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“料理に熱中していたら、日本の魚食文化に行き着いた” のざー / 早稲田大学政治経済学部1年 / 東京チーム

THE BLUE CAMPに参加する学生たちを、それぞれがエントリー時に提出した自己紹介およびエッセイとともに紹介します。
東京チームは、高校生2名、調理学校生1名、大学生5名(うち1名水産研究)の計8名です。

“料理に熱中していたら、日本の魚食文化に行き着いた”

今回紹介するのは 野澤悟志 (のざー) です。

彼は大学で政治経済を学びながら卒業後はフレンチのシェフとなる道を志望しています。中学生の頃から憧れのシェフのスペシャリテや料理をテーマにした漫画に出てくる料理の再現をしているほどの料理オタクです。料理と真摯に向き合う姿勢は大変真面目ですが、どこか抜けているところもありチームの中では愛されキャラだったりもします笑。

応募時 自己紹介

僕は料理に強い興味があり、独学で料理を学んできました。中学2年生の頃に母が祖父母の介護をするようになり、料理などの家事を僕が手伝うようになりました。その時に料理に夢中になりました。2年生の夏に「人生最高レストラン」に出演された岸田周三シェフを見てフランス料理に強い興味を持ちました。また、岸田シェフの魚への火入れを見てとても感動しました。それ以降自分もシェフの料理を真似て作ってみたり、フランス料理についてYouTubeや本で勉強してたくさんの料理を作りました。料理を作っていく中で、自分が料理に熱中していくのを感じ、自分も料理人になりたいと思うようになりました。

また、自分が抱いている思いとして、フランス料理をもっと広めたいというのがあります。イタリア料理や中華料理、和食などはそれぞれチェーン店が存在し、広く親しまれている料理が存在します。しかしフランス料理にはそれがありません。食材が高価だったり、調理手順が複雑であるということで敬遠されてきたのだろうと思います。そのような風潮を払拭してフランス料理が日常に存在するようになってほしいです。こう思った理由は、自分が普段スーパーの食材に様々な工夫をして料理を作っているからです。安くて美味しく綺麗なフランス料理がもっと広まってほしいと思っています。
前述の通り将来の夢はフランス料理の料理人ですが、現在は大学に通っています。料理の勉強を本格的に始める前に様々な教養を身につけようと思っています。

応募時 エッセイ 
「海と食の未来について思うこと、取り組みたいこと」

水産資源に興味を持ったのは新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間の時です。学校が休校だったため、ほぼ毎日近所の鮮魚店に通い、魚を購入して捌いていました。毎日魚に触れるなかで、鮮魚の種類の少なさ、一部の品種への偏りや鮮魚のサイズが小さくなっていることを強く感じていました。僕は中学2年生の頃から本格的に料理を始めましたが、小学校の時も料理教室に通ったり、母の料理のお手伝いをしていました。その頃と比べてわずか5、6年ほどで魚のサイズが小さくなり、値段が高騰していると感じました。代表的な例がサンマです。ここ数年で漁獲量は大きく減少し、高級食材になっているとよく報道されています。値段の高騰は消費者の魚への意識を遠ざけ、魚食文化を衰退させてしまうものと感じます。

実際に、休校期間が明け、中学3年生の頃の学校の授業で漁獲量減少の実態を改めて知り、水産資源の保護について強く興味を持ち、「卒業論文」を仕上げました。論文執筆を通して漁獲量の減少が人々の魚への関心を減少させ、日本の魚食文化が衰退していっている現状を学びました。持続的な資源管理を行うことは日本の魚食文化を守ることにもつながります。執筆の際、一流シェフや漁業関係者らに取材を行い、C-BLUEが、水産資源保護に向けた活動や、水産庁への呼びかけを行っていることを知りました。料理をする者として水産資源の減少についてしっかり理解し、関心を持つことが必要だと感じていました。そのため、C-BLUEの活動の一つであるBlue campに実際に参加し、持続的な水産資源管理のお手伝いをさせていただきたいと強く思っています。

Blue campの活動を通して僕が最も知りたいのは日本と海外の水産資源管理の違いや、日本の現状です。現在の日本の資源管理でどこに問題があるのか、どこを直せば持続可能な資源管理につながるのかを詳しく知り、将来の飲食業界に携わる身としてやるべきことを知りたいと思っています。また、漁港でのフィールドワークを通して漁師の方が感じる海への危機感を直接肌で感じることができればと思っています。他にも漁師の方だからこそわかる魚の知識や料理も知れればいいなと思います。そして、料理人を目指す者として魚の調理技術についてぜひ詳しく学びたいと思います。近年フランス料理と和食の融合がトレンドとなり、素材を生かすということに重きが置かれるようになりました。和食を学ぶことでそのエッセンスを学ぶことができたらなと思います。

今回のテーマである和食はユネスコの無形文化遺産に登録されています。日本の鮮魚のレベルはトップレベルのものであり、和食の中で魚というのは大事な部分を担う食材だと思います。そういった世界に誇る日本の文化について学び、それらを守ることの一助になればと思います。




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