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クルマ遍歴をタイヤサイズから語る件

ここ1年ばかりの激務のせいで、大好きなクルマを弄る時間はおろか、クルマ雑誌やクルマのネット記事を読んで情報をアップデートする時間がとんとなくなってしまいました。
一昨年にこのnoteブログを始めた頃に、自身の過去の愛車遍歴を記録しておこうと思って、確か3回に亘って、想い出を書き綴った記憶があります。

私が20歳で運転免許を取得してからの愛車遍歴としては、
●HONDA CIVIC 25R(1985~1992)
●AUDI 90 2.3E(1992~2000)
●VOLVO V70 CLASSIC(2000~2019)
●VOLKSWAGEN Tiguan TSi(2019~)
の4台を所有してきましたが、この39年間を経て、クルマのサイズ感とともに、タイヤ・ホイールのサイズも大きく変わってきたように思います。

まずそのタイヤの話しをする前に、タイヤ・ホイールのサイズについての基礎知識が必要となります。
ご存知の方は読み飛ばしていただいて構いませんし、ご存知でない方も、ご興味なければどうぞお読み飛ばしください(笑)

例えば、タイヤの側面(サイドウォール)に 【175/60R15 88H】 と書かれたタイヤがあるとしましょう。
この羅列された英数字の中で、サイズに関わる部分は【175/60/15】の3つです。
【R】は『ラジアル構造』を示しますが、現在は殆どの乗用車がラジアルタイヤです。
一方で『バイアス構造』のタイヤもありますが、こちらは主に二輪車や産業用車両に使われていますので、今回は省略します。
【88】等の数字は『ロードインデックス』と呼ばれ、簡単に言えばそのタイヤ1本で何kg迄の荷重負荷に耐えられるか?という数値ですので、88よりも100、100よりも110の方がより重量やパワーのある車両に向いているということになります。
【H】等の記号は『速度記号』で、Hなら210km/h、Vなら240km/h、ZRなら240km/h迄の速度域に耐えられる(理論上の数値)という指標です。
で、【175/60/15】についてですが…
最初の【175】等の数字はタイヤの幅。例えば175なら175mm、235なら235mm幅を示します。慣習上、何故か5ミリ刻みです。
2番目の【60】等の数値は【扁平率】といって、タイヤの幅に対してその断面の高さ(タイヤの厚み)が何%くらいあるか?の指標。
具体的に計算すれば、175/60であればタイヤの厚み(サイドウォールの高さ)は175mm×60%で105mm。別のタイヤで例えば255/45と書いてあれば、255mm×45%で114.75mmとなります。
尤も、ゴム製で正円とはいえない条件ですので、小数点以下の端数は無視し得る範囲です。扁平率も慣習上、5%刻みで表示されます。
そして最後の【15】等ですが、これはホイール(ゴムタイヤでくるまれている金属製の円形部分)の直径をインチで表示したもの。
タイヤの横幅はセンチで表示しておいて、それと一体化したホイールはインチで表示するという、摩訶不思議な慣習に従って表示されています。
(蛇足ですが、スポーツのゴルフに於いても、グリーンに乗るまでの距離はヤードで示すのに、グリーン上でのパット距離はセンチで表現するのも不思議ですね…)
で、一般的にクルマというのは、タイヤが摩耗して買い替えたり、降雪シーズンにスタッドレス等の冬タイヤを買ったりする時に、そのサイズを変更する方も少なくないのですが(クルマにあまり興味ない方の場合は、タイヤサイズを変えるという観念自体が理解できないとは思いますが…)、その場合のセオリーとしては、『タイヤの外径(直径)を変えない』ということです。
その最大の理由はスピードメーターの誤差を出さない為ですが、そのスピードは『タイヤ外周×回転数』で計算されており、『タイヤ外周』を変えないということは、それを円周率3.14…で割った『タイヤ直径』を変えないということになりますね。
『タイヤ直径(タイヤの外径)』は、『ホイール直径』+『タイヤの厚みの2倍』という算式になりますので、ホイールを買い替えない場合で『タイヤ直径を変えない』ということは、『タイヤの厚みを変えない』ということに行きつくわけです。
(タイヤの外径と直径という言葉が混在していますが、逆にタイヤの内径=ホイールの直径であることはご理解いただけるかと思います…)
とはいえ、先述のとおりタイヤの幅は5ミリ刻み、扁平率は5%刻みですので、その2つの掛け算の答えがドンピシャ一致することはあまりなく、近似値で許容されることになります。
具体的には、メーカーが設定した標準値に対して、タイヤ幅はマイナス10mm~プラス20mmまで、直径はマイナス3%~プラス2%までと定められています。
というわけで、具体的な事例で計算してみるならば、例えば
165/65R15というサイズを履いているクルマのタイヤを幅広化、或いはインチアップする場合には、
165/65R15の外径=165mm×65%×2倍+(15inch×25.4mm)=595.5mmに近い外径を得る為に、
185/50R16に換装した場合に、外径(185mmの50%×2倍+(16inch×25.4mm)=591.4mm)で、『タイヤ幅は20mm増、外径は0.7%減』と許容範囲内に収まることとなります。

というわけで、ここまでは大半の方が読み飛ばされたという前提で(笑)、ここからが本題です。

冒頭に挙げました私の愛車遍歴の記念すべき1台目、HONDA CIVIC 25Rは、
ボディサイズが全長3810×全幅1630×全高1340mmで、タイヤサイズは165/70R13でした。
今や少数派となった『5ナンバーボディ』の車幅が殆ど170cmですので、163cmという車幅は非常に小さく見えると思いますが、当時はさほど小さいとは感じませんでした。
上位グレードの25iやSRになると、タイヤサイズが185/60R14でした。
当時の扁平率は、タクシーや軽トラ等では82%が主流で、70%でもスポーツタイヤと呼ばれており、上位モデルのオーナーは60%が自慢できる時代でした。
その後、『乗り心地とファッション性を両立させた65%!』が開発され、現在に至ります…

蛇足ながら、昭和の時代に一世を風靡した『スーパーカーブーム』で、人気№1・2を競った『Lamborghini Countach LP400』は、全長4140×全幅1890×全高1070mmのボディに対して、タイヤは前輪が205/40R14、後輪が215/70R14という小さなサイズでした。このタイヤで公称時速300km/hが出せたのか?そんな疑問も含めて『スーパーカー』でした(笑)
因みに、そのカウンタックLP400/500の進化版である現在の『Lamborghini Countach LPI 800-4』は、前輪255/30R20、後輪355/25R21という超巨大なタイヤを装着しております。

さて、私の2台目の愛車、AUDI 90 2.3E。
こちらは全長4485×全幅1695×全高1410mmという典型的な『5ナンバーボディ(排気量が2L超だったので登録は3ナンバー)』に対して、タイヤサイズは185/60R15と、現在ではリッタカークラスの標準装備よりも小さいタイヤを履いていました。

折角のドイツ車で、タイヤのインチアップを始めいろいろ弄りたい衝動はありましたが、なにぶん車両購入だけで生活が行き詰りましたもので、ショックアブソーバーを換装した程度でタイヤサイズは変えずに乗っていました。
この90-2.3Eの後継モデルは現在ではAUDI A4となりますが、そのタイヤサイズは普及モデルで225/50R17、上位モデルで245/40R18~245/35R19となりますので、約30年で隔世の感があります。

さて3台目のVOLVO V70 CLASSICには、約20年も乗り続けました。
ボディサイズは全長4720×全幅1760×全高1460mmと、現代の同クラスの車両と較べれば全長に対しての車幅が小さめですので、狭い道路では意外と扱いやすいクルマでした。

タイヤサイズは、こちらも195/65R15と現在と較べれば可愛いサイズでした。
上位モデルでは205/50R17というサイズが設定されており、何度もインチアップを企てましたが、金銭的な事情により断念したまま20年が経過したという次第です。
このV70の後継モデルは現在ではV60になりますが(70シリーズは廃番)、タイヤは普及モデルで225/50R17、上位モデルで235/45R18~235/40R19と、上述のAUDI A4と似た感じですね。

そして最後に、現在乗っておりますVOLKSWAGEN Tiguan TSiですが、さすがにSUVということもあって全長4500×全幅1840×全高1675mmと背が高いだけにタイヤサイズも巨大化しています。
(前車のVOLVO V70に較べて全長が22cm短くなったのに全幅は8cmも増えました…)

タイヤサイズは標準で215/65R17或いは235/55R18とSUVにしては控えめでしたが、私が購入したモデルは台数限定車で235/50R19という変則サイズを装着していました。
その前のAUDIとVOLVOが15インチだっただけに、19インチという巨大ホイールには大いに興奮したことを覚えております。
ただし同じTiguanでも、上位モデルは235/40R19。またマイナーチェンジ後のスポーツグレードは255/40R20ないし255/35R21ととんでもないサイズとなっています。

以上、私が乗ってきた順に車両サイズとタイヤサイズの変遷を記してみましたが、これにより何が変わってきたかというと、プロポーション的には、横から見た時にホイール径が大きくなってカッコ良くはなってきましたが、パンクや摩耗、経年劣化によるタイヤ交換のコストは飛躍的に高額化しています。
昨今、若者のクルマ離れの一因として車両価格の高騰が挙げられる中ですが、維持費の一部としてタイヤ交換が4本で数万円となると、そうそう簡単に手を出せない現状もあります。

かくいう私のVOLKSWAGEN Tiguanのタイヤについても、走行距離は2万km未満でミゾもまだまだ残っている一方で、製造から6年目を迎えてゴムの劣化が酷く、明らかに交換時期ではあるのですが、新品タイヤ4本で10万円を軽く超える見積もりに驚愕しているうちに、この3月から約5%の一斉値上げが発表されました。
値上げを前に、駆け込み発注で安全と安心を買うべきか否か、大いにお悩み中ではあります。

最後に…
興味本位ではありますが、かつてのカローラを抜いて国内販売台数№1となりました、Hybrid車のPRIUSプリウスについて、そのタイヤサイズの変遷をまとめておきます。

●初代(1997年~);165/65R15
●2代目(2003年~);(標準)185/65R15(上位)195/55R16
●3代目(2009年~);(標準)185/65R15(上位)215/45R17・215/40R18
●4代目(2015年~);(標準)195/65R15(上位)215/45R17
●5代目(2023年~);(標準)195/60R17(上位)195/50R19

これを見て興味深いのは、いったん215mmまで拡大したタイヤ幅が、それ以上に太くなることなく195mmと20年前の幅に戻っている点です(その代わりホイール径は19inchまで巨大化していますが…)。
これは『エコカー』の原点である『低燃費性能』を訴求しようとした結果、タイヤ幅は狭いほど『転がり抵抗』を抑制でき、ついては燃費的に優位になるという事情ですね。
19インチの大径ホイールに195mm幅の細いタイヤ、横から見たら大迫力! 前後から見たら意外と華奢な足元(苦笑)
少し前まで絶対に見なかった組合せです…

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