ネクタイに『ディンプル』を必須のルーチンとして欲しい件
水曜日はファッションのお話しを。
『新入社員の着こなしについて言いたい事を書きたい!』シリーズ第6弾です!
最後まで辿り着けるのだろうか…(苦笑)
ネクタイの結び目については、新入社員は就職活動を前にYouTube動画等で特訓したと思いますので、ここで基本的なことをオサライする必要もないのかな…。
ただネクタイ歴も何年か経過すると、1種類のパターンに慣れてしまって他の結び方を知らないままに過ごしたり、ノータイが定着してしまっていざという時にちゃんと結べないとかありがちですね。中堅・ベテランの方も、『知ってるよ』じゃなくて一度確認いただければと思います。
●ネクタイのサイズ感
ネクタイの両端のうち、幅が広い方(結んだ時に前にくる方)を大剣、小さい方を小剣と呼びますが、サイズは大剣の一番広い部分の幅で表します。
大剣の幅が4~6cmのものを『ナロータイ』、7~9cmのものを『レギュラータイ』、10cm以上のものを『ワイドタイ』と呼びます。
通常のビジネスシーンでは幅が約9cmの『レギュラータイ』を揃えておけば問題ありません。『ナロータイ』はモードでシャープなイメージを与えることができますが、パーティーなどカジュアルな場に向いているので、ビジネスでは避けた方が無難です。『ワイドタイ』はクラシックなイメージがあり改まった場に似合いますが、なかなか売られていないかと思います。
参考までにスーツとの相性としては、ジャケットの『ラペル』の幅に連動させることが原則となります。ラペルとは、ジャケットの襟の切れ込みの部分、社章等を取り付ける場所ですが、そこが狭いモード系のジャケットならナロータイ、襟が広い古風なジャケットならワイドタイという考え方になります。結局、現在市販されている通常のジャケットのラペルに於いては幅9cmのレギュラータイが最も似合うということです。
ネクタイの長さはメーカーによって様々、かつ締める人の首周りサイズや胴の長さによっても変わってきますが、基本は、大剣がベルトのバックルにちょうど届く程度。
大剣がベルトに届かない場合は、小剣側を短くして調整ください。大剣と小剣を揃えてもベルトより下に垂れてしまう場合は、プレーンノットをセミウインザーに、セミウインザーをウインザーノットにしてみてください。
因みにダウンタウンの松本人志は、結び目を緩めに、大剣をパンツの中に仕舞い込む独特のスタイルですが、長さは意外と適切です(笑)
●ネクタイの素材
基本的には、多少高価であってもシルク100%の一択かと思います。
ただし、毎日ネクタイを締めることが求められ、汚れや傷みが激しい為に頻繁に新調する必要がある職場では、ポリエステルもまぁアリだと思います。ポリエステルの場合は捩れに対する復元力が弱く、すぐに形崩れしますが、シルク100%に較べて単価は2割程度に抑えられますので、ヨレヨレになったら必ずすぐに新調すべきです。
シルク100%の場合は、プロ野球の先発投手のごとく中2日の休養日を確保すれば、捩れてもしっかり復元してくれます。ただし、何度も締めたり緩めたりして手垢が付くごとに結び目付近が黒ずんできますので、汚れてきた時が買い替え時になります。クリーニング店でネクタイのドライクリーニングのメニューがありますが、残念ながら風合いが損なわれ新品には戻りません。
他の素材としては、秋冬には羊毛(ウール)混のものが、見た目も暖かそうです。
夏にはニットタイがお薦めですね。オジサン臭くなりがちですが、紺×白の横縞等、爽やかなカラーを選べば大丈夫です。
他には綿(コットン)、麻(リネン)、皮革等もありますが、ビジネスシーンでは難しいでしょうね。
●ネクタイの結び方
今さら言うこともないですが、プレーンノットとセミウインザーノット、ウインザーノットはしっかり使い分けていきましょう。
シャツがナローカラー・タブカラー等なら、プレーンノット。
シャツがレギュラーカラー・ボタンダウンなら、プレーンノットかセミウインザー。
シャツがワイドカラーならセミウインザーかウインザー。シャツがホリゾンタルカラーならウインザーノットです。
変わり種として『ダブルノット』というのがあります。海外ブランドの高級ネクタイで、普通に結んでも長過ぎて大剣も小剣もベルトより遥か下まで垂れてしまう場合、結び目を二重にして長さを調整するテクニックです。あまりに長いネクタイは、だらしない長さに結ぶよりはダブルノットでクラシカルに結んでみましょう。
●忘れちゃいけないディンプル
ネクタイについて、とにかくお願いしたいのはこの一点です。
結んだ仕上げに、『ディンプル』(えくぼ・窪み)を必ず作りましょう!
安倍元首相、岸田現首相ともに、記者会見でのディンプルは非常に美しいものがあります(菅前首相は、残念ながらスーツ姿全てに於いて評価できません)。
ディンプルを習慣づけると、ネクタイの方にもディンプル癖がついて徐々に簡単にできるようになります。コツとしては、小剣側の生地をV字に折って、そこに大剣側をM字にしてV字に乗せるように意識すると左右対称に美しく結べると思います。
既にディンプルが習慣づいているお洒落な方々に、念の為のひと言を。
ディンプルはネクタイを立体的に見せる為のあくまで装飾的なテクニックです。ご不幸参列に際して、例えば略礼服等ではディンプルを作らずシンプルに結ぶのがマナーです。
●ネクタイの柄
無地、ドット、小紋、レジメンタルストライプ、格子柄、ペイズリー柄等がありますね。
水玉ドットといえば、名誉ソムリエとしても有名な海部俊樹元首相です。ドット模様の場合、ドットサイズが小さいほど格調高くなり、大きいほどカジュアルになります。
レジメンタルストライプは、右上から左下に描くイギリス式と、左上から右下に描くアメリカ式があります(必ずしも生産国とは一致しません)。アメリカのデザイナーに左利きが多いからとか、心臓を切りつけるイメージで反逆を表したとか諸説あり蘊蓄には事欠きませんが、興味あれば調べてみてください。
因みに…、レジメンタルストライプは元々は所属する大学や軍隊を表すものですので、欧米への海外出張の多い方は、誤解を避ける為にもレジメンタルストライプは避けておくのが賢明です。
取り敢えず、新人からベテランまで、ビジネス上で必要な情報は盛り込みました(苦笑)
他にボウタイ(蝶ネクタイ)やアスコットタイ等、ドレスシーンを書き始めるとキリありませんので、今日はこの辺で。
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