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BMW車のモデル名から「i(愛)」が消えてしまった件

クルマに対する情熱の低下か、それとも今の愛車(Volkswagen Tiguan)を人生最後のクルマにしようと決めたからなのか(単に買い替える余裕がないだけとも…)、ブログ開始当初に比べてクルマ関連記事がぐっと減ってしまいました。
とはいえ、一般の成人男性=オジサンよりもクルマに関する関心と感度は今なお高いという自負はあり、ここ最近のニュースから気になったトピックスを3回に分けて(途中、別ネタを挟みながら)書いておきたいと思います。

まず今週が1つ目の話題ですが…
ドイツ御三家の1つ、BMW社から新型1シリーズがリリースされ、BMW JAPANから日本国内モデルが発売されました。

YANASE ホームページより(フェアは2024/11/2-3・9-10)

私の年代(バブル世代)ですとBMWの小型モデルは「3シリーズ」であり、1980年代後半のバブル景気華やかなりし頃には真っ赤な BMW 320i が「六本木のカローラ」と揶揄されるほどに売れまくっていた時代でした。320i が売れ過ぎるので、もう少し余裕のある方は排気量の大きい 325i を買って差別化したりもしていました。当時の車格でいうと、320i は「5ナンバー枠」、325i は「3ナンバー枠」だったので、325i の方が分かりやすく見栄を張れたワケです(排気量2リッター以上は3ナンバー)。

旧車王 2023/3/29

蛇足ながら当時、ライバルのメルセデスベンツ社も M.BENZ 190E という小型モデルを発売し、「赤坂サニー」や「ベンツ」と称されたものです。この190シリーズは現在の「Cクラス」に引き継がれていきます。

YOUTUBE MOUSOU CAR GUIDE 2022/4/11

お話しを戻しますが、今回モデルチェンジされた「1シリーズ」は現代のBMWで最もコンパクトなモデルで、2004年に初代が発売されています(同様にメルセデス社でも、「Cクラス」よりもコンパクトな「Aクラス」が1997年に登場しています)。

最もコンパクトとはいえ、先述の3シリーズと較べても当時のそれを上回るボディサイズであり、ここ30年でのクルマの肥大化を物語っています…

(参考)
・1990年当時の3シリーズ(2代目E30型)
  全長 4360×全幅 1680×全高 1380mm
・今回新発売の1シリーズ(4代目)
  全長 4370×全幅 1800×全高 1465mm
・現在の3シリーズ(7代目G20型)
  全長 4715×全幅 1825×全高 1440mm

※各シリーズの代表的なモデルの寸法(筆者調べ)
現在の3シリーズ

さて今回、日本国内でリリースされた1シリーズは「120」と「M135 xDrive」の2つのモデルがラインナップされました。
ここでクルマ好きならまず気になるのが、「120i や 120d じゃないのか?」、「120はガソリンかディーゼルかどっちなん?」という点です。

これまで長い期間、BMWのモデル名は「320i」・「325i」・「530i」・「750i」等のように末尾に「i」がついているものが多くありました。これはガソリン車のフューエル・インジェクション(Fuel Injection)の「i」で、燃料噴射をキャブレターではなく電子制御でコントロールするという(今では当たり前の)ことを示していました。
近年ではディーゼルエンジン車に力が入っていますので、「318d」・「523d」等のように末尾が「d」のモデルも増えました。

現在の523dは2300ccではなく2000cc

また競合のメルセデスで言いますと、今でこそ「C200」・「E320」・「S600」等と呼びますが、その前は「190E」・「300E」・「560SE」等と表記しており、末尾の「E」はドイツ語で燃料噴射装置を表わす「Einspritzung」の頭文字というワケです。
(さらに蛇足ですが、BMWのモデル名末尾のアルファベットには「i(ガソリン車)」・「d(ディーゼル車)」の他に「x(四輪駆動車)」や「e(PHV車)」等もありました…)

それが、今回の新モデル名では末尾の「i」がなくなったと!

BMW社によると、今後のレシプロエンジン(シリンダー内でピストンを往復させて動力に変換する内燃機関)車両の新モデル名から随時、末尾の「i」を外していくという意向が発表されています。

一方で、今後、益々比率が高まっていくであろう電気自動車(BEV=Battery Electric Vehicle)については、「i4」・「iX1」など「i+シリーズ名」で呼ぶようになり、新しい時代の幕開けを宣言しているようにも見えます。
実はドイツ語で「電気自動車」は「Elektroauto」ですので、モデル名も「e4」とか「eX1」でよさそうなものですが、何故にこれが「e」ではなく「i」なのか?
ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。

京都MKタクシーがハイヤー向けに導入した i7とiX

さて、今回導入される新型1シリーズの国内販売モデル2種類のうち、スタンダードが「120」、Mハイパフォーマンスモデルが「M135 xDrive」です(120にはM sportの設定あり)。

ここで、バブル期にBMWやメルセデスのモデル名に入る数字の法則を一生懸命に勉強した世代としては、
「120というからには1シリーズの20dl だから2リッターエンジンかな?」
と推測しがちです。
しかるに実際には、「120」が搭載するパワートレーンは、1.5L直3ターボエンジン+48Vマイルドハイブリッドシステムを組合せたシステムであり、その最高出力は 170ps、最大トルク 280Nmに達します。
「120」の「20」の意味としては、「かつての一般的なエンジンなら2リッター相当の馬力はありますよ!」という主張だそうです。

例えば、先代モデルの「118i」も同様に1.5L直3ターボエンジン(140ps・220Nm)であり、「ちょっと前の 1.8リッターエンジン相当の馬力はあるでしょ!」といった意味がありましたので、もはやモデル名の数字からその排気量を読み取ることは難しくなってきました。

旧型となった118iには愛(i)があった…

この採番方式はBMWのみならずメルセデス車でも既に10年くらい前から採り入れられていて、今後は恐らくですが、各社とも排気量ではなく出力(馬力)ベースでのモデル名に変えていくか(AUDI等)、或いは車格毎に数字を当てはめるか(VOLVO・MAZDA等)になっていくだろうと推測します。

というわけで、今回のBMW新型1シリーズ発売に際して、「i=愛」の行方が気になった件でした。

冒頭に書きましたとおり、あと2つ、クルマ(輸入車)に関する昨今のニュースで気になった話題があります。
それについてはまた回を改めて…

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