえて、私なりの答えを模索したいと考えています。また、ESG投資やフードテック、養殖魚の可能性についても、深く知りたいと思っています。

二つ目は、共通の課題に取り組める仲間をつくることです。シェフや漁師の方々もそうです が、自分が成し遂げたいことを追い求め、海を良くしたいという未来志向な同世代と意見を共有し、切磋琢磨したいと考えています。

三つ目は、ポップアップレストランを海の課題を学べるコミュニティにすることです。私は現在海と関わっていない同世代に向け、海の課題についての情報を伝えたいです。私の友達に、海の現状を知っている人は0です。不漁のニュースがあっても、食卓に出る魚には変化がないので仕方がないことだと思います。しかし、それを知ってもらうのに、説教めいたなものでは飽きられま す。だからこそ、五感で楽しめるレストランを情報発信の基地として、海の課題を学べるコミュニティを作れればいいなと考えています。

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